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OVHDのEEC+IRSパネルに新設されたEECモードスイッチの扱い方を教えてほしい

 EECはELECTRONIC ENGINE CONTROLの略で、コンピュータによりエンジンの推力を制御する装置です。-400のエンジンにはFADEC(ファデック:FULL AUTHORITY DIGITAL ENGINE CONTROL)が採用されており大幅な自動化が図られていますが、その中枢がEECです。EECはスロットルレバーの位置に応じて燃料の噴射量を自動的に調整し、更に各々のスロットル・レバーがほぼ同じ位置にある時は各エンジンの推力が同じになるよう推力を微調整します。
 さて、OVHDのEEC+IRSパネルにあるEECモードスイッチですが、通常はPRESSされた状態でNORM(ノーマル)となっています。PS744 Ver1.3のオペレーション・マニュアルP276にも書いてありますように、FLIGHT AND COCKPIT PREPARATIONにおいて機体電源(APU若しくは外部電源)を確立したあと、EECモードスイッチが4つ共PRESSされNORMとなっている事を確認します。
 万一EECが故障すると、NORMモードからALTNモードへ自動的にモードが切り換わります。この際EECは、どのメーカーのエンジンであっても推力設定をNにより行なうようになります。又、オートスロットルはディスエンゲージされます。GE社製のCF6エンジンの場合、EECモードスイッチを全てPUSHして4つ共ALTNモードにする事により、オートスロットルを再度エンゲージする事が可能となります。

OVHDのEEC+IRSパネルに新設されたIRSモードセレクターの扱い方を教えてほしい

 IRSはINERTIAL REFERENCE SYSTEMの略で、慣性基準装置とも言います。IRSはDC-10や従来ジャンボ等で搭載されていたINS(INERTIAL NAVIGATION SYSTEM:慣性航法装置)を改良した装置で、航法精度がINSよりも飛躍的に高まっています。IRSはIRSモードセレクターとIRU(INERTIAL REFERENCE UNIT)とから構成されており、IRUはPFDの水平儀にピッチ角、ロール角、ヨー角、FPA(FLIGHT PATH ANGLE)の情報をアウトプットし、更に昇降計にも情報をアウトプットします。又、NDには飛行方位、機首方位、風向、風速の情報をアウトプットし、洋上飛行などレディオアップデート(VORDME等のナブレディオを用いて現在位置を算出する事)が行なえない地域を飛行する際には現在位置や飛行ルートなどの情報をもアウトプットします。又、FMCにも常に現在位置をIRS POS(POSITION)としてアウトプットします。
 このようにIRSは現在位置を絶えず算出するのみでなく、様々な計器類にデータをアウトプットするという大変重要な役割を担っていますが、それだけに出発前のIRSのセットアップは慎重にやらなければいけません。
 IRSのセットアップのタイミングはPS744 Ver1.3のオペレーション・マニュアルP276にも書いてありますように、EECモードスイッチがNORMになっている事を確認したあとです。OVHDのEEC+IRSパネルにあるIRSモードセレクターを3つ共OFF位置からNAV位置にセットします(マウスのポインターをセレクター上に持っていき、1回右クリック)。IRSが3基備わっているのは、1基が故障しても残りの2基で飛行が継続出来るようにしているものです。IRSモードセレクターをNAV位置にすると、各々のIRSのアラインメントが開始されます。フルアラインメントには約10分かかります。この間、IRSの作動部分を安定させ計測を正確に行なわせる為、機体を動かしたり大きな衝撃を与えてはいけません。

《ゲートに駐機している場合の初期位置入力の仕方》   《ゲートに駐機していない場合の初期位置入力の仕方》
   *PS744では、ゲートのデータは一部の空港のみしか入っていません。インターネットでGATEデータをダウンロードする事により上記のような実機同様の初期位置入力が可能になりますが、デフォルトのPS744で飛行する(インターネットでGATEデータをダウンロードせずそのままで飛行する)場合、以下の要領で初期位置入力を行なって下さい
@スクラッチパッドに空港名(4レターコード)を入力.
ALSK2LをプッシュしてREF AIRPORTラインに転送.
 LSK3Lのゲートラインに点線が表示される.
Bスクラッチパッドにゲートナンバーを入力.
CLSK3LをプッシュしてGATEラインに転送.
@LSK1RをプッシュしてスクラッチパッドにLAST POSの
 緯度/経度のデータを転送.
ALSK4Rをプッシュしてスクラッチパッド内のデータをLS
 K4Rに転送.これで現在位置の入力が完了.
DNAVデータベースにストアされている当該ゲートの
 緯度/経度が表示される.
ELSK3Rをプッシュしてスクラッチパッドに当該ゲー
 トの緯度/経度のデータを転送.
FLSK4Rをプッシュしてスクラッチパッド内のデータ
をLSK4Rへ転送.これで現在位置の入力が完了.

 アラインメントの最中にCDUのセットアップを行います(PS744 Ver1.3オペレーション・マニュアルP277)。POS INITページにアクセスすると、LSK4RのSET IRS POSラインにボックスプロンプトが表示されています。ここに現在位置を緯度/経度で入力します。現在ゲート上に駐機している場合、緯度/経度の入力は簡単です。LSK3LのGATEラインに現在駐機しているゲートのナンバーを入力します。例えば6番ゲートに駐機している場合、LSK3LのGATEラインに6と入力します。するとFMCのNAVデータベースにストアされている6番ゲートの緯度/経度が呼び出され、LSK3Rに表示されます。あとはこのLSK3RのデータをLSK4Rに転送すればいいのです。操作は『@ LSK3Rをクリックしてゲートの緯度/経度をスクラッチパッドに表示させる A LSK4Rをクリックしてスクラッチパッドに表示された緯度/経度をLSK4RのSET IRS POSラインへ転送する』だけです。デフォルトのPS1.3のように、ゲートデータが入っていない場合はLSK1RのLAST POSデータをLSK4Rに転送します。
 このLAST POSは、機体電源がOFFになってもその時点での緯度/経度を記憶しています。ですから、機体電源をOFFにしてから再度ONにする迄の間にトーイングにより機体を移動していない限り、前回のデータを使用することが出来る訳です。但しIRSは、その特性上IRSドリフトという誤差がわずかではありますが生じます。ですから、LAST POSのデータもわずかではありますが誤差を含んでいる可能性があります。長時間洋上飛行を行なう場合やナブレディオ(VOR等の航法援助装置)の信頼性が低い地域を飛行する場合、LAST POSによる初期位置入力はおすすめ出来ません。何故なら、IRSはSET IRS POSに入力した初期位置のデータを基に以後自機の位置を連続的に算出する為、初期位置の入力が正しくないと以後全ての位置データに狂いが生じてしまうからです。

OVHDのFIREパネルに新設されたFIRE/OVERHEAT TESTスイッチの扱い方を教えてほしい


FIRE/OVHT TESTスイッチをマウスで右クリック 段階的にFIREパネルのスイッチやフューエル・コントロール・スイッチが光る 全て光るとテストは完了

FIRE/OVERHEAT TESTスイッチは、エンジン火災/過熱検知装置、APU火災感知装置、貨物室火災検知装置(PS1.3には装備されておらず)のテストを行なうスイッチです。このスイッチをテストするのは、PS744 Ver1.3オペレーション・マニュアルP276にも書いてありますようにIRSモードセレクターをNAVモードにセットしたあとです。

テストするには約10秒間かかります。まずFIRE/OVHT TESTスイッチをプッシュします。この時、手はスイッチを押し続けたままです(*PS1操作:マウスのポインターをスイッチ上に持っていき、右クリックしたままにする)。するとエンジン・ファイヤ・スイッチのエンジン・ナンバー、APUファイヤ・スイッチフューエル・コントロール・スイッチが段階的に光ります。テストの最中は、『>TEST IN PROGRESS』(テストの最中)というEICASメッセージが表示されます。テストの最中にFIRE/OVHT TESTスイッチから手を離すとテストは失敗し、『>FIRE TEST FAIL』というEICASメッセージが表示されます。又、テストが完了すると『>FIRE TEST PASS』というメッセージが出ます。このメッセージを確認したらFIRE/OVHT TESTスイッチから手を離して(*PS1操作:マウスの右クリックを止める)頂いて結構です。

上昇から巡航へ移行する際、VNAV CLBページからVNAV CRZページに自動的に変わりVNAVがCRZモードに変化した事が確認出来るが、プライマリーEICASに表示されるスラスト・リファレンス・モードがCLBからCRZに変化しないのは何故?PS1.2ではCLBからCRZに変化したのに…

 実はエアラインによって巡航中のスラスト・リファレンス・モードがCLBであったりCRZであったりするのです。但しこれはあくまでもスラスト・リミットがCLBであるかCRZであるかの違いであって、実際の運航においては巡航中にスラスト・リミットまでパワーを使う事はまずないですから、スラスト・リファレンス・モードがCLBであれCRZであれフライトには全く差し支えないと言えます。ちなみに巡航中のスラスト・リファレンス・モードがどちらであるかは、地上でCDUのMAINT(メンテナンス)ページへアクセスする事で調べる事が出来ます。MAINTページへアクセスするには、ON GNDの状態でINIT/REFキーをプッシュして表示されたページのLSK6L(<INDEX>)をプッシュします。するとINIT/REF INDEXが表示されますのでLSK6RのMAINT>キーをプッシュします(@)。するとMAINTENANCE INDEXページが表示されるのでLSK2LのPERF FACTRキーをプッシュします(A)。するとPERF FACTORS(パフォーマンス・ファクターズ)ページが表示されます。LSK3RのTHRラインにCLB若しくはCRZと記載されています(B)が、これが巡航時のスラスト・リミットです。この設定を変えるにはPERF FACTORSページのLSK6Rにcoad wordを入力する必要があります。スクラッチパッドにARMというcoad wordを入れ、LSK6Rをプッシュします。これでPERF FACTORSページの設定を変える事が出来るようになります。但し実際はパイロットが会社の許可なくPERF FACTORSページの内容を変更させる事は認められていません。さて、例えばLSK3RのTHRラインにCLB/と入力されているとしましょう。CRZに変更したいのであればスクラッチパッドにCRZ/(スラッシュを忘れずに!)と入力し、LSK3Rをプッシュします。これで変更出来ます。

出発前、駐機中にオートブレーキをRTOにセットしようとしてもディスアームされてしまいます

*PS1.3aをインストールする事で解決します

 PS744 Ver1.3ではIRSをNAVモードにセットしてアラインメントが完了する迄は、RTOにセット出来ません。実はPS744 Ver1.3のベータ版においてエンジニアやメカニックであるテスター達から同様の指摘をハーディ氏(PS744製作者)が受けていたのですが、市販版でのプログラムの修正を忘れていたとの事です。ですからこれは『バグ』です。PS744 Ver1.3の修正版(PS1.3a)が出ていますのでこれをインストールすれば直ります。。

Preferences Menuページにおいてノースウェスト航空やユナイテッド航空を選択すると、着陸時に『ピン…パン』と警報音のようなものが聞こえるが?

 これはフレアートーンと呼ばれる電子音で、スマートコール(人工音声による対地高度読み上げ)の代わりとして使用されているものです。30FTと10FTで電子音が聞こえます。

ILS進入中、ローカライザーやグライドスロープのデビエーション・ポインターが黄色くフリッカーする事があるのだが…

 ILS進入中、低高度において機体がLLZ若しくはGSの電波からある程度外れると、デビエーションが黄色く点滅してパイロットに注意を促します。

FLCH(フライトレベル・チェンジ)モードが正常に動作しないが?

 現時点ではFLCHモードに関しては不完全です。実機ではFLCHモードを入れると、MCP SPDを維持しながらMCP ALTまで約2分間で到達するよう、スラスト及びピッチを調整して上昇/降下します。現在の高度とMCP ALTの差が大きくて約2分では上昇/降下出来ない時、上昇時はCLBスラストに、降下時はIDLEスラストにセットされます。

Preferences MenuページにおいてJALを選択すると、離陸時に「ワンハンドレット」というF/0のコールアウトが聞こえるが実際は80ノットでエイティとコールアウトするのでは?

 その通りです。現時点ではJAL仕様のスタンダード・コールアウトは正確に反映されていないみたいです。離陸時は100ノットではなく80ノットでコールアウトします。又、ローテーション時は「ローテート」ではなく「ローテーション」とコールします。実にアプローチ時、「キャビン・クルー、テイク・ユア・シート(着席せよ)」というコールアウトがありますが、このようなコールアウトはJALではしません。降下時、10000FTに到達した段階で「10000FT通過」の旨、キャビン・クルーに連絡はしますが…。又、着陸時「エイティ…セブンディ…シックスティ」とコールアウトしますが、これも実際には「エイティ…シックスティ」となります。80ノットでリバースレバーをゆっくりと戻していき、60ノットで完全にストウト・ポジションに戻します。