ほのぼのしたグラフィックで繰り広げられるシンプルな野生の掟“弱肉強食”
バードウィーク
ハード/ファミコン メーカー/東芝EMI
ジャンル/育成?
ゲーム自体は、親鳥を操り巣で待つお腹を空かせた雛にエサをせっせと運び、雛を無事巣立たせるというシンプルなルール。しかし、ゲーム内容はクマのプーさんの世界がいかにファンタジーであるかを子供たちに残酷につきつけるものである。
動くものは敵かエサ。
悠長に飛んでると思ったタカも親鳥を前に無慈悲な爪を光らせる。
リスやムササビなど人間たちが可愛いともてはやす森の住人たちも、果てはモグラまでもが親鳥の柔らかなピンク色の肉を狙っているのだ!
簡単な食物連鎖のピラミッド... 親鳥にはそれを覆す術はない。だが命を惜しんで唯一の安全地帯である巣に何時までもとどまっている事は許されない。そう雛はこの間にもお腹を空かせ衰弱していっているのだ!
そんな苦難の末の雛の巣立ちは“天に召される”と揶揄される。だが親鳥はひたすらそれを繰り返す、命果てるまで……
ゲーム画面のデフォルメの効いたキャラ、「愛鳥週間」などというタイトルを冠しながらプレイヤーを迎える野生のルールが受けなかったのか各地の中古ファミコンゲーム取り扱い店のワゴンで見かけるゲームである。
ステージが脅威の999面という「アトランチスの謎」もビックリなボリューム。
操作も親鳥の天敵に対する唯一の対抗策、毒キノコぶつけて仰け反らせ時間稼ぎもお腹を空かせた雛ことを思えば自分の首を絞めることになるので、十字キーだけでプレイできるというのも嬉しい。
シンプルで一瞬バカらしいと思ったが、プレイしだしたら以外と夢中になってしまう。それでいて疲れない。
派手さも充実感も全くと言っていいほどないが、それ故肩の力を抜いて遊べるゲームである。