『奄美・沖縄エッセイ』026
■■■■■>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>◆ 2006.01.14 ■ ■■◇■ ◆■■ ---------- ■ 奄美・沖縄エッセイ ■◇■ ■■ ■>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>◆ No0026 ■ =========================================================== +++++ 等幅フォントによってレイアウトされています。++++++++ =========================================================== ■□■ 奄美・沖縄、なんでも話題、メールマガジンです。■□■ ■□■満月と新月の夜に配信します/本日旧暦12.15○満月■□■ -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- □◆□◆□▼ 詩人の魂のリレーと一冊の本 ▼□◆□◆□ ハイサイ、みなさん、明けましておめでとうございます。 昨年末は、大晦日が新月で、その日になんとかもう一号出そうと していたのですが、ここのところの寒さで、南方指向の私(^_^;)は 体調不良で、出すことができませんでした。ということで、今回は、 年も改まって、最初の満月です。冬の空は天気が良ければ凛と澄ん でいて、そこに満月が輝いています。寒い夜空ですが、今年初めて の満月を眺めてみませんか。 さてさて、ここのところ、一つの仕事に持続して関わっています。 それは、日本を代表する詩人の南島に関わる本の編集手伝いです。 詩人の名前は、藤井貞和氏、現在立正大学で教えいますが、東京大 学の名誉教授でもあります。また、藤井氏は、源氏物語を中心とす る、日本の物語研究の第一人者でもあります。そして、すでに『古 日本文学発生論』(思潮社、1978)という、奄美・沖縄の神歌を対 照に「文学の発生」を論じた名著を著しています。じつは、この仕 事、すでに4年以上前からの懸案なのです。 大阪に、「南島叢書」という、奄美・沖縄に関わるテーマの本を 出し続けている海風社という出版社があります。これは、100冊を目 的に刊行され、現在90冊近くまで刊行されています。ここを始めた のは、徳之島出身で、『島酔記 : 南島詩篇』(沖積社、1981)とい う詩集を持つ詩人でもあった、作井満氏でした。琉球大学時代の私 の学年担当であり、現在静岡大学で教えている、物語研究者の関根 賢司氏と、作井氏は奄美・沖縄というテーマを通した友人でした。 その関根氏は、1971年に「若き研究者の集団」として旗揚げされ、 日本の古典(物語)研究を牽引したといっても過言ではない物語研 究会で、藤井氏らとともに初期メンバーの一人でもありました。そ のような縁で、藤井氏の東京大学退官を機に、編集好きの関根氏が、 藤井氏についての何冊かの本を企画した中の一冊に、奄美・沖縄関 係の本書があり、これを、作井氏の海風社から出すことになったの です。そして、微力ながらも、私関わらせていただくことになりま した。 ところが、その作井氏が、2003年5月4日に、病に倒れ、54歳と いう若さで急逝し、この仕事はいったん棚上げになっていました。 これを、海風社から独立して、まろうど社という出版社を神戸で立 ち上げている大橋愛由等氏が引き受けて下さったのです。大橋氏自 身は、神戸の出身ですが、神戸奄美研究会という会を作り、関西在 住の奄美出身者の問題を取り上げたり、神戸の長田にあるインター ネットのラジオ放送局FMわぃわぃで「南の風」という奄美の島唄専 門の番組のDJをしたりして、南島、とくに奄美の問題に深く関わっ ていますし、また、自らも歌人でもあります。 なにか、人物の紹介ばかりになりましたが、いずれも奄美・沖縄 (の文学、とくにウタの問題)を考える上で、重要な方ばかりです。 なかでも、藤井氏は、物語研究、詩作の傍ら、一貫して奄美・沖縄 についての仕事を持続しており、これをできる限りまとめてみよう というのが、今回の企画なのです。書名がようやく確定したのです が、それは『甦る詩学 「古日本文学発生論」続・南島集成』とい う名称です。少し長めですが、その中には、前著に含まれた仕事を 除く本格的な論考はもちろんのこと、藤井氏の南島に関わる詩作品 や小説、そしてエッセイ、対談までを網羅しようというのです。 今、編集の作業を進めているところですが、研究、実作、評論と、 幅広く精力的に仕事を続ける現在の「学匠詩人」にとって、奄美・ 沖縄という地域がどのような意味を持っているのかを浮き上がらせ る、大きな一冊になる予定です。藤井氏と関根氏の意志が、冥界の 作井さんの導きで、大橋氏へとリレーされ、この世に出ようとして います。これを傍らでお手伝いさせていただきながら、その詩人た ちの魂のリレーともいうべき軌跡に関わることができることの大切 さをかみしめながら、仕事をしています。本書刊行の折には、この メールマガジンでも、ぜひ報告させていただきたいと思います。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- ■◇■ あとがき ■◇■ 今年の冬は、大寒波で、雪の話題が耐えることはありませんが、 奄美大島の友人で、このマガジンにも登場してもらったことのある、 安田ひろぞうさんが、奄美で降った雹の写真をコミュニテイサイト mixiに載せてくれました。(残念ながら、これは会員でないと見るこ とができません)最初は雪かと思ったとのことですが、手のひらに乗 った小さな氷の塊は、「南島」の風景には、新鮮に思われました。 =========================================================== ■<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<■ □------◆ 電子メールマガジン:「奄美・沖縄エッセイ」 □----◆ 発行人:末次 智 (すえつぐ さとし) □--◆ E-mail:suetsugu@kyoto-seika.ac.jp □◆ 配信の解除URL:http://www.kyoto.zaq.ne.jp/suetsugu/ ■<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<■




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