原編成 第1・第2マンドリン、マンドラ、ギター、打楽器
スコア 原編成と同じ
パート譜 第1・第2マンドリン、マンドラ、ギター,マンドロンチェロ、マンドローネ、打楽器
解説 1906年の「イル・ブレットロ」誌主催の第一回作曲コンクーに入賞したもので、1908年4月同誌より出版された。「夕暮れ」「アヴェ・マリア」「打穀台上の踊り」の三つの楽章よりなる幻想曲である。以下、中野二郎氏が『イタリアマンドリン百曲選』第7集の解説『いるぷれっとろ-7』に掲載された解説をほぼそのまま引用する。
第一楽章黄昏とアヴェマリァは続けて演奏されるが冒頭と終りの第ニマンドリンとマンドラとは四分音符の単一な打法だけで夕暮に村に帰る(首に鈴をつけた)牧羊を表現させている。その上作者はこの通りカムパネラを加えることを望んでいる。それが果して一層の効果を挙げ得るかどうかは解らないが、この単一な手法が静寂な而も広漠たる田園情緒をかもし出すことは驚くべきものがある。ギターによる和音は特に楽譜通りに消音されない方がよい。Tuttiの部分は野良から帰る農夫の歌声。
アヴェ・マリアに入り教会堂の鐘が鳴る。続いてオルガンの響き、この部分のギターのトレモロは又特別の効果がある。やがてギターの伴奏によるユニゾンの祈りが続くが斉奏の効果を之ほどに挙げるものを知らない。静かに敬虔にオルガンの響きが残って終る。
第三楽章はタランテルラであるが、この部分にカスタネソト、タムボリン、トライアングルが入る。之は原スコアに示されていないが発表当時パート譜として特別に手書き譜(マヌスクリプト)で頒布されたもので他の人によってあとから書き加えられたものではない。
尚第三楽章は打穀台上の踊りとなっているが、特別の台があるわけでなく、石灰、赤土などににがりを混ぜ水を加えて練り上げて叩き固めた場所を指す。このタランテルラは技術的に見てへたな独奏曲よりずっと難しい。
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