1999年07月31日

 1999年7月31日

  1999年、第七の月がとうとう過ぎ去ってしまう。
7月31日、私は難波から心斎橋へと夜の街を徘徊した。
土曜日という事もあり、また戎橋商店街の催しもあって、ミナミは(老)若男女でで溢れていた。
女体を露出した最近の古代的なファッションは、世紀末を勃起させている。
浅田彰がかつて語った事は、正しかった。
アルカイック・フューチャリストの時代。
Screaming!
Screaming!!

   通りは叫び声がとびかっている。それは、若者の叫び声ではない。単に商店街の売り子の叫び声だが、尋常ではない。 しかし、何もなくノストラダムスの第七の月は過ぎ去って行こうとしている。日本を襲うこの大不況のなか(特に大阪はひどい)、ミナミは歓楽の輝きを放ってやまず、女たち、男たちは、その輝きにたわむれる。いま、この瞬間、世界が崩壊しても、ここに繰り出している連中の多くは、恐らくその崩壊を受け入れるであろう。待ちに待った1999年7月。子供の頃から、自分の死ぬ年齢をはじき出してまで恐れた1999年。ノストラダムスに想いを寄せて、この世を去った故人たちには、この事実を報告しておかなければならない。まったく平穏無事に七月は終わったと。

   しかし世界に目を転ずれば、まんざら平穏無事とは言えない国際関係は、時差遅れの欧米世界に、期待と恐怖を譲る事にしよう。
そう20世紀後半、三大危険地帯と言われた、ドイツ、バルカン、朝鮮半島のうち、後者2地帯は危険である事は事実だ(ドイツは10年早かった)。その他、次レベルで危険とされる地帯、中国、インド、中近東、黒海、東南アジア、カリブ海、中南米・・・・少なからず、これらの地帯はいま現在、紛争なり問題を抱えている。まんざら、世界崩壊の危惧が皆無という訳ではなさそうだ。
   それに異説によると、第7の月はノストラダムスの時代の歴からすると、現在では8月−9月にあたるそうだ。ずれて当たるのは頂けないが、ともかく正規な1999年7月は終わり、私はミナミの街を徘徊し、何時にない憂鬱を街の影に落とした。


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