ココヲオサエテカシコクツクリタイ
 編集していく上で重要だなあと思ったいろんなこと
 その6・手塚治虫さんに習ったこと(00.6.14)

 注)アン関西版編集スタッフに普段伝えていることをまとめたものなので
 求人情報誌に関連することがほとんどですが(今後もそういう内容になります)、
 一般誌の制作についてもココだけ知っていれば大きな顔ができるポイントかと
 思いますので、参考にできるところだけ参考にしてください。
 なお、このページの記事の無断転載・抜粋は禁じます。


●ホントに言いたいことはオブラートにくるめ!?

 手塚先生に習ったことは山ほどあるが、その中で編集に一番通じそうなのが「オブラートにくるめ」ということ。「一番伝えたいことはオブラートにくるむようにそっと伝えたほうが伝わる」という一見矛盾する教えだ。
 たいていの編集制作物には何か目的がある。読んだ人に、どこかに行ってほしい、何か買ってほしい、誰かを好きになってほしい、考え方を一変させてほしい…。何かアクションしてもらうために編集する、というのが普通だろう。では、アクションさせるとして、直接的に訴えるだけで、それは達成できるのか? あまり主張しすぎるとソッポを向かれてしまうことの方が多いのではないか?
 極論すれば、例えば環境問題に意識を向けさせるとして、正しい行いを続けている事例をいっぱいあげるよりは、とてつもなくひどい事例をひとつあげた方が読者のアクションを引き起こせたりする。反面教師という言葉もある。

  「オブラート」にはもうひとつの意味がある。それは、教わって得た知識よりも、自分で発見した知識の方が身に付くということだ。もちろん喜びは後者のほうがだんぜん大きい。あえて、答えの手前で発言を控えて読者に自分で見つけてもらうこと。これが、読者のアクションを強くすることも多いのだ。
 編集記事で気をつけたいのは、「ここおもしろいから行ってみ」ではなく「探してみたらこんないいとこあったよ。キミも探してみたらもっといいとこ見つかるかもね」という制作スタンス。けっこう大事なことだと思う。



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