![]() 早春/1993 前回の個展(96年)の作品において最も初期に制作されたものです。青を基調とした暗い画面に、赤い自転車がアクセントとして効果的に使われており、重厚でありながらもどこかコミカルな作品となっています。 第11回上野の森美術館大賞展(一次賞候補) |
![]() 壁/1993 坂の途中の家のドアと窓。題材としては月並みなものですが、とても面白い色使いです。これも鏝を使用した重厚な画面ですが、暖かい色使いと細かい鏝さばきで切り絵のような楽しい雰囲気に仕上げてあります。 印象神戸絵画展 |
![]() 家/1995 塩山氏の描く風景は色使いこそ新しく新鮮ですが、そのデッサンは極めてオーソドックスなもので対象物に素直にトレースされています。しかし、ここで見る風景は非常に不安定で、まるで晩年のゴッホの風景画を見るようです。中心の犬のみがやっと具体的な存在として認められるほどです。 |
![]() 壁/1994 瓶と壁と窓、そして何故か花だけが抽象的に描かれています。余談ですが、塩山氏は特に花にはこだわりを持っているようで、花を描いた小品を多数描かれており、96年の7月にはそれらの小品で2回目の個展を開かれています。 第14回天理ビエンナーレ |
![]() 家/1996 これは塩山氏にしては珍しく写実的な作品です。といっても色使いは相変わらず独特で、光と陰を効果的に描いてあります。ここでも赤い自転車が登場していますが、「早春」(1993)の時と違ってこの作品では主役と言っていいほど重要な存在になっています。 |
![]() 川/1995 抽象的な作品に見えますが、題名から考えると意外と写実的なのかも知れません。草むらを流れている「川」でしょうか。一見シンプルに見えますが、よく見ると同系色を何重にも折り重ねて塗ってあり、奥行きのある作品となっています。 |
![]() 平原/1996 北海道の大平原を描いた本作は、「川」(1995)で見られたタッチの変化をより昇華させた形になっています。塩山氏の制作スタイルは、写生はあまりせずに写真と記憶をベースに描き上げるというものですが、ここへ来て、写真は構図をとるだけの役割で、あとは記憶の中から印象に残っている色を中心に描き込むといったスタイルが完成したように見受けられます。 |