ココヲオサエテカシコクツクロウ
 編集&企画の学校
 その1・編集に関して知っておくべき法律編

 注)アン関西版編集スタッフに普段伝えていることをまとめたものなので
 求人情報誌に関連することがほとんどですが(今後もそういう内容になります)、
 一般誌の制作についてもココだけ知っていれば大きな顔ができるポイントかと
 思いますので、参考にできるところだけ参考にしてください。
 なお、このページの記事の無断転載・抜粋は禁じます。


●人権
基本的人権を踏みにじるような表現があってはならない。いわれのない個人攻撃につ
ながる表現でないかどうか、常に判定を。(企業攻撃についても同様。必要ならケン
カもいとわないが、意図もないのにケンカする愚は避けようってこと)
差別表現、差別用語についてはあえて書かないが、掲載してしまうと回収など大きな
問題になることもある。各自のモラルとバランス感覚の研鑽が必要。

●職業選択の自由
募集や採用の際、女性(男性)の排除、外国人、身心に傷害のある人、思想信条、家
庭環境、居住地による差別をしてはならない。(採用後の差別も同様)
ということで、戸籍謄本、住民票などの提出をさせるような募集も不当。
・職業安定法第2条(職業選択の自由)
・職業安定法第3条&労働基準法第3条(均等待遇)

●職業選択の自由の例外(就業制限)その1
15歳に達した日以降の3月31日になるまでの就労禁止(労働基準法第56条)。た
だし、13歳以上であれば、軽易な労働については行政官庁の許可があればOK。また、
タレント活動であれば年齢制限はない。

●職業選択の自由の例外(就業制限)その2
18歳未満者の重量物&危険物取り扱い業務、酒席での業務は禁止。

●職業選択の自由の例外(就業制限)その3
芸術・芸能分野で表現上理由から性別限定の正当な理由がある場合。
守衛・警備員など防犯上の理由で男性に従事させる必要があるもの。
宗教上、風紀上の理由から男性・女性のいずれか一方に従事させる必要があるもの。

●職業選択の自由の例外(就業制限)その4
18歳未満者の22時〜翌5時の労働は禁止。15歳未満者の20時〜翌5時までの労働は
禁止。(交替制の場合、労働大臣の許可があれば一部可)

●肖像権
誌面で顔を出す場合、必ず本人の許可が必要。風景の中に偶然映りこんだ場合は許さ
れるが、この場合も実際に掲載される際の顔の大きさによっては慎重な判断が必要。
似顔絵などについても肖像権に属するので、著名人の似顔絵等を使用する場合は許可
が必要(程度にもよる)。

●著作権
写真、イラスト、文章、音楽の歌詞や音符、市販されている商品など、著作物を掲載
する場合はすべて制作者の許可が必要。アンで取材した際の写真であっても著作権は
カメラマンに帰属する。
また、作品を変更されない権利というのもあり、写真やイラストを勝手にトリミング
することは許されない(慣習として、取材写真のトリミングはOK。編集部が記事用に
制作依頼したイラストのトリミングもOK)。
写真、イラストとも1回の使用しかできない。2回目以降の流用の際は別料金が発生
する(複数回使用が予め分かっている場合は「買い取り」対応すること)

●商標
商品ロゴ、商品名称等を第3者が無断で使用することはできない。一般名称だと思い
こんでいるケースもあるので要注意。

注)逆のケースとして取材先から記事中にロゴ掲載を依頼される場合があるが、一般的
にはロゴ使用=広告なので、記事中にロゴは入れない(ケースバイケースなので、掲
載の可否は編集長判断)。

●入国管理法
外国人の在留資格(就労可否)
1.就労制限なし
 永住者(法務大臣が永住を認める者)、日本人の配偶者、永住者の配偶者、定住者
 (難民認定を受けた者、2世、3世)
2.外交上の理由で一定の仕事ができる
 外交、公用、教授、芸術、宗教、報道
3.国際活動等の理由で一定の仕事ができる
 投資・経営、法律・会計業務、医療、研究、教育、芸術、人文知識・国際業務、
 企業内転勤、興業、技能
4.法務大臣によって指定された仕事ができる
 ワーキングホリデー(オーストラリア人、ニュージーランド人、カナダ人、韓国人、
 フランス人のみ)
5.就労不可
 留学、就学、研修、家族滞在、短期滞在、文化活動

注)アンで扱う場合、5.のケースが大半。就労は不可だが、「資格外活動許可」が受け
られればアルバイトは可(留学生は週28時間以内、就学生1日4時間以内。特別許可
があればこの制限もはずせる)。取材に際しては「資格外活動許可」の有無を確認す
ること。

続きへ(雑誌のプレゼントは何円までOK?)
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