お宝に決まってるだろ!
オレはトレジャーハンターだぜ
どんな光り輝く財宝よりも
どんな光り輝く宝石よりも
光り輝くお宝…
デュアルハーツ
「デュアルハーツ」は、02年に発売されたアクションRPGで、多種多様なアクション、さまざまな人の夢に入り夢世界を冒険するというファンタジー色の強い世界観を売りにしたゲーム。しかしテレビCMが流されないなど主要購買層と思われるお子様へのメディア露出が薄く、ゲーム雑誌で情報を見るようなゲーマーからは「ゼルダ」や「アランドラ」といった同ジャンルの名作・佳作の二番煎じという印象で反応は悪かった。黒南風は、元々このジャンルが好きなのもあってチェックをいれてはあったが雑誌での紹介記事を見て様子見したのだが、売り上げは芳しくなかったようで… 安くなってきた頃購入。プレイを開始しました。
夢を自在に操るという秘法“夢見る宝石”を狙いソンノ島へと渡って来たトレジャーハンター最高の称号“レリックレイダー”の称号を持つ少年ランブルと、夢世界より夢女王の指示でかつて世界を席巻したナイトメアを封印した賢者の使った神具を解放するために現実世界に遣わされたバク族のタンブル(この名前はランブルが付けた。本名はピカソ並みに長い)。先祖が賢者と共に戦ったというがその血は薄いようでタンブルはドジをして神具解放に必要な鍵を無くしてしまう。鍵は夢に惹きつけられソンノ島の人々の夢の中に隠れてしまった。偶然その場に居合わせたランブルは、タンブルから鍵集めの協力を求められる。タンブルのいう鍵が“夢見る宝石”に関わりがあると睨んだランブルはこれに合意。二人の冒険がスタートする……
ゲームは、
1.現実世界では鍵を宿す夢を探してソンノ島を移動
2.夢の中のダンジョンをクリアし鍵を入手
3.現実世界の遺跡にて神具を解放 1に戻るという流れになる。
こう書くとワンパターンのように思われるが、ダンジョンになる人々の夢世界はユニークで、またストーリーが進むと夢世界は拡張され、新たな神具・バクの能力によって出来ることが広がっていくのは良い。またRPGなどでは、ミニゲームが独自の操作ごとに設定されることが多いが、デュアルハーツでは本編でのアクションを駆使してクリアしていくタイプで、難易度もなかなかシビアなので夢中になってやっていると自然とそのアクションの使い方をマスター出来て本編が楽になるなど、ただ遊ぶだけでなくプレイヤーのレベルアップにつながっていてGOOD!!
ボス戦ではただ武器を振り回すだけでは勝てない。多種多様なアクションの中から有効なアクションを見つけ出さなければならない。ミニゲームの成果が生きてくるところだ。
ストーリーを進めていくことで新しいアクションが次々と追加されていくので飽きがこない。
ストーリー序盤、師匠から自分の絵を否定され自信を失った絵描きの夢のボス戦で師弟対決が催されるのだが、師匠がハンデとしてランブルに弟子の手伝いをさせるのだが、なんと勝負の決着のつけかたが、端から絵を描いていき、相手の絵をも塗りつぶし完成さしたほうが勝ちというトンデモないものがおこなわれる。冗談じゃないと思っていると…
「師匠を足止めしている間に私が絵を描くからね」
「ちゃんとやらないと承知しないわよ」
弟子も殺る気デス!
師匠をランブルが剣で吹き飛ばし弟子が絵を描く、師匠も絵を描きながらの回転攻撃で弟子・ランブルを蹴り飛ばす。
もはやこれは格闘技
「やった!」
「勝てたわ!」
「勝てたのよ私!」
芸術ってなんですか?
なんだかんだでストーリー終盤、15人と2匹の夢での冒険を通して知ったどんなお宝でも満たされない気持ちの答えを必死で否定するランブル、人の変わってしまった夢女王から死にいたる呪いをかけられたタンブルの二人(一人と一匹?)を中心に展開していく。
複雑化してきた近年RPGのストーリーの中で凡庸と呼ばれそうだが、こういう王道を行くストーリーはかえって胸を打つものがあった。ラスボス戦での二人の友情タッグ、トドメは二人の力をあわせてととにかく熱い!
ストーリーの先を予想出来るのはマイナス材料にされがちだが、コレに関しては元々テキスト量の多いゲームではないからむしろ王道を貫いたことは成功だった。
残念な所はこの手にジャンルの宿命のようなものだがカメラワークが挙げられる。
加えてやや画面の色がカラフル過ぎて目がチカチカするのも残念だ。白い民間人佐藤ばりの横スライドを見せてくれた歌姫シフォンの夢は3D酔いどころでは済まない。
クリアする事自体は簡単だが、アイテムコンプリートは一筋縄ではいかず熱い!それだけにクリアデータ引継ぎのような措置が図られていれば…
それらを差し引いても安心して楽しめ心温まる物語だった。
まだ全アイテムコンプリートは済ましていない。
二人の冒険はまだ終わりそうにない。