用語解説



B

Brazilian Rosewood

Brazilのハカランダ(Jacaranda)地方でのみ採れる。
Washington条約で輸出入が規制されているので驚くほど高価です。
綺麗な木目で黒い線が入っていることもあります。
Rosewoodというぐらいですからバラの香りがするかと思いきや
お香のような匂いがします。
あるところで調べると切った直後はバラの香りがするようです。
BODY材として使われることが多くMARTINでは1969年までに製作されたギターに使用されています。
現在では限定生産など少数のギターに使われているのみです。
立ち上がりの早いクリアーな音がするらしいですが私はまだ所有したことがないので
詳しいことは分かりません。



D

Dead Point:

響かないPointのこと。ある弦のあるFRETだけが響きません。
音を表現すると"ボン"としか鳴りません。
原因ははっきりわかりませんが弦とBODYの振動が
打ち消しあっていると思われます。
弾き込むと消えてくるとかReFretしないといけないとかPEGを変える
またはBracingを削るなどが対策ということです。
これとは逆に良く響くPointをWolf Pointと呼ばれています。
これがあるからはずれのギターというわけではなく、
そのギターの個性と考えるのがいいと思います。



Dreadnought型

名前の由来は、イギリスの戦艦でその当時世界最大であった。
品番のD-と言うのもこの頭文字からきている。
最もPopularなAcoustic Guitarの形でMARTINが1931年から製作してきた。
それ以前はOEMとして他社に委託製作していた。



E

Ebony

別名、黒壇ともいいFINGER BOARDやBRIDGEに使われます。
非常に重たく硬い木材です。
余談ですがFOLK系のギターではFINGER BOARDとBRIDGEは通常同じ材質の木材を使います。



F



Forward Shifted (Scalloped) X-Bracing:

1850年にNARTINが始めて採用したX-Bracingと呼ばれているTOPの補強材である
Bracing(力木)をX状に組み合わせる方法がある。
現在のアコースティックギターのほとんどはこれを採用していますが、
MARTINでは1939年よりそのBracing(力木)をTOPの振動を増加させるため
BRIDG裏からSOUND HOLEよりに前方に移動させた。
そのため弦の振動をTOPに伝えるBRIDGE周囲の剛性が下がり、
HEAVY GAUGEの流行も重なりTOPのふくらみが出てくるといった不具合が問題となり
Bracingの位置をBRIDGEよりに戻すようになった。
その後この方法の再評価が高まりVINTAGEシリーズで採用されるようになった。
またBracingを削りTOPの振動をさらに増やそうとした工夫がなされた。
その断面が帆立貝(Scallop)のように見えるためこう呼ばれている。
Heavy Gaugeのように弦張力が強いとTOPのふくらみが出てくる可能性があるため
これを採用しているギターにはLight Gaugeぐらいが最適です。
また、Forward Shiftedを採用しているBracingはすべてScalloped X-Bracingを採用している
D-28;non-Scalloped X-Bracing
HD-28;Scalloped X-Bracing
HD-28V;Forward Shifted (Scalloped) X-Bracing
D-35;non-Scalloped X-Bracing
D-45;Scalloped X-Bracing
OOO-28;non-Scalloped X-Bracing
OOO-28EC;Scalloped X-Bracing
が採用されています。



H

Herringbone Trim:

魚類のにしんの骨のことです。TOPの周囲に施されています。
私には芋蔓模様に見えます(笑)。1900年代初頭よりMARTIN社はこの寄木細工を
Style-28 ModelのBody BindingやStyle-21のSound Hole TrimのInlayなどに使用していた。
このような寄木細工は、ドイツの伝統工芸技術でドイツ移民だったMARTIN一世がギターに
採用した。しかし、戦後寄木職人の減少により1947年を最後に消滅していが、強い要望により
1976年にHD-28として復活した。しかし細部まで同仕様となったのは1981年の
HD-28Custom以降で1996年からはHD-28Vに受け継がれている。



I

INLAY:

象眼細工。BODY周囲やFINERBOARDのPOSITION MARKに埋め込まれている装飾。

D-40seriesにはAbalone(=あわび貝) Pearl Body Trimが採用されている。




M






木象嵌

象というい字は、象る(かたどる)と読み「物の形を写し取る。似せる。」という意味があります。
  木を象り嵌め合わせたものが『木象嵌』です。
   自然の木が作り出す色や木目で、絵を描くように嵌め合わせていきます。





Mahogany

BODY材としてよく使われる。
同様にBODY材としてよく使われるRosewoodと比較すると軽量で安価です。
中米Honduras産、南米Amazon産、アフリカ産Africa産があります。
黄色がかった茶色のことが多いですが着色されているものもあります。
柔らかいやさしい音がすると言われていますがそれはギターの製作方法によっても
変化しますし材質だけでは決められません。



R

Rosewood

最近の中・高級ギターのSIDE&BACKに使われていることが多いですが、
Brazillian Rosewoodは非常に高価で数も少ないためIndian Rosewoodが使われています。
また中米産Honduran RosewoodもNew Jacarandaの名前でYAMAHAギターによく使われています。
またYAMAHAではPalisander Rosewoodと呼ばれるAfrica Madagascarで採れるRosewoodと似た材を
FINGER BOARDやBRIDGEに使っています。別名、紫壇ともいい重く硬い部類の木材ですが、
磨耗の激しいFINGER BOARDには黒壇(=Ebony)の方が適していると思われます。







S

Spruce:

英和辞典では唐檜(トウヒ)、エゾ松と訳されている。
しかしギター材として考えるとエゾ松は単にエゾ松と書かれているので
唐檜と訳すのが良いと思われる。
Spruceは主に4つある。
Sitka Spruce:シトカスプルース。最も一般的なTOP材。Alaska産が一番多く使われている。
黄色が入った白色に見えます。
Engelmann Spruce:イングルマンスプルース。日本語で聞くとイギリス産かと思いますが、
生活出費の中の食費の割合を示すエンゲル係数のエンゲルと同じ綴りです。
ですからエンゲルマンスプルースでしょう。
上のSitka Spruceよりも白く見えます。
German Sprce:ジャーマンスプルース。別名Europian Spruce.
ドイツを中心としたヨーロッパ産でしょう。
唐檜は寒冷な気候の地方に生育する。ロシアにはないのでしょうか。
Adirondack Sprce:アディロンダックスプルース。ロッキー山脈付近産。
赤みがかった白色。
比較的珍しいと思います。



SUSTAIN

”サスティーン”と発音することが多いと思います。
英語としては”サステェィン”でしょうか。
持続する、維持する、支えるなどと訳されますが、音楽用語ではピアノでは
鍵盤を叩いて音が鳴ってから鍵盤を押さえている間鳴り続ける部分を指します。
鳴る音は、ATTACK,DECAY,SUSTAIN,RELEASEと4段階に分けられます。
ギターの場合は、右手で弦に振動を与えてから左手で弦を押さえ続けている間鳴っている音を指します。
この時余分な音が入らず澄んだ音がするギターが”いい音がする”と表現されると思います。



W

WEATHER CHECK:

BODY特にTOPによく見られるラッカーの亀裂のこと。音には直接影響がないと言われている。
新品でもFINGERBOARDとTOPの間に見られることがある。
これはFINGERBOARDに使われているEbonyとTOPに使われているSpruceの膨張率の違いにより
ひずみが生じ起こる。それによりSOUND HOLEとの間のラッカーに亀裂が生じる。
湿度が40%になると生じ始めると言われる。湿度を50%前後に保つことが重要。
また、弾き込むとTOPの振動によっても生じると言う人もいる。


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