1.天才とはたぐいまれな凡庸性の極みであり病みである。

2.時間とは基本的に死に対する尺度であり、物理的時間というも 
    のはその慰めである。

3.空間とは空気の存在する広がりであり、潜在的にそれは無に対 
    する死の観念を含んでいる。

4.科学はいかにも神への挑戦であり、限界あるいは有限に対する
    悪あがき、そしてもがきである。

5.人間が特異な存在である事への驚きよりも、他の存在が特異
    でないという事の方が驚きである。

6.人が「愛」とか「恋」とか称するものは、自分の弱さというよりは、
    存在の欠落に対する欲求である。およそ欠落のない人間にとっ
    ては愛はあり得ない。愛が生殖というのなら別の話であるが。

7.もはや置いてきた結論だが、コニミュケーションとは、コニミュ
    ケーションが断たれた時から生じた造語である(コニミュケーショ
    ンの推進・・・という様な事は、その不可能性を表わしている)。

8.虚無とはすべて無意味そして無価値である状態というより、むし
    ろ死への憧憬から派生した擬似経験である。

9.生命において、幾何的なハチの巣の形状と、プラットフォームの
    鉄柵あるいはビルディングの窓の並びとは同等である。

10.祈りとは、究極における有限から無限への願いではなく、何も為
    すことが無くなった想定で、唯一残される行為である(注:何も為
    す術がないという事ではない)。99/05/12



 REDEFINES(再定義)

  

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