『奄美・沖縄エッセイ』020
■■■■■>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>◆ 2005.09.28 ■ ■■◇■ ◆■■ ---------- ■ 奄美・沖縄エッセイ ■◇■ ■■ ■>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>◆ No0020 ■ =========================================================== +++++ 等幅フォントによってレイアウトされています。++++++++ =========================================================== ■□■ 奄美・沖縄、なんでも話題、メールマガジンです。■□■ -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- □◆□◆□▼ 聖なる久高島の力 ▼□◆□◆□ ハイサイ。みなさん、お元気ですか。 前回は、沖縄諸島の久高島に、学生と合宿した体験を書きました が、今回もその続きです。 さて、神の島での合宿も無事に終え、それぞれの都合で島を離れ る学生たちを見送りながら、最後に残った学生たちと、高速船にの って、安座真港を目指しました。20分ほどの船旅でしたが、久高島 から帰るときはいつもそうするように、船上で遠ざかる島を、何人 かの学生と見送っていました。波は少し高かったので、少し酔った 学生も居たようでした。 港に着き、事前に頼んでおいたタクシーが来るまで、しばらく休 んでいました。中には、そこから斎場御嶽に向かう学生も居ました。 私は、男子学生二人とタクシーに同乗しました。一人は、沖縄出身 のY君で、父親が琉球古典音楽の師範をしており、持ち込んだ三線で、 島の夕暮れに集落の道端でおばーたちを巻き込んだミニ・コンサー トを開催して、喜ばれていました。 もう一人は、沖縄が大好きなヤマトゥ(本州)の学生N君です。バ スケット部に所属しており、3ポイントシュートの名手だそうです。 彼は、昨年の後期、沖縄に滞在しながら、久高島のアミドゥシとい う漁業祭祀をフィールドワークするため何度か島を訪れていました。 それだけに、島への愛着は強く、島から帰ることに不満げでした。 また、最後まで残った者のうち、その日のうちに飛行機で沖縄を離 れるのも彼だけでした。 タクシーが港を離れるときから、名残惜しげにしていたN君ですが、 後部座席で隣に座っていた私から見て、どうも少し気分が悪そうで した。聞くと、船に少し酔ったとのこと。タクシーの窓を開けても らい、走っていましたが、気分の悪さは変わらないようで、ついに 車を止めてもらい、道路の端で少し休みもしました。気分も少し良 くなったからと、走っていると、日に焼けて真っ赤なはずの顔色が だんだん白くなっていきます。 前の座席に座っていたY君の自宅が、空港までの途中にあることを 知っていた私は、そこで休ませてもらうことを提案すると、N君は一 時間後に控えた飛行機の出発もキャンセルしても、そうさせて欲し いと言います。よほどしんどかったでしょう。そこで、那覇市内与 儀公園の近くでタクシーを降り、近くにあるY君の自宅で休ませても らいました。結果的には、そこで少し眠らせてもらい、元気を取り 戻したのでした。夕方の飛行機便もあったのですが、N君はもう一泊 して、次の日に帰りました。 タクシーの中で、しんどさを「肩と頭がとても重い」とN君は表現 していました。「朝食で食べた魚のせいかな」などとも言っていま したが、どうもしんどさの質がいつもとは違うようなのです。そん なN君の様子を見ながら、Y君もそうですが、私も考えていたことが ありました。そうです、N君の変調は、久高島の聖性に触れたことに よるのではないのか、ということです。 乗り物に酔った経験はあるけれど、今回のしんどさはこれとは違 い、はじめてのものだったと、元気を取り戻したN君は言うのです。 自宅で迎えてくれ、お食事までごちそうしていただいたおばあさん に、「近くにユタがいないか」と地元のY君は、半分本気で尋ねてく れていました。もちろん、久高島に渡ったというだけで、彼だけが このような状態になったという私たちの理解を、みなさんは納得で きないと思われるでしょう。正直、私たちも半信半疑でした。それ で、元気を取り戻した彼に、何か心当たりがないかと尋ねたところ、 あると言うのです。 長くなりましたので、この続きはまた次号に。 -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- ■◇■ あとがき ■◇■ スミマセン。また、途中になってしまいました。学生を連れて、 沖縄で合宿するというのは、じつは初めての経験でしたので、今回 と次回に書かせていただく経験に、いちばん驚いたのは、何を隠そ う、この私でした。この日の夜、沖縄に残っていた学生たちと飲み ましたが、そこに、京都にいるはずのN君が現れたのに、他の学生が 驚いたのは言うまでもありません。 =========================================================== ■<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<■ □------◆ 電子メールマガジン:「奄美・沖縄エッセイ」 □----◆ 発行人:末次 智 (すえつぐ さとし) □--◆ E-mail:suetsugu@kyoto-seika.ac.jp □◆ 配信の解除URL:http://www.kyoto.zaq.ne.jp/suetsugu/ ■<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<■




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