fish

日本人のダイオキシンなどの摂取の一番多い割合は、魚からによるものです。
しかし、魚からのミネラルや栄養は是非欲しいものです。
特に魚に含まれるDHAは脳の発達によい!などと聞けば、
「家の子も少しは頭が良くなるかしら・・・」などと思うのは親心だったりして。
(えっつ、私だけ!?)
そこで私たち主婦は「魚の安全度」や、「不安物質の除去」の
プロになって、家族に安全かつ栄養の豊富な魚を
選ぶ、という重要な指名が生まれるわけです。
で、この項は特に詳しく説明することにします。

近海魚

 

湾岸や沿岸で取れるため、工場排水や農薬、ダイオキシンなどの環境ホルモンで汚染されている可能性が大。

たら、マグロ、とびうお、かつお、キンメダイ、アジ、鮭、マナガツオ、いわし、サンマ、サバ、ブリ など

養殖魚

狭いいけすの中で大量に飼われているので、魚の病気発生を防ぐ抗菌性物質が使われることが多く、残留の不安がある。

マダイ、マス、シマアジ、鮎、ハマチ(養殖ブリ)、車えび など

回遊魚

群れをつくって季節ごとに移動するため、一ヶ所にとどまっていない分、化学物質に汚染されることはあまりない。

ヒラメ、キス、クロダイ、カレイ、スズキ、ワカサギ、メバル、カマス、タチウオ、サワラ、車えび、いか、たこ など

 

 上表を見るとわかるように、近海魚は最も不安物質の含有量が高いといえるでしょう。そして最も安心なのが回遊魚です。
  これらを参考に、調理によって魚の種類を選ぶとか、近海魚ばかり食べない、ひんぱんに食べるならなるべく回遊魚を食べるなどの工夫をすることをおすすめします。
  また、干物にするとダイオキシンなどの残留物質の濃度が高まるので、アジなどの養殖ものと天然ものとの区別がつきにくいものは注意が必要です

 

 

食 材

除 去 方 法/下ごしらえ

選び方/調理例

アジ

@ ゼイゴを取る
A エラとワタを取る
B 腹の中まできれいに洗う

天然物と養殖物があるが、抗菌性物質の不安がない『天然もの』が安心。また干物は先にも述べたように、信用のおけるもの以外は回数を避けたほうが安心です。
天然ものの旬は、6月〜8月。

アマダイ

近海魚なので、下味をつける料理が安心。

照り焼き、酒蒸し、かす漬け、みそ漬(西京漬)など

アユ

ほとんどのものが養殖なので、あまり回数を食べないこと。

残留物質のほとんどが”ハラワタ”の部分に集まっているので、信用のおける「天然もの」以外は、はらわたは食べないほうが安心です。

イワシ

回遊魚なので、安心度は高い。
@ うろこをこそげながら洗う
A 胸びれの下に包丁を入れ頭を切り落とす
B 腹を斜めに切り落としワタをかきだす
C 流水の下で腹の中をきれいに洗う

つみれ、煮付け、ぬた、塩焼き、フライ、干物

カマス

近海魚で脂質も多めなので、ダイオキシンなどの化学物質汚染の心配があります。しかし、この魚に関しては調理のときに防御できる方法がほとんどないので、回数は避けたほうが無難でしょう。
下ごしらえは、
@ うろこを取る
A 頭を落としてワタを抜く
B 腹の中まで流水できれいに洗う

塩焼き、干物などで食べるので、不安物質の除去がむずかしい。

カレイ

近海魚だが、脂質がほとんどないので、化学物質汚染の心配はほとんどない。
下ごしらえは
@ うろことエラを取る
A 腹を押してワタを出す

煮付け、刺身、から揚げに。
煮付けるときは、皮に×に包丁目を入れ、半分に薄めた調味液に10分ほど漬けて残留物質を引き出してから、新しい調味液で煮ると安心.刺身やから揚げは、三枚に下ろしたものを削ぎ身にし、さっと熱湯をかけた後冷水で冷やしてから調理すると、残留物質が切り口から出るので、安心。

キンメダイ

近海魚だが、深海の魚なので化学物質による汚染は、さほど心配ない。ただし脂の強い魚なので、湯通しして脂抜きをしてから使うとよい。

煮付け、鍋物などに。
旬は冬。

サケ

回遊魚なので、化学物質による汚染は少ない。

塩焼き、ムニエル、フライ、照り焼き、かす漬けなどに。
下味の調味料を途中で変えたり、かす漬けなどの粕をこそげ落としてから焼いたりすることで、よりいっそう安心度がUP。

サバ

回遊魚なので、化学物質による汚染は少ない。
@ 頭を落とす
A ワタを抜く
B 流水で血を洗い流し、水気を拭く

みそ煮、しめさば、塩焼き、竜田揚げなど
下味の調味料を途中で変えたり、煮物の場合下ごしらえの段階で一度熱湯をかけることにより、よりいっそう安心度がUP。

サワラ
(切り身)

近海魚で脂質がかなり多めなので、少々気を使って調理することをお勧め。下味をつける料理が安心。

塩焼き、西京焼きなどで。西京焼きなど不安物質を溶出する方法がお勧め。
旬は冬。

サンマ

回遊魚なので、化学物質による汚染は少ない。
蒲焼、生姜焼きなどもあるがやっぱり塩焼きで食べたいサンマ!!サンマの塩焼きといえば、「ワタ」を好む人も多いですが、たとえサンマ(回遊魚)でも、「ワタ」は除いた方が安心。

目が澄んでいて、青いくらい光っているものを.
サンマの塩焼きには「大根おろし」が付物ですが、大根のビタミンCが焦げ物質の「トリプーp1」の発ガン性を消してくれるので、必見です。
”秋刀魚”と書くように、旬は秋。

タラ
(切り身)

回遊魚なので、化学物質による汚染は少ない。
鍋や汁に入れる前でもサッと湯通しすると、なお安心。

白身の魚であっさりしている。汁物、たらちりなどに。

ハマチ
(刺身)

ブリの若魚を指していうが、今では養殖のブリを指していうことが多い。
脂質も多く、抗菌性物質や環境ホルモンによる汚染が心配。
しょうゆ、酢、ともに残留物質を引き出す力が強いので、これを合わせた二杯酢につけて食べたほうが、安心度がUPする。

二杯酢につけることで、脂肪でこってりした味がさっぱりとする。ただし、天然ものなど信用のおけるもの以外は回数は食べないほうが無難。

ブリ
(切り身)

回遊魚なので、養殖もののハマチに比べれば、安心度はぐっとUP。

照り焼き、塩焼きなどで。
照り焼きなど下味をつける場合は、いつものように途中で漬け汁を替えるほうが無難。また、鍋で照り焼きをする場合は最後に煮詰める汁は、新しい汁を加える。

マナガツオ
(切り身)

回遊魚なので、化学物質による汚染は少ない。

名前は似ていますが、カツオとは種類が違います。
ムニエル、刺身、西京焼きなどで。西京焼きなど不安物質を溶出する方法がお勧め。

メバル

近海魚なので、下ごしらえのポイントをおさえて使用する。
@ ウロコを取り、エラぶたを開いて包丁を入れ、包丁の先にエラを引っ掛けて引き出す。
A 裏側の腹のやや内側に斜めの包丁目を入れ、  包丁の先でワタをかき出す。
B 腹の中を流水できれいに洗う。

煮付け、塩焼きなどで。

ワカサギ

海水と淡水が混じったところの魚で、”汽水魚(きすいぎょ)”といい、内湾の魚です。
念のため、ザルにのせて全体に流水を流しかけて表面の汚れをよく洗い流し、水気を切る。汚れと同時に表面についている恐れのある環境ホルモンも落とします。

フライ、から揚げ、南蛮漬け、てんぷらなど。
南蛮漬けは、揚げたてのワカサギを南蛮酢に漬けるので、残留物質が南蛮酢によって引き出されるのでお勧めの一品。

エビ

近海の甲殻類。
主に心配なのは化学物質汚染だが、これはほとんど背ワタに残留しているので、背ワタは必ず取る。

フライ、てんぷら、コキール、チリソースなどに。

イカ

近海で取れるので、下ごしらえをしっかりとする。
@ 足を抜いてワタを取る。
(残留物質が集中している場所)
A 胴の皮をむき、開いて、内側を包丁の背で強くしごいてきれいにする。

焼き物、煮物、刺身、酢の物、中華和え、フライ、てんぷらなど。
旬は秋。

貝 類

内湾で取れるために化学物質などによる汚染の不安が大きい。砂抜きと水洗いをしっかりする。

輸入物が増えて一年中出回っているが、国内産のほうがいくらか不安が少ない。
一番の基本は、旬を選ぶこと。

シジミ

真水に漬けて一晩置く。
貝の殻は意外と汚れているので、砂抜きを終えたら流水下で貝をいくつか手に取り、こすり合わせて洗う。
むき身の場合はザルに入れて塩を少々ふり、ボールの中で振り洗いする。

出回る季節は一年中だが、寒シジミが一番よい。

アサリ

アサリ、ハマグリは海に住むので、砂抜きは海水程度の塩水(塩3%で、なめてみるとかなりしょっぱく感じるくらい)に一晩つける。
静かな薄暗いところに置いてリラックスさせると、貝は呼吸をしながら砂を吐く。それと同時に残留物資も吐き出してくれるのです。
もちろん、水洗いも忘れずに。

旬は、晩秋から春先。

ハマグリ

旬は、10〜3月。

カキ

内湾養殖のため、様々な化学物質で汚れていることが多い。昔ながらの大根おろしで洗う方法で不安物質を取りのぞける。
たっぷりの大根おろしの中にカキを入れてかき混ぜ、ザルにあげる。ボールの中に水を流し入れながら、二〜三回振り洗いし、汚れた大根おろしを流す。
この方法はむき身のアサリやシジミにも応用できる。

旬は、11〜2月。

アオヤギ など

アオアヤギなど貝を刺身にする場合、ザルに入れて熱湯に通し、すぐ冷水につけて冷まして、水気を切る。

********************

 

  日本人のPCBやダイオキシンなどの環境ホルモンを魚から全体の六割を取っているといわれています。では「魚を食べなければよいか」といえば、別ページの「環境ホルモン」についての項でも述べたように、魚に含まれる栄養素の中にはDHA,EPAなど脳の発達などに不可欠なものもあり、食べないわけにはいきません。どの食物でもそうですが、私たちは生きて生活していく上で、何らかの形で栄養を摂取しないわけにはいかないのです。
  なんでもそうですが、「食べなければいい」という視点に立ってしまえばそれでおしまいです。そういった環境を作り、何の防御手段も持たない魚などの生き物の生命を脅かし、生態系を崩そうとしているのはまぎれもない、私たち人間なのです。
  食物、特に食物となる生き物(野菜も含み)すべての状況をざっと見ても、現在の環境の悪さが垣間見えます。私たちがすべきことは、自分たちの体を守ることはもちろんのこと、少しでも”化学物質の心配をしないで食べられる生物”が育つことを考えることではないかと思うのですが、  皆さんはいかがでしょう...。

 

「有害物質の除去方法」
メニューに戻る