藍について】  藍は、還元性の染料なので、染色の際、,液を還元して染める。

          《還元》 酸化された物質を、元へ戻すこと。すなわち、 酸素を
                奪うこと。

          《還元性染料》 建染染料。還元して水溶性とし、繊維に付着さ
                    せてから酸化して発色させる染料。

【生葉染めについて】 生葉染めは、水溶性のインジガンを抽出して、繊維に 吸
              収させた上で、インジゴに変化させて、染着する。
               濃い色は望めないし、少しでもショックを与えると色相が
              濁るので、気をつける。

【藍の葉について】  開花直前に、最もインジゴの含有量が多くなるので、その
              頃に刈り取る。
              茎には色相が含まれていないので、葉のみを使う。
              葉が乾燥すると、葉の中で不溶性のインジゴが生成され、
              水に溶けなくなるので、刈り取った葉は速やかに使う。
@藍の葉から、インジガンを抽出する。
  3種類の抽出方法があるので、選んで抽出する。
  水と葉は基本分量なので、染める布の重量によって替える。抽出液は、布重
  量の30〜50倍必要。濃色染めをする場合は、染める回数分の量が必要と
  なる。

  A.葉100gを包丁で刻む。
    常温の水1Lに、きざんだ葉を入れ、抽出する。
    抽出時間・・・3時間→浅黄色
    抽出時間・・・2日間→濃色
    安定性大。

  B.常温の水1Lと、葉25gをミキサーにかける。
    抽出時間・・・1時間以内
    安定性中。

  C.常温の水1Lに氷酢酸(99%)20ccを入れ、酸性の液を作る。
    葉25gと液を、ミキサーにかける。
    抽出時間・・・30分以内
    極めて不安定な状態なので短時間で染めるようにする。

A抽出時間が過ぎたら、液を布で漉す。



     
―絹を染める―

@常温の抽出液に、そっと布を浸けて、60分間染める。

A布を充分に水洗いし、酸化を促進させる。

B過酸化水素水の0.2%溶液を作り、布を5分間浸けて、酸化処理をする。
  過酸化水素水(99%)は、毒劇物なので、市販のオキシドールを20倍に
  薄めて使ってもよい。

C脱水して、日陰干にする。

  濃色に染めるときは、@〜Cう繰り返す。



    
―木綿・麻を染める―

@木綿・麻は、生葉から抽出した液では染まりにくいので、抽出液を還元して染
  める(生葉還元)。
  常温で中性の抽出液に、ソーダ灰を徐々に入れていく。

A液色が暗褐色に変わったら、ハイドロ・サルファイト・コンクを、液1Lに対し2g
  の 割合で入れる。液が透明な黄緑になり、還元したことがわかる。

B染液に空気が入らないように、気をつけて布を浸け、10〜20分間染める。

C水洗いせずに、空気にさらして酸化させる。
  濃色にしたいときは、もう一度同じように染める。

D布を充分に水洗いして、過酸化水素水の0.2%溶液に5分間浸け、酸化を促
  進させる。

E脱水して、日陰干にする。