半分毎度お馴染みになってきた鎌津羅市の高校。
そして、今日も今日とて短いHRを終えようとしていた渚教員。
「今日も特に無し、それじゃあHR終わ「コンコン」誰かしら…はい?」
渚はドアノブをガチャっと引いてドアを開けた。
「今回は誰の関係かな?」
渚は淀みなく生徒たちの方を顔だけ振り向いて聞いた。
「あ、先生そのシャア専用オートバジンは俺です」
手を挙げながら答えたのはいつもの如くの渡口秀信である。
このクラスの生徒たちは秀信の事柄に関しては半ば無心の領域にまで達しているのでこの程度は無いも同然である。
一部の生徒は「大変だな…中の人…」などと思っている。
秀信は自分の席を立ち、渚と二、三、話したあと、シャア専用オートバジンと共に廊下に出た。
「それじゃあ、改めてHR終わりね」
渚はそう締めくくってそのまま教室を出て行った。


まあ、前振りと本編のクラスは違うので、このまま視点は変わって別クラスに移る。


「オレの名前を言ってみろぉぉぉぉぉ!!!!!」
ここは秀信と同学年の別クラス。
ただいま、ここの担任は地に力が抜けた身体を預けており、その担任を男子生徒が片足踏みつけて叫んでいるという状況。
手にはショットガン、顔にはお手製マスク被りながら。
ちなみに何故かウイグル獄長とアミバ様はそれぞれ死亡イベント終了済み。
「ディオ様だっけ?」
「いや、DIO様じゃないか?」
マスクの生徒の近くに居た男子生徒二人は名前について相談中。
名前どころか、作品も違うが、どっちもキャラは同じだが。
「ジャギだろうが!!デグどもが!!」
そう叫びつつ、二人の男子生徒に向かってショットガンを発砲。
それぞれ、脳天と鳩尾の部分に当たり昏睡状態へ。
ちゃんと弾は暴徒鎮圧弾を使用しているので無理に使わない限り死にはしない。
「フハハハハ!!拳王を舐めるなよぉぉ!」
高らかにそう叫ぶマスクの男子生徒。
ジャギの時点で拳王とは違うのは誰も突っ込まない、巻き込まれたくないから。
「……拳王ってより犬王だな。無駄に叫ぶ分…」
ボソっとマスクの生徒の叫び声に突っ込む遠くで椅子に座りながら眺めてる男子生徒。
「ええい!!そこのお前も死ねぇぇぇい!!」
そう言って瞬時にショットガンを構え、突っ込んだ生徒に発砲する。
「ふ、図星を言われて怒るか…。だが、我がスタンドにはその様な物は通用せん!!」
ショットガンの弾は男子生徒に当たるかどうかの目の前で透明の壁に弾かれた。
「なにぃぃぃぃ??!!!」
「我がスタンド『ルイ・サイファー』に弱点は無い!!」
そして男子生徒の背後に現れたのは黒スーツに長髪気味の金髪をオールバックにした男であった。
「なあ…アレってスタンドってよりむしろペルソナだよな…?」
「ああ…しかも、ルシファー様だろ?弱点以前にめっちゃ耐性高いし強すぎだが、燃費悪いだろうな…」
「「まあ、バックにゴゴゴゴとかドドドドとか聞こえるのは幻聴だな」」
周りの生徒たちはその言葉にうんうんと頷いている。
その間、もちろんマスクの生徒とペルソナもといスタンドを出した生徒は睨み合っている。

そして…。

「ウェイウェイウェイウェイウェイウェイウェイ!!!!」「そらそらそらそらそらそらそらそら!!!!」
マスクの生徒は自分の拳で、スタンドの生徒は『ルイ・サイファー』で猛スピードの殴り合いを始めた。
「ああ!なんて凄まじく、不毛で。それでいてこってりとしつこくも無く…(説明的セリフ)」
「何故、ジャギ男だけネタ的な掛け声なんだろな…?」
「…ジャギ男だからだろ」
またしても、うんうんと生徒たちはそれに対して頷いている。
ちなみにみんなの中でマスクの男はジャギ男で決定済みである。
「ウェイ!!」「そらぁぁ!!」
渾身の力を入れた両者の最後の一撃で拳が合わさる。
そして、ゴキリと鈍い音が教室に鳴り響いた。
「「いってっぇぇぇぇぇ!!!」」
両者共に自らの拳を抑えながら床を転げ回っている。
もちろん教室のなのでその転げ回った先では。
「がっ」
「げっ」
それぞれが転げ回って机や椅子にぶつかり、その拍子に倒れた机や椅子に頭などをやられ沈黙した。
二人の沈黙と同時に地に伏していたこの教室の担任が起き上がり、堂々と教室の中でタバコを吸い始めた。
一応、校内は火気厳禁という張り紙がいたるところに張られているが、その理由は割愛しておく。
「もう終わったか〜?」
「あ、先生、終わりましたよ」
そんな担任に生徒たちは気にした風もなく、話し掛けた。
「それと、その河童海老戦(うす塩味・ラベンダーの香り)とかいう謎のタバコ吸わないでくださいよ。煙がラベンダー臭くて辛いですよ」
「そうか?最近のオレのマイブームなんだがなぁ…」
言われた担任は頭を掻きながらポケットに入っているタバコの箱を取り出した。
パッケージは河童と海老が戦っている絵に思いっきり筆字で殴り書きされた河童海老戦と文字が書かれている。
ちなみにパッケージには妙なシナリオがあり、書かれている河童と海老は未だに勝敗のつかない勝負を千年やっているという謎のシナリオが存在する。
他にも河童は元某米国から派遣され、東京湾に10年間発見されずに潜伏していたエリート工作員だったり。
海老は海老で忍者の一族の党首で世界中を傭兵として飛び回り、持ち前の甘いマスクと特殊ステルス甲殻で戦場を渡り歩いたという謎の設定が存在する。
一応設定について、会社は某鉄歯車とは似て非になるものだと主張を続けている。
話を戻して…。
「とりあえず、そいつらの席に放置しておけ。そのうち起きるだろ」
「「「「「「は〜〜〜い」」」」」」
生徒たちは担任の声に返事をしながら机などを元の位置に戻したり、倒れた二人を運んだりしていた。
「それじゃあ、気を取り直して出席取るぞ〜」
このクラスもこんな感じに日々のHRを過ぎていった。
二人の出席についても一応、出席扱いになっているのも日常である。