『奄美・沖縄エッセイ』058
■■■■■>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>◆ 2010.11.20 ■
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◆■■ ---------- ■ 奄美・沖縄エッセイ ■◇■
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    □◆□◆□▼ 学生たちの奄美大島 (2)▼□◆□◆□

ハイタイ、いつのまにか晩秋から冬を迎えようとしています。紅葉も
少しずつ落ち葉に変わり、古都の東山の峰々は冬の装いへと衣替えの
最中です。

さて、今号は、前回の続きで、夏に奄美大島本島を訪れた学生たちの
レポートからの引用です。前回に引き続き、参加したメンバー全員か
らの引用を、私心を排するするために、載せます。今回もまた少し長
くなりますが、よろしくお付き合い下さい。

▼ラジオ収録も終わり、ディ!ウェイヴでは、国とラジオの関係につ
いて知りました。国の一つの市に一つだけという決まりだけで、島全
体に流せないこと。島に一つしかないFMを国の決まりのために全域に
流せないなんて、こんなのは内地だけの決まりでいいと思います。デ
ィ!ウェィヴはNPO法人ということでお金がなかなか集まらないらし
く、島の方々に会員になってもらって会費で番組を作ったりしている
島密着型のラジオ局ということも知りました。私にこのことを話して
くれたケンタロウさんは埼玉出身ですが、奄美をとても愛しているの
が、話を聞いているだけでひしひしと伝わってきました。やっぱり奄
美の魅力ってすごいです。(K.K、男性)

▼冨田酒造の冨田さんは雨が止んだらお墓参りに連れて行って下さっ
た。島でのお盆はその日に必ず墓参りに行くらしくお墓は人であふれ
ていた。奄美では先祖を大事にする習慣がある。たしかに本州にもそ
ういった習慣はあるが、それでも奄美の人たちのご先祖様は愛されて
いると目に見えてわかる光景だった。提灯を一つぶら下げて家族全員
でお墓参り。自分が死んだ後もこんなに思ってもらえるなんて、私は
奄美にお墓を作りたいと思った。/ほんとうに島の人たちは優しくて
温かくて、人とのつながりを大切にし、先祖を大切にし、奄美が大好
きだということが接しているうちにものすごく伝わってきた。コミュ
ニケーション不足がうたわれている現代で、こんなにも人と繋がって
いるところは他にないだろうと思った。(T.A、女性)

▼また移動の車内で、僕はひろぞうさんに感動していた。だって、急
に何かをよけたと思ったら、同乗の別府さんが「今のは蝶を避けまし
た」って。そんな蝶を避けようなんて、今まで考えたこともなかった
。ひろぞうさんが偉大に思えた。わざとかな?とも思ったが「40キロ
以下ならぶつからないよ。風で飛ばされるだけ。僕の商売道具ですか
ら。」と。本気でした。その夜の道でもカエルを避けて走行するひろ
ぞうさん。素敵すぎた。滝では、またひろぞうさんが「ここは神聖な
場所ですから、一度あいさしてから入りましょう。」と。別府さんを
見ると、既に一礼をしている。ここても感動してしまった。島の人っ
て素敵。普通の人には、古臭く感じるかも知れないけど、僕には新鮮
だった。(T.S、男性)

▼その後、一番楽しみにしていた、三味線を学ぶことになった。やは
り、ギターなどとは違うところがたくさん出てきた。そのなかでなん
とか「いきゅんにゃ加奈」を練習して弾けるようになった。この経験
のおかげで、奄美の民謡をもっと知りたくなってしまった。こんなに
楽しいものだとは思いもよらなかった。歌詞が何通りもあり、その場
に適した歌詞を使い分けるという。これだけでも面白いのに、もっと
ルール?があって、歌詞には絶対女性が先に出てくるなど、J-Popな
どにはない、古い歴史を感じられた。この経験は、ほんとうに僕の人
生を変えたと言ってもいいぐらいのものになった。(S.H、男性)

▼車の中から眺める奄美の風景はとてもきれいだった。京都の風景と
はまた違って、森の木は南国独特の生い茂るような樹ばかりで、穏や
かな風景というより力強い風景という印象が強かった。でもとこか懐
かしくて、自分のお婆ちゃんの家を思い出すようであった。しかし、
私の知る風景と決定的に違ったのは、奄美の海だった。私の知る海と
いうのは、全体的に青く少し汚れていて、波に飲み込まれそうな濃い
海であった。私の地元に面している瀬戸内海の海と全然違って、奄美
の海は、透き通るような青い綺麗な海で見とれてしまった。奄美は人
の優しさも魅力的だが、しぜんも風景も豊かで良い所である。久しぶ
りに自然の風を受けながら昼食をとることができて本当に良かった。
(K.S、女性)

▼二日間お世話になったみなさんへ。短い間でしたが、いろいろと教
えて下さってありがとうございました。ばしゃやま村のおばあ、瓜も
ゴーヤも食べたのは初めてだったけど、ゴーヤはもう遠慮願いたいで
す(^^;) おなじくばしゃやま村の久保文雄さん(名前が間違っていた
らごめんなさい)、あの東屋で海を見ながら聞いた奄美の島唄は、と
ても「奄美」というものを感じさせる唄でした。島唄と唄の歴史を教
えてくれた生元さん、経験を交えながら島唄について詳しく教えてく
れて、さらに手製の資料まで下さってありがとうごさいました。三味
線を教えてくれた沖島基太さん、あまりうまく弾けなかったけど、辛
抱強く教えて下さってありがとうございました。(S.M、女性)

▼私は、写真を撮ることが大好きである。しかし、今までは人を中心
とした写真ばかり撮っていた。それは、人の自然体な笑顔や、思い出
に残すことが好きだったからである。しかし、今回は自然、風景を撮
った。それは、「撮りたい」と思うほど自然が綺麗であったからであ
る。新しいものを見るのが多くて、写真を撮ることによってこの自然
をどう表現することができるかがとても楽しかった。/写真家の別府
さんは、自由な人だった。写真を撮るとき「自分が撮りたいと思った
時に撮ればいいから。」私はこの言葉を聞いた時、「表現者だな」と
思った。そして、その撮った写真を見ると、どこが、とか詳しくは言
えないのだが、「きれい」とただ単に感動するしかなかった。別府さ
んは優しかった。はじめて出会う私に自慢話をするような方ではなく
、自分の仕事に誇りを持った本当にすばらしい方だった。こんな方と
一緒に写真班として、奄美大島を回ることが、とても意味のある濃い
時間だった。(K.A、女性)

これですべてです。こうして学生たちの感想を読んでいくと、その中
心には、奄美大島の人々と自然があることがよくわかります。このこ
とは当然と言えるかも知れませんが、一人一人の感想をよく読むと、
それが少しずつ違っていることがわかります。学生それぞれの感性と
奄美の人と自然が交差した結果、そこに生まれた言葉はそのまま奄美
大島の魅力の多様性をよく表現しているように思えます。この演習は
これで終わりなのではなく、これからも隔年で続けていきたいと考え
ています。学生たちも、書いていますように、また島を訪れることが
ありそうです。私はそのことを期待したいと思います。
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           ■◇■ あとがき ■◇■

前号を読み直していて、入力ミスが多いことに気付きました。私の力
不足で、余裕無く書いているこのメルマガはいつもそうなのですが、
今回はとくに学生たちのレポートにそれが多かったので、深く反省い
たしました。前回の分の訂正版は、フッタに記される私のHPにアップ
しましたので、もし、よろしければ、そちらをご覧下さい。今回は気
を付けたつもりですが、いかがでしょうか。

さて、演習に参加した学生たちは、京都に帰ってから、報告会をし、
レポートも提出したのですが、それでも飽きたらず、さらに奄美を通
して自らを表現しようと、下記のようなイベントを企画しています。
ブログにも書きましたが、それは次の予定で行われる予定です。

■奄美写真展「アリガッサマリョータ 学生たちの見た奄美大島」(仮称)
■日時:2011年1月05日--16日(予定)
■場所:京都精華大学kara-sギャラリー(cocon烏丸3F)

1月16日(土)18時(予定)からは、上記ギャラリー隣のスタジオで、
なんと島からわさわざ来て下さるコーディネータのひろぞうさんと冨
田酒造の冨田恭弘さん、それにシマウタのホープ里朋樹さんも加わり
、トークショーとシマウタの会を催す予定です。もし、お時間があれ
ば立ち寄ってやって下さい。
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