建築士の会
これまでに行なった見学会や講習会の行事の報告をスナップ写真と共にお伝えいたします。
活動報告会と見学会、納涼会
2024/8/24

南海高野線「天見駅」集合
大阪にもこんな自然あふれる場所があるのかと思うほど、大阪府と和歌山県の県境に近い南海高野線・天見駅が今回の集合場所です。東大阪からは約1時間半とやや遠方ですが、それでも訪れる価値があり、また行きたくなる魅力的な場所でした。

外観
天見南天苑は、辰野金吾氏には珍しい豊かな緑に抱かれた落ち着いた和風建築で、静かな山あいにしっとりと溶け込んでいます。手入れの行き届いた庭園が迎えてくれ、季節の風景がそのまま絵になるような雰囲気。
外観からして上質な空気が漂い、心がゆるむような趣のある建物です。

女将さんから詳しい説明
女将さんから丁寧に説明をいただき、建物の歴史やこだわりが一気に身近に感じられました。
「そんな思いがあったんだ」と、参加者みんながうなずく場面も多く、聞けば聞くほど建物の魅力が深まります。
おかげで、ただ訪れただけでは気づけない価値まで味わえました。

内部見学
内部の各室は全て趣が異なり参加した建築士たちの視線が一斉に天井や柱、建具の収まりへと向かいました。
「この納まり、今ではなかなか見られない…」と小さく感嘆の声が漏れるほど、細部まで美しい手仕事が息づいています。職人技が光る襖や欄間、木材の使い方ひとつとっても、古き和風建築ならではの端正さと温かさが感じられ、新しい発見がある見学となりました。

離れの新館
離れの新館も見学させていただきました。新館は決して派手さを出さず、母屋で培われた意匠や技法を丁寧に受け継ぐ伝統工法で建てられており、その一貫性と調和の美しさに皆が納得。さらに、屋外の東屋の下には浴室スペースが設けられ、川のせせらぎを感じながら入浴できる造りになっていました。新しい建物でありながら、まるで昔からそこに佇んでいたかのような落ち着きがあり、建築士としても学びの多い空間でした。

詳細なレポートとスケッチ
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左の画像をクリックすると全ページがPDFで閲覧できます。又ダウンロードも可能です。/作成;塙平進氏
(左)南天宛レポートレポート
(右)各部屋のスケッチ

活動報告会
南天苑の静かな空気に包まれながら、東大阪建築士の会の一年間の活動報告を行いました。
参加者それぞれが取り組んできた案件や学びを共有し、振り返るほどに充実した一年だったことを再確認。
伝統建築に囲まれた空間のおかげで、普段の報告会よりも気持ちが引き締まり、次年度への意欲も自然と高まりました。

最後に豪華お料理の数々
見学と活動報告会を終えたあとは、皆が楽しみにしていた懇親会へ。
南天苑ならではの丁寧に仕上げられた料理が次々と並び、写真に収めずにはいられない美しさと味わいでした。
乾杯の瞬間には自然と笑顔が広がり、伝統建築に包まれた空間で語り合うひとときは、今年の活動を締めくくるにふさわしい温かい時間となりました。