FIX INFOページ 


−『FIX』キーをプッシュする事により、FIX INFOページにアクセスする


FIX LINE (LSK1L&1C)

基点となるFIX(FMCのデータベースに登録されている空港、ナブエイド、wptのコード名)を入力すると、ND画面にそのFIXが表示され、1CにそのFIXから自機までの方角(BRG)及び距離(DIS)が表示される。

BRG/DIS LINE (LSK2〜4)

BRGかDISのいずれかを入力する事ができる。BRGを入力すると、1Lに入力したFIXからその方角に向けて緑色の点線が直線状に伸びる(ND画面)。FIXから伸びた点線とアクティブルートが交差した地点からFIXまでの距離がFMCにより自動的に計算され、DISラインに小文字で表示される(*上図の場合、2LのBRGに135を入力しており、FMCはPDZから伸びた点線とアクティブルートが交差した地点からPDZまでの距離は24マイルであると計算結果を小文字で表示している)。またDISを入力(/の後に距離を入力)すると、DISに入力した距離を半径としたサークル(円)がFIXを基点として緑色の点線で表示される(ND画面)。FIXから、サークルとアクティブルートとが交差した地点までの方角がFMCにより自動的に計算され、BRGラインに小文字で表示される(*上図の場合、3LのDISに90マイルを入力しており、FMCはPDZを基点とした半径90マイルの円上でアクティブルートと交差している地点までのFIXからの方角は145であると計算結果を小文字で表示している)。


ETA,DTG,ALT LINE (LSK2〜4)

BRGかDISを入力すると、アクティブルートと交差する地点の予想通過時刻、その地点までの現在地からの距離、予想通過高度が順に表示される(*上図のLSK 2ラインのポイントは、グリニッジ標準時で20:08に通過予定、現在地からそのポイントまでの距離は32マイル、予想通過高度は35000FTである事を示している)。その地点を通過すると、DTGは自機からその地点までの距離をマイナスで表示する。

ABEAM KEY (LSK5L)

最初は『<ABEAM』プロンプトが表示される。LSK5Lをプッシュしてセレクトすると、図のようにラインタイトルが『ABEAM』となり、FIXからアクティブルートに対して垂直に交差する地点のFIXからの方角及び距離がFMCにより計算され、5Lに表示される。またその地点の予想到達時刻、自機からの距離、予想通過高度が順にライン右側へ表示される。但しアビームポイントが計算できない時(例えばFIXがNDの表示範囲外にある時やルート中の旋回が極めて急な時)には『INVALID ENTRY』(無効な入力)というFMCメッセージがスクラッチパッドに表示される。

ERASE FIX KEY (LSK6L)

LSK6Lをプッシュしてセレクトすると、このページに関する全てのFIXデータが消去され、ND画面からもFIXデータが全て消去される。但しLSK6RのPRED ETA−ALTに入力されたデータは消去されない。

PREDICTED ETA/ALT LINE (LSK6R)

このラインへは、高度(フィート若しくはFL)又は時刻(標準時)の入力を行なう事が出来る。LSK1LのFIXデータの入力とは関係ないので、このラインのみの入力を行なう事が出来る。特定の高度若しくは時刻を入力すると、そこへ到達する地点までの自機からの距離がLSK6Cに表示され、ND画面にはアクティブルート上のその地点に丸い小さな円が表示され、その高度若しくは時刻が一緒に表示される。

このラインに入力したデータが必要なくなった時は、『DEL』キーにより削除する事が出来る。またこれらの地点を通過すると、ラインはブランクとなる。




さて、FIX INFOページの概略が掴めたでしょうか。それでは上の図を見てみましょう。おなじみPS1コクピットです。今、この飛行機は離陸ポジションで待機しています。CDUのFIX INFOページを見て下さい。LSK 1LにPVOと入力されていますね。このPVOはVORDME若しくはVORTACです。1Cには自機の位置がPVOから268度方向19マイルの所にある事を示しています。さて、LSK2Lを見てみましょう。BRGの311が大文字となっていますね。これがパイロットの入力した値です。PVOを基点として311度方向に直線が緑色の点線で表示されていますね。そしてアクティブルート(自機から伸びているマゼンタ色の飛行コースです)とこの点線の交差している所がありますが、これが2Lの位置です。2Lに/(スラッシュ)の後20と小文字で表示されていますが、これはFMCが計算したPVOとこの交点との距離です。そしてライン2右側には、この地点への到達予想時刻(07:14Z)、自機からの距離(15マイル)、予想通過高度(7380FT)が表示されています。次にLSK3Lを見てみましょう。ここは/の後に30と大 文字で表示されています。これがパイロットの入力した値です。PVOを基点として半径30マイルの位置に緑色の点線で円が描かれていますね。この円とアクティブルートとが交差している地点がLSK3Lの位置です。3Lに327と小文字で表示されていますが、これはFMCが計算したPVOからこの交点までの方角です。そして3L右側にはライン2と同様、その交点への到達予想時刻、自機からの距離、予想通過高度が表示されています。さて、次にLSK6Rを見てみましょう。PRED ETA−ALTラインに21NM 10000と表示されていますね。これはパイロットが高度10000を入力したものです。NDを見てください。アクティブルート上に緑色の小さな点が表示され、横に10000と書かれていますね。この地点が10000フィート到達予想地点なのです。6Cには、FMCが予測している10000フィート到達地点までの自機からの距離が表示されます。

このFIX INFOページは、特に離陸時に使用される事が多いです。例えば、空港によっては離陸後○マイル以内で左旋回せよ、というような制限を設けている所がありますよね。例えば伊丹空港のR/W32LorRからの離陸では、離陸して500FTに到達したらOWE VORDME(大阪VOR/DME)から5マイル以内で旋回せよ、という規程があります。この時は、FIX INFOページの1LにOWEと入力します。そして2Lには/5と入力します。するとNDにはOWEを基点として5マイルの円が描かれます。パイロットはこのNDに表示された5マイルの円からはみ出ないようシップを左旋回させるわけです。どうでしたか、FIX INFOページの使い方がわかりましたでしょうか。