12〜14レグ
11月10日、09:00与論島の茶花港を出て伊江島に向かう、いよいよ鹿児島県から沖縄県に入る、沖縄島の北端の山々が見えてくる、正午の気温が27℃、海水が25℃、気圧が1037HPa、快適な航海である。
伊江島は平らな島であるがその中にタッチューと呼ばれる高さ172mの独立の岩山がありその特異な姿は遠くから見ると際立っていて伊江島を見間違うことはない。
伊江島の伊江港も珊瑚礁の内側にあり、初めて入港するときは入港するフェリーの後に従うよう池田氏のアドバイスがあったので港外のブイの近くでフェリーが入港するのを待ちそれを追って入って行った。
伊江島では伊江中学校の校長先生である宮城氏、大阪から沖縄に移住した梶野、松野氏のお世話になった、宮城氏はトリマラン、梶野、松野さんはそれぞれTIKI 38というカタマランを所有しているヨット乗りである。TIKI 38はイギリス人James Wharram氏が自作者ように設計した全長38フィートの外洋カタマランで古代ポリネシアの外洋ダブルカヌーを発展させたものである。松野氏はこれを自作し梶野氏は半完成品を購入してそれぞれ当地で仕上げを行っているところであった。梶野氏は岸和田出身、松野氏は貝塚に船を置いていたという、私は阪南市に住んでいる、南泉州の人間3人がこの伊江島で一緒になったのである、世間は狭いというがなんという偶然であろうか。
松野氏の自作の経過は「カタマランヨットの自作と航海」http://www.geocities.jp/tikiroa_jp/に発表されているので参照されたい。
11月11日、08:00伊江港を出港し宜野湾港マリーナに向かう、出港時は凪状態、正午頃から南南西の風5〜6kt気温26℃晴れ、のんびりと機走、マリーナに電話を入れ停泊を依頼する、ポンツーンは空いていないので岸壁係留とのこと、今回の航海で初めて係留費を払って泊まることになるのに岸壁係留とは、いつもの通り潮の満ち干きに注意して係留しなければならない。港湾案内で宜野湾港を見るとマリーナへのブイの航路を外れると珊瑚の浅瀬がすぐ近くにあることが示されている、のんびり航海から一転しブイの番号の確認と測深計に現れる水深の数値に全神経を集中させゆっくりとマリーナに入って行った、初めての港へ入港するときはいつも神経を使うが珊瑚礁にある港の場合の緊張は最高に達する。
当地では私が勤めていた会社の那覇にある沖縄営業所に駐在している吉田氏のお世話になった、13日に首里城と海洋博公園にある美ら海水族館を車で案内してもらい途中に今帰仁城址、座喜味城址、残波岬に立ち寄り丸一日お付き合いいただいた、現役時代に仕事で幾度か沖縄を訪れているが観光する機会がなかったので今回が初めての沖縄観光となり大変楽しかった。
11月14日、09:30座間味島に向け宜野湾港マリーナを出港する、珍しく南の風である、風速は5ktと穏やか、座間味港へは慶良間海峡を通らずに座間味島の北側を通過し西端を回りこむルートでアプローチした、この方が潮流の影響を受けることが小さく、向かい風になる距離が短くなると判断したからである。
座間味港には定期船船着場の正面に他の島から来る小船を係留するための岸壁が空けられていて、「空海」はそこに横付け係留した。
座間味島のある慶良間列島は世界でも有数のダイビングスポットとして知られているのでこの機会に潜って見ることにした、今はシーズンオフなのでガイドしてくれるのかなと心配であったが、電話をしてみるとやりますということなので予約を入れた。依頼したダイブショップは「ザマミセーリング」というところで、又吉氏がオーナーで38フィートのカタマランを使ってダイビング、チャーターヨット、サンセットクルージングを営んでいる。
15日、スタッフが急病になりやり繰りが出来ないためダイビングが出来なくなった、申し訳ないということで又吉氏が最近設置した定置網の点検のために潜るのでよければ一緒に潜らないかと誘われ同行することにした。定置網は巨大なものでその全体を見渡すことが出来ずどのような構造になっているのか良く分からない、又吉氏の後を追って網の中に入り出てきたが一人で迷い込むと魚と同じで出てこられなくなるのだろう、得がたい体験をさせてもらった。
16日、私と体験ダイビングをする若い女性1名、スタッフ1名、又吉氏の4名が乗船しカタマランでダイビングポイントに向かう、北風は島で防がれているが海面が波立っている、外海は相当吹いているようであった、気温、水温とも24℃で風に当たると少し寒く感じる。海水の透明度は2〜30mとあまり良くなかたが、珊瑚や魚の種類は多く多彩であった、午後のダイビングで「いそばな」を初めて見た、フラッシュを発光させて写真に撮ると美しい赤色となるのだが、うかつにもフラッシュを強制発光させるカメラの操作方法を忘れてしまい撮り損なったのが残念であった。
11月17日、10:30座間味港を後にして最終目的地である久米島に向かう、島影を出ると北北東の風が15ktと白波が出ていたがブロードリーチなので楽に走れる。
久米島に近づくと飛原岩(とんばる)が見えてくる、それを過ぎて島に近づくと岸沿いにはリーフに砕ける白波が続いているのが見える、兼城港(かねぐすく)へ入る水路は珊瑚礁の切れ目にある、灯標が設置されており十分な広さがあるので灯標さえ確認すれば進入するのは易しい。港内を進んでいき、フェリー岸壁の奥に動いている形跡のない台船が係留されている岸壁に空き場所があったのでそこに係留した、北風で船が岸壁から離れるように押されるので好都合であった。
久米島には16年前の現役時代に担当して沖縄電力久米島発電所に納入した2000Kwのディーゼル発電装置が設置されている、発電所に見学をお願いすると快諾してくださり、再会することができた。現場の様子は当事と変わりなく懐かしさがこみ上げてきた、すでに相当の年月が経過しているので主力からは外れているがまだまだ働いてもらうとのことだったので「ご苦労さん私はリタイヤーしたけれど頑張って」と声をかけて帰ってきた。
