『奄美・沖縄エッセイ』022
■■■■■>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>◆ 2005.11.01 ■ ■■◇■ ◆■■ ---------- ■ 奄美・沖縄エッセイ ■◇■ ■■ ■>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>◆ No0022 ■ =========================================================== +++++ 等幅フォントによってレイアウトされています。++++++++ =========================================================== ■□■ 奄美・沖縄、なんでも話題、メールマガジンです。■□■ ■□■満月と新月の夜に配信します/本日旧暦09.30●新月■□■ -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- □◆□◆□▼ 琉球弧、聖地の不思議(余話) ▼□◆□◆□ ハイサイ、みなさん、お元気ですか。 今回も、沖縄の聖地の不思議についての、さらなる話です。前回、 前々回と、沖縄の聖地にまつわる不思議な話について書きました。 そのせいでしょうか。また、わたしの元に、同様の話が舞い込んで きました。少ししつこいようですが、今回もなかなか聞くことの出 来ない不思議な話なので、このようなかたちで書き留めておきたい と思います。お付き合い下さい。 先日、大学のオープンキャンパスの体験授業で、このマガジンで も触れたことのあるCoccoという歌手について少し話しました。これ を聞いてくれた参加者の一人の男の子(仮にA君とします)が、ぜひ 私に話したいことがあるというのです。彼は、東京で定時制高校に 通っているという高校生でした。あらかじめお断りしておきますが、 本人には、聞いた話をメールマガジンに記すことについて、いちお う承諾を得ています。 さて、このA君は沖縄が大好きで、何度か訪れているといいます。 そのなかで、友人数人と久高島に泊まったことがあるとのこと。と うぜん、お金が無いなかでの旅ですから、キャンプをしながらの移 動だったようです。そして、彼らがテントを張ったのが、伊敷浜で した。前にも記しましたように、五穀が初めて流れ着いたという伝 説を持つ浜で、海彼のニライカナイという他界を遙拝する聖地で、 その浜のモノは何一つ持ち帰ってはならないことになっています。 そのとき、一緒に泊まったのは5、6人とのことですが、全員上記 のような事情はほとんど知らないままの、テント泊でした。ところ が、その最中に、そこに泊まった者全員の体調が悪くなったという のです。症状としては腹痛を訴えたりしたとのこと。そのときは、 彼らはその理由についておそらく深く考えなかったのではないかと 思われます。ところが、その後A君を襲うことになる事態を経て、久 高島でのことを振り返ると、やはり、そこが聖地であることが関わ っていると考えるようになったようなのです。 A君は、沖縄本島の南西に浮かぶ久米島という島の日航ホテルで住 み込みのアルバイトをしていたそうです。そのうち、地元の人とも 知り合いになり、その一人から、一ヶ月間5千円で泊めてもらえる家 が、久米島にあることを聞かされます。とうぜんお金は無いわけで すから、そのような宿泊料ですと、好きな沖縄、久米島に長期滞在 できるわけですから、その料金についていぶかりながらも、宿泊す ることにしました。 その家は、島の高台にある空き家とのことでしたが、ただ、部屋 の中に女性(恐らくお年寄り)の大きな写真が飾っていました。こ の家を紹介してくれた人によると、その写真は久米島のノロを写し たものだといいます。ノロは、沖縄の村々で神々の儀礼を司る神女 のことです。とくに、久米島のノロは、「君南風(きみはえ)」と 呼ばれ、琉球王国の中でも特別の存在でした。写真の女性は、その ノロ役を継承された方だと思われ、そこはその方の住居だったと思 われます。 家を借りるさいに、その写真の女性に認められれば、長逗留は可能 だと、A君は聞かされたとのこと。半信半疑で、生活をはじめたA君 でしたが、そこに住み込んで6、7日目のこと、突然意識不明となり 昏倒したとのこと。地元の方に発見され、気付いたときは、病院の ベッドでビタミン剤を点滴されていたのでした。症状としては、心 拍数が異常に上がっていたとのこと。事情を推察した彼は、そのま ま東京に帰り、その後沖縄を訪れていないといいます。 おそらく、上記の経験について、A君も納得できていなかったんで しょう。あとから思い出すと、すこしずつ体調に変化があったよう な気がするとも言っていました。だからこそ、私に聞いて欲しかっ たんだと思います。これを聞いた私にしても、半信半疑です。でも、 琉球弧、奄美や沖縄には、そういったことがありそうな「場の雰囲 気」が、今でも残っているように思います。これについて、説明し がたいと言ったら、逃げかも知れませんが、久高島の独特の雰囲気 は、やはりそこに身をおかなければ、実感出来ないような気がしま す。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- ■◇■ あとがき ■◇■ 不思議な話が続きました。でも、そういう不思議さも、琉球弧、 奄美・沖縄の魅力だと私は思っています。 ここのところ、夜空を眺めることが多く、ある日きれいな月を眺 めていて、このメルマガを月の満ち欠けに合わせて出すことを思い つきました。太陽ではなく、月に合わせた生活をしたいと思ってい るからでもありますが、マガジン自体は「不定期」配信としていた のですから、いい加減なものです。どこまで続くのか不明ですが、 今後とも、お見捨てなきようお付き合い下されば幸いです。 =========================================================== ■<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<■ □------◆ 電子メールマガジン:「奄美・沖縄エッセイ」 □----◆ 発行人:末次 智 (すえつぐ さとし) □--◆ E-mail:suetsugu@kyoto-seika.ac.jp □◆ 配信の解除URL:http://www.kyoto.zaq.ne.jp/suetsugu/ ■<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<■




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