●景品表示法
不当な景品類及び表示による消費者の誘引を防止し、公正な競争を保護する法律。雑 誌における読者プレゼントや懸賞もこの法律によって規定されている。
<読者プレゼント(賞品・景品)>
1.一般懸賞(雑誌購読者に対して、抽選により賞品を提供)
賞品金額の上限:定価の20倍まで認められる(アンの場合は4000円まで)
賞品金額の総額:定価×実売想定部数×2%以内(アンの場合、号当たり約40万円
まで)
表示:表紙、車内吊り、新聞広告等に明記しても構わない。
2.特例懸賞(単なる抽選でなく、編集に関連したアンケート等の回答を求める場合に のみできるもの。アンの読者プレゼントはこれに該当)
賞品金額の上限:3万円。
賞品金額の総額:一般懸賞と同じ。同時に他の懸賞を行う場合は合算し、1号中の
懸賞全体でこの上限を守る。
表示:表紙や広告宣伝物に記入してはいけない。(販促行為への利用の禁止)
3.オープン懸賞(アンを買わなくても応募できる懸賞)
賞品金額・総額とも無制限。
実施の条件:インターネット、他媒体、新聞等で広く募集(発行エリア、発行部数
が自誌以上で、自誌の告知より先に発行されるものを利用)。応募は官製ハガキ等
誰でもできる方法によること。
4.ベタつき景品(全員プレゼント)
購入者全員に景品を提供するもの(書店での挟み込みも含む)
賞品金額の上限:価格が1000円未満の雑誌では100円まで。(1000円以上の場合
は定価の10%まで)
注)懸賞によらず景品を提供するケースは全てこれに該当する。懸賞によらず、先着
順で何名様にというのも該当するので要注意。
5.モニターの募集
編集等に関連して、読者から募集して何らかの形で編集に参加してもらい、適当な
報酬(商品)を支払うもの。
例)パソコンモニター募集/パソコンを読者に提供することを前提に使用感等をレ
ポートしてもらうもの。
海外旅行モニターも同様。
募集方法:選定は応募者の経験・能力を基準に行う。選考結果の発表期日、モニタ
ー結果の掲載予定号を予め告知する。モニター期間及びその報告は数回(数ヶ月)
の継続が必要。
表紙:明記可。ただし、具体的に商品名やメーカー、金額等を書くことはできない。
注)モニター募集とプレゼントを同じページで掲載することはできない。
注)提供商品、報酬は「正常な商習慣に照らして適当な額であること」が必要。
<広告主(他媒体、他事業主)による懸賞>
1.広告主が自社の宣伝の一環として商品等を一般消費者に提供する告知。
応募者を読者に限定しないものであれば問題はない。
賞品金額・総額とも無制限。
注意点:編集は関与しない。広告であることを明確に。広告なので表紙等で謳うこ
とはできない。
2.クーポンつき広告
クーポン券は基本的には広告扱い。クーポン付き広告であれば、上記「広告主によ
る懸賞」に準じて対応する。
注意点:切り取られることが前提なので、裏面に配慮する。裏面が広告であれば、
裏面広告主と要調整。
有効期限、利用店舗・場所、提供商品(サービス)の具体的内容、割引の場合はそ
の比率、無料の場合は該当する金額、以上をはっきり明記すること。
クーポン券の形状、数量、割引率、金額の制限はなし。
3.雑誌提示による値引き
500円以内の値引きであればOK。
注)従来はベタつき景品扱いで、100円までしか認められなかったので要注意。
表示:表紙や広告宣伝物に記入してはいけない。
●よく見受けられる法律違反
1.道路交通法違反
車道または歩道を不法に占拠することは許されない。チラシ配りや街頭アンケート、
サンプリング等は警察の許可がいる。店頭でのチラシ配布も道路上ではやってはい
けない。アルバイトする中で普通に見受けられる業務だったりするので、取材の際
は配慮が必要。
街頭販売で許可無く屋台を出してたりするのも同じ。ストリートミュージシャンも
無許可で道でやっていれば道交法違反。無許可で商業施設内でやっていれば住居不
法侵入となる。
2.窃盗・横領
店の商品をこっそり食べた、友達だから店長に内緒で安くしてあげた、といっ
たことは業務上横領。レンタルビデオ等で勝手にレンタル期間延長したり、新作を
他の客より優先して貸してあげたり、といったことや、コンビニ等で賞味期限切れ
で捨てるべき商品を持って帰ったりするのも同様。
3.その他
ポスティング(ポストにチラシ等を入れていくやつ)等でマンション内に立ち入る
場合、通路や階段であっても許可無く立ち入れば住居不法侵入。電柱や電話ボック
スに勝手にポスターを貼ったりすれば器物損壊や迷惑防止条例違反。特にピンク産
業のポスターやチラシを貼り付けたりすると、悪質な罪になり前科がつく場合もあ
り。
注)記事で紹介することによって証拠となり、刑事罰を受ける可能性があるので、バ
イター紹介では細心の注意が必要。
●悪徳商法
1.マルチまがい商法(連鎖販売・ねずみ講)
注)大手の中にも該当企業はあるので要注意
2.催眠商法
大安売りと称して大勢の人を閉め切った部屋に集め、最初は安い物(無料の物)を
売りつけ、買わないと損という心理状況を作ってから高い羽毛布団等を売りつける。
3.かたり商法
「消防署の方から来ました」などと消防署、郵便局等の名をかたって商品を売りつける。
4.霊感商法
先祖のたたり、このままでは不幸になるといって、不安や悩みにつけ込んで高額な
商品を売りつける。
5.さむらい(士)商法(資格商法)
資格の有効性を喧伝し、不当に高額な教材を売りつけたり受講料を取る。
6.デート商法(アポイントメント商法)
電話やハガキで「あなたが選ばれた」「○○が特別に無料」等と呼び出し、事務所
に連れ込んで長時間にわたって説得し高額商品を買わせる。
7.ネガティブオプション
商品を突然送りつけ、断らなければ買ったとみなして後日(クーリングオフ期間終
了後)代金を請求。代金引換郵便を利用して即日集金するケースも。
8.キャッチセールス
駅や路上でアンケートと称して声をかけ、喫茶店や事務所に連れ込んで強引に商品
を売りつける。最近は画廊に案内し、版画等を不当な価格で売りつけるケースも。
9.点検商法
点検に来たと訪問し、「布団にダニ」「白アリ」等とだまして高額商品を売りつける。
10.福祉商法
「目の見えない人に盲導犬を贈る」等、実際に行われない福祉活動を理由に商品を
売りつける。ネガティブオプション、訪問販売型が多い。
11.内職商法
「趣味と実益を兼ねて高収入」等と広告やダイレクトメールで勧誘し、材料や機械
を売りつける。購入者がそれを使って仕事をしても収入は得られない。
12.見本工事商法
ベランダやサンルーム工事を「目立つ場所なので宣伝になるから」と特別に安くす
るように言って契約させるが、実際には安くない。
13.求人(就職)商法
「下着販売員募集」等の広告を出し、応募してきた人に商品を買わせる(自社商品
購入を条件に採用し、購入後は理由をつけて解雇)。モデル募集と称して、高い登
録料や受講料を取り、実際には仕事を回さない、といったものも同様の手口。
14.公団公社申し込み代行商法
街頭やポスティングで申し込みハガキを配布し、優先的に入居できるように思いこ
ませて手数料をだまし取る。
注)以上のような悪質商法が実態を偽って取材依頼をかけてくることもあり得ます。取材し ていておかしいと思ったら必ず編集長に報告すること。迂闊に記事で紹介すると、被 害を広げることにつながるし、媒体の信用を損なうので。
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