WindowsXPにPS744をインストールする方法

200323日(初稿)

この解説文は、Aerowinx社のホームページにある”How to install PS1 under WindowsXP(著者Olsson氏のinstallation guideを日本語で再編集したものです。忠実な翻訳文ではありませんし、勝手に補足説明を加えております。正確な情報を知りたい方は原文をご参照下さい。

実際にこの解説に従って、以下のシステム条件で確認しましたところ、正常に動作しました。

OSWindowsXP Home Edition(日本語版)

PS744Version 1.3 Full Pack

サウンドボード:SoundBlaster Live!

コントローラ:CH Products社製Flight Sim Yoke(USB)  Pro Throttle(USB)  Pro Pedals(USB)Windows2000NT、あるいはPS1.3以外のバージョンであっても多分大丈夫であろうと思いますが、期待に反した結果になっても責任は負えませんので、ご了承の程よろしくお願いします。

作業のおおまかな流れは以下の通りです。

Step1 VDMSoundをインストールする

Step2 フリー・コンベンショナル・メモリーを増やす

Step3 PS744をインストールし、初期設定を行う

Step4 ショートカットアイコンを作成する

Step5 USB接続のジョイスティックを使用可能にする

Step1 VDMSoundをインストールする

VDMSoundは、WindowsXP2000NTの環境下でPS744のようなDOSアプリケーションソフトのサウンド機能、ジョイスティック機能をサポート・改善するソフトです。VDMSoundは無料ソフトウェアで、インターネット上からダウンロードできます。

Windows98MEユーザーの方は、絶対にVDMSoundをインストールしないようお願いします。

1Aerowinx社のサイト(http://www.aerowinx.com/html/winxp.html)に行き、下方へスクロールしながら、download the program “VDMSound”の文字を探して、これをクリックし、VDMSound-2.0.4-WinNT-i386.msiファイルをダウンロードします。

2.これをダブルクリックしてインストールします。

3.デフォルトの保存先フォルダは、C:\Program Files\VDMSoundです。

(参考)VDMSoundは、https://sourceforge.net/projects/vdmsound/からもダウンロードできます。

VDMSoundのホームページ:http://www.ece.mcgill.ca/~vromas/vdmsound/

Step2 フリー・コンベンショナル・メモリーを増やす

PS744を正常に動作させるためには、十分なフリー・コンベンショナル・メモリーを確保する必要があります。WindowsXPでは、MS-DOS初期化ファイルであるCONFIG.NTAUTOEXEC.NTの内容を書き換えることによって、当該メモリーを増やすことができます。

1.Cドライブ>Windowsフォルダ>System32フォルダの中にあるCONFIG.NTファイルとAUTOEXEC.NTファイルを探し、事前に別の場所へバックアップコピーを取っておきます。
2.Windowsスタートボタン→プログラム→アクセサリ へと進み、メモ帳を起動します。
3.まずCONFIG.NTを開いて、各行の先頭に“rem”を入力し、無効化します。
4
.以下の構文をコピーして、貼り付けます。

dos=high, umb
emm=RAM
device=%SystemRoot%\system32\himem.sys
files=40
buffers=40
fcbs=4,0
stacks=9,256

5.保存して閉じます。
6.同様にAUTOEXEC.NTを開いて、各行の先頭に“rem”を入力し、無効化します。
7.以下の構文をコピーして、貼り付けます。

set classpath=
set include=
set lib=
set msdevdir=
lh %SystemRoot%\system32\dosx.exe
dosdrv.exe /i:VDMS.INI
set BLASTER=A220 I7 D1 H5 P330 T6


8.保存して閉じます。

(注意)CONFIG.NTAUTOEXEC.NTを上記のように書き換えると、DOS上で日本語入力・表示ができなくなり、またDOS上で動作する他のアプリケーションソフトに影響を与える恐れがあります。その点をよくご承知いただいた上で、書き換えを行っていただきますようお願いします。


Step3 PS744をインストールし、初期設定を行

1Windowsスタートボタン→プログラム→アクセサリ→コマンドプロンプトを選択します。
2.“C:\Documents and Settings\×××>”と表示されるので、“US”と入力しEnterキーを押します。
3.“C:Documents and Settings\×××>”と表示されるので、“CD¥”と入力しEnterキーを押します。
4C:\>と表示されるので、CDROMドライブのアルファベットと“:”を入力しEnterキーを押します。

この後は、Windows98等のインストール手順と同じですので、以下省略します。製品に同梱のOPERATIONS MANUAL、当ホームページのHow to installINTERCRAFT社インストールの手引き等を参考にインストールして下さい。
サウンド設定、ジョイスティック設定を行い、PS744が正しく起動することをご確認下さい。

(注意)USB接続のジョイスティックをお使いになる方は、インストール時は接続せず、ジョイスティック接続の質問に対してNを選択することをお勧めします。後述のStep5で設定方法を説明します。
Sound Boad Configulation設定完了後に、いきなり“Throttle is hardware cotrolled?”と質問してくる場合がありますが、この場合もNを選択して下さい。(Yを選択すると起動時にハングアップします)
PS744起動時にハングアップする場合、あるいはインストール後にPS13フォルダを別の場所に移動したような場合は、PS13フォルダ内にある747PS13.CFGファイルを削除する必要があります。
747PS13.CFGファイルには、サウンドとジョイスティックの設定情報が含まれていますが、起動の際に何らかの情報不整合があると、ハングアップ等が起こるようです。
747PS13.CFGファイルを削除しても心配する必要はありません。もう一度、初回起動時の設定、すなわちサウンド、ジョイスティックの設定をやり直すと、新たな747PS13.CFGファイルがPS13フォルダ内に自動生成されます。


Step4 ショートカットアイコンを作成する

このStepでは、PCのデスクトップ画面上などに、PS.EXEのショートカットアイコンを作成する方法について説明します。なお、このショートカットアイコンは、2回目以降の起動に使うためのものです。初回起動は、正規の方法どおり、コマンドプロンプトからのキー入力で起動しなければなりません。

1.デスクトップ画面上で右クリックし、ショートカットの新規作成を選択します。

PS13フォルダ内のPS.EXEを指定します。






















2.現れたアイコンの上にマウスポインタを合わせ、右クリックし、プロパティを選択します。












3.プログラムのタブをクリックし、下図のとおり設定します。

























「詳細設定」をクリックして、以下のように入力されていることをご確認下さい。



4.他のタブについても以下のとおり設定します。



5.アイコンの絵柄は、Aerowinx社のホームページで、以下の5種類が提供されています。

Aerowinx社のサイト(http://www.aerowinx.com/html/winxp.html)に行き、下方へスクロールしながら、Click here to download a collection of iconsの文字を探して、Click hereをクリックし、ダウンロードします。

その後、ショートカットアイコンのプロパティを開き、プログラムタブをクリックし、「アイコンの変更」をクリックして、アイコンファイルのダウンロード保存先を指定し、好きな絵柄を選択します。




ショートカットアイコン完成の姿







(参考)

上記ショートカットアイコンを使わないでPS.EXEを起動する場合は、PS.EXEにマウスポインタを合わせ、右クリックして“Run with VDMS”を選択してください。

Step5 USB接続のジョイスティックを使用可能にする

PS744は、15ピンゲームポート接続のアナログジョイスティックの使用を想定して設計されています。本来ならば、MS-DOSゲームに対応していないUSB接続のジョイスティックは動作しないはずです。
しかし、VDMSoundがインストールされている環境ならば、それが可能となります。

1.ジョイスティック・モジュールファイルをインストールします。

Aerowinx社のサイト(http://www.aerowinx.com/html/winxp.html)に行き、下方へスクロールしながら、Download the joystick module filesの文字を探して、これをクリックし、ダウンロードします。
2.圧縮ファイルをVDMSoundフォルダ(C:\Program Files\VDMSound)内に解凍します。上書きするかどうか質問してくるので、「はい」を選択します。
3.メモ帳で、VDMSoundフォルダ内のVDMS.INIファイルを開きます。一番最後の行は、以下のように表示されているはずです。ここでは、PS744起動時にjoy1.mapが選択されることを示しています。

mapFile     = joy1.map  ; allows you to pick from various joystick configurations

4mapファイルは、VDMSoundフォルダ内に、joy1.mapjoy2.mapjoy3.map3種類が用意されています。自分のジョイスティックに一番適切なmapファイルを選択し、それに応じて、この行のmapファイル名を変更します。mapファイルは、メモ帳で開いて内容を確認したり変更することができます。下記のMicrosoft社製Sidewinder Force Feedbackを例に変更方法を説明します。

Microsoft社製Sidewinder Force Feedbackの事例

joy3.mapをメモ帳で開き、軸の割り当てを修正します。

オリジナルのままですと、ラダー軸がスロットル軸、スロットル軸がラダー軸に割り当てられるそうです。オリジナルは以下のようになっています。

analog.3=A.analog.Z
analog.4=A.analog.R

単純に、ZRに、RZに変更すれば、軸を変えることができます。

(注意)

mapファイルの設定が不適切ですと、PS744起動時、あるいはジョイスティックのキャリブレーション時にハングアップすることがあります。例えば、実際に接続されている軸数とmapファイルに記載された軸数が不一致のような場合を指します。mapファイルの設定は、機種によってある程度の試行錯誤が必要と思われます。

5.コントロールパネルから「ゲームコントローラ」を選択して、インストール済みゲームコントローラを確認します。さらに、「詳細設定」をクリックし、“古いプログラムに使う優先デバイス”に、希望するジョイスティック名が表示されていることを確認して下さい。(この図は、CHProducts社製USB接続コントローラの例です)























6.以上の設定が終わりましたら、すべて閉じてPS744を起動します。製品に同梱のOPERATIONS MANUAL19ページ記載に従って、ジョイスティックをキャリブレートします。

これで作業は終了です。

7PS744を起動し直すと、設定したはずのジョイスティックの軸を認識しない現象が起こり得ます。FMC画面の青色キャリブレーションページ上で、エレベータ軸等がOFFに変わっています。
この場合の解決方法としては、キャリブレーションページで、「RELOAD」ボタンを押せば、再認識してくれるはずです。PS744を起動するたびにRELOADするのはやや面倒ですが、ご了承願います。


    CH Products
社製USB接続コントローラをお使いの方へ

私は、CH Products社製Flight Sim Yoke(USB)  Pro Throttle(USB)  Pro Pedals(USB)3台を接続して、エルロン、エレベータ、ラダー、スロットルの各軸を割り当てて使用しています。この設定方法について簡単に説明します。

1.まず、Windows上で、同社のUSB機器が正常に動作することを確認して下さい。また同社のソフトである“CH Control Manager”もインストールされ、正しく機能することを確認して下さい。

2CH Control Managerを開き、各ジョイスティックの割り当てたい軸において、DX Deviceの欄には全て“Joystick1”と表示されるよう設定変更します。こうすることによって、PC側では見掛け上1台のジョイスティックが接続されているものと見なされ、PS744は設定された最大4個までの軸を認識してくれるはずです。その後“Activate Current Map”ボタンをクリック、必要に応じてMapファイルを保存して閉じます。

3.先程述べたとおり、“古いプログラムに使う優先デバイス”に、該当のジョイスティック名が表示されていることを確認して下さい。これで設定完了です。