2001年09月20日

 米国同時多発テロの報復について  

   イデオロギー VS 世界資本主義の闘い。イスラム原理主義というイデオロギーと、自由と民主主義を奉じるアメリカン・グローバリゼーションの「文明の衝突」と人は言う。つまり、「思想」 対 「モノ・カネ」の対決。
   しかし実は、その対立の内容は逆なのである。タリバンは、国内あるいはイスラム関連諸国の利権、お金が大切なのであって、自分の利権を守ために戦うのだ、あるいは戦いたくないのだ。
   一方、モノ・カネで動く資本主義の中核アメリカは、自由と民主主義というイデオロギーのために戦うのだ。つまり、イスラムの経済的権益 VS アメリカの自由主義イデオロギーの闘いなのである。

   見よ、タリバンのオマル師が身にまとっている豪奢なシルクのシャツを。オマル師にとって、あるいはイスラム諸国にとって、原理主義なんてどうでも良いのだ。おそらくオマル師のあの憂鬱な会見の顔は、もし戦争になれば女の子と遊べなくなる事を畏怖しての事なのだ。
   一方アメリカは、ともかくお金を子分にばらまき、世界の番長たる事を維持したいのだ。それは経済の番長というよりは、番長というアイデンティティ、架空のアイデンティティへのイデオロギーのための聖戦なのだ。

   もう一度言おう。この戦争は、アメリカン・イデオロギー VS イスラム経済関係なのである。故に、まだハンチントンのいう「文明の衝突」には達していないのだ。ついでに言っておくと、この戦争を一番欲っしているのは、悲劇を報じているメディアであり、両政府は、あるいは、日本を含め各国は、メディアのために、メディアの言う通り、戦わなければならないのだ。夕刊フジの見出しを見よ。戦争を終わらせるのは、あるいは止めるのは簡単だ。全てのメディアを黙らせれば良いのだ。念のために、オマル師にヤンキー・ガールを付けてあげれば、おつりさえ返ってくるかもしれない。




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