ココヲオサエテカシコクツクリタイ 編集していく上で重要だなあと思ったいろんなこと その3・雑誌制作の基本姿勢をシンプルに考える(00.5.22) |
注)アン関西版編集スタッフに普段伝えていることをまとめたものなので 求人情報誌に関連することがほとんどですが(今後もそういう内容になります)、 一般誌の制作についてもココだけ知っていれば大きな顔ができるポイントかと 思いますので、参考にできるところだけ参考にしてください。 なお、このページの記事の無断転載・抜粋は禁じます。 ●要は、見てすぐ分かればいい、雑誌における編集 雑誌の編集ページの大半が、言わば「読み飛ばされる」ためにある。購入者は主に写真や見出しを見ながら目的のページを探し、おそらく半分以上のページがほとんどめくられもしないまま、ゴミ箱行きとなる。 興味のあるところ以外は読み飛ばそうとする読者を、いかに自分の編集ページに呼び込むか。そこが編集者の醍醐味である。パラパラめくっている時点で、表紙や目次のページタイトルを読んだだけで、ページの見出しを読んだだけで、たった一枚の写真やイラストで、小見出しを眺めただけで、斜め読みしただけで、最初の数行を読んだだけで、その他考え得る、姑息で、いじましくて、お気軽で、勢いある様々な手練手管が必要なのだ。そうしたテクニックで読者の気をひける技術は、実は簡単に身につくことだ。 またこの技術は時に、編集者に絶対必要とされる構成力や校正力、ビジュアル判定能力、スタッフを束ねる能力、伝える能力、アンテナといった、にわかには修得困難な技量の不備をカバーしてしまうことがある。 なんと簡単な方程式か。要は、(1)パラパラめくった時目につく場所に一番見せたいビジュアルやキャッチコピーを配し、(2)斜め読みした時にひっかかりやすい位置に小見出しを配置し、また、(3)同じく斜め読みした時にひっかりやすい位置にキーとなる単語を配置し(この際、その単語が2行にまたがるなんてもっての他だ。書籍では許されても雑誌では許されない)、(4)本文出だしの数行にもっとも言いたいフレーズか、テーマがずばり分かるフレーズを配置すること。 たったこれだけのことで、編集としては及第点が取れてしまう。しかもこの簡単なルールに気づいている人は意外に少ないというわけで、編集として頭角を現すチャンスはけっこう誰にでもある。 |