1992年6月14日

 孤 独 

いつのまにか孤独というもの恐ろしく思えるようになった。
この世から消え去る日まで孤独であり続ける事を。
しかし、僕はそれを覚悟しなければならないのであろう。
いつでも、どこでも、聞こえてくるのは
自分一人の足音だけ。
街のなか、行き交う恋人のただ中で
鏡に写るのは、自分一人の歩く姿。
店に入り、相席が空いたまま、足を組み、
無言のまま食する毎夜。
美術館、公園、百貨店、映画館・・・・・
僕はただ黙って、一人たたずむ。
一人だけの足音。
一人だけの会話。
一人だけの詩。
これから先、ずっと一人で生きてゆかなければならないかと思うとゾッとする。
いつの頃からか。
いた仕方ない。
 


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