私の書棚記憶に残る書籍について思うことを書き連ねます
第3回 銀河パトロール隊 レンズマン・シリーズ〈1〉
原題 Galactic Patrol
著者 E.E.スミス Edward Elmer Smith PhD
訳者 小隅 黎
出版 創元SF文庫
1937年に上梓されたこの作品は、私の座右の書のひとつである。SF小説を座右の書とすることは奇異だとおっしゃる方もあるでしょうが、事実だからしかたがない。
実は、小西宏氏が先に訳出されていて、私が親しんだのも小西氏の手になるものでした。何度も読んだのでぼろぼろになって買い換えもしていました。しかし小隅氏の訳が出るとこちらの方が格段に良い。また出版も東京創元社の文庫だけではなく、早川書房や角川でも出ているらしい。私は手にしたことがありません。小西訳のもので繰り返し読んでも飽きが来なかったからです。今ではAmazon Kindleでも購入できます。電子書籍ではSony Readerや楽天koboでも購入できるようです。今は、Kindleに大事にしまっておいて、折に触れて楽しんでいます。
ストーリーや登場人物の解説はググっていただければいくらでも出てくるので敢えて書きません。何しろ、アインシュタインの呪縛を解き放ち、この銀河だけでなく別の銀河にまで話を拡げてくれる痛快さは他にありません。
カーナビのGPSでも相対性理論に基づく時間の遅れを考慮しないと、約12kmも距離が狂ってくるという本を読んだことがあります。たかが人工衛星のスピードでそれほど誤差を生じるというのはショックなことではありました。これでは別の太陽系への旅行の夢は完全に絶たれてしまいます。しかし、それにもかかわらず、そんな些末なことはすっかり忘れて、外宇宙に連れて行ってくれるスミス氏には感謝です。
ただコンピュータのなかった時代のことですから、宇宙船の中でエンジニアが計算尺で複雑な軌道計算をする描写や、保存メディアがテープだったりするのは、心ならずも苦笑してしまいました。
Night Nov 18 , 2013 綴
私の書棚の目次に戻る
未踏の果てのTOPに戻る
雑学と教養のTOPに戻る