日々折々日々折々に思うことを書き連ねます
第9回 違法コピーとソフトウェアの価格
前回、譜めくりソフトの提案をしましたが、ちゃんとありました。開発者の皆さんには非礼と私の無知をお詫びします。しかもなんと無料で配布されていましたね。後で楽曲を購入されることを前提としているので、商業活動としては常識的なセンスをお持ちの企業でした。
さて本題ですが、筆者はパソコンのソフトは本屋さんの書籍と同じだという考えを持っています。プロ用ソフトの話ではありません。あくまでも一般の方が使うことを前提としたものの話と思って下さい。開発コストが違うと反論される企業もありましたが、そんなことは断じてありません。本屋さんに並んでいる多種多様な本は、一人の作家が自分で書いて、自分で装丁デザインして、自宅のプリンタで印刷して、自分で製本して、自分のトラックで各書店へ配送して、自分でレジを打っているととでも思っている人はいないでしょう。PCのソフトだって同じことですよ。むしろ印刷や流通をインターネットを駆使しやすいという利点から、コストは少ないはずです。中身の価値が書籍とは比較にならないくらい高いと主張される人は、驕りが過ぎます。「バグ」などと他人事のようなことを言って平気で不良品を売りつけ、サービスパック等という横文字で瑕疵をこっそり修復するような体質を持っている業界はPCソフトだけですよ。書籍の場合、落丁や乱丁などはほとんどなく、誤字や脱字すらきわめて少ない。それであの価格なのです。書籍でも専門書は確かに高価です。しかしPCソフトのような法外な価格ではありません。一度皆さん高額ソフトと専門書の価格を比較してみて下さい。優秀なプログラマが開発したソフトウェアは、各分野の専門家が心血を注いで研究した結果を著した作物より何十倍も価値があると思っているのでしょうか。
本屋さんでは、立ち読みで中身をざっと確認してから買いますよね。PCソフトは開封した時点で返品不可です。事前に試すことのできるソフトはそれほどなく、発売者のうたい文句を信頼して買うほかないというのが現状です。買ってみたら、UIがしっくりこないとか、期待したような結果とは微妙に違うということはよくある話しです。これも価格設定の問題と原因は同根だと思います。
つまり、コピーされやすいということが根っこにあると推測しています。何百ページもある専門書はコピーが大変ですが、PCソフトはツールを使えばあっという間にコピーできてしまいます。そこで、プロテクト技術ばかりが進化していくと言うことになると考えます。かつて、ジャストシステムの一太郎が出来た頃、多数のワープロソフトが林立していました。機能的には一太郎を凌駕するものも多かったと記憶しています。しかし、国産のワープロソフトは一太郎だけが生き残ったという歴史があります。理由は実に単純なことでした。他のワープロソフトはすべてプロテクトがかかっていました。一太郎だけがコピーフリーでした。筆者はきちんと買っていましたが、違法コピーで大量のユーザを獲得したことは間違いないことでした。当時58000円という価格は納得できませんでしたが、現在は1万円を切っています。にもかかわらず、現行の一太郎には強力なプロテクトがかかっています。経営者が変わってしまったことも原因かも知れませんが、思想に貧困さを感じてしまいます。PCソフトも書籍と同じような価格設定原理を援用すれば、おそらくコピー品を使わずに誰もが購入すると思います。
macintoshのOSは1700円ですぞ。windows8が驚異的に安くなったとは言え、5000円以上です。windows7のころは2万円以上でしたよね。人気作家の村上春樹さんの作品でも、千円台で買えます。あれだけ売れれば価格も下げられると嘯くメーカーさんに問いたい。買いにくい価格設定にしていることへの反省はないのですか。秋葉原で海賊版が売られていると聞いたことがありますが、それくらいの価格であれば海賊版も出てこないという発想になって欲しいものです。
繰り返しますが、筆者はPCソフトを書籍と同じ捉え方と評価をしています。
(1)立ち読みできること=無制限の試用が可能なこと
(2)価格はどんな高くても2千円以内であること。専門的なものでも1万円は切ること。
上記の基準を最低限求めます。そして、使うと決めたものは必ず購入します。基準を満たしていないものは、コピーもするし、クラックもします。
ここでメーカーさんの節度と発想の転換を強く求めるものです。
Night Aug 19 , 2013 綴
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