2006年度 阪名戦観戦記 その1
2006年度 阪名戦in名古屋大学 (著:阪井)
6月10日午前5時56分
古賀「電車来るの何分やったっけ」
阪井「6時4分ですよ」
池田「いや、7分やって」
阪井「そうでしたね」
ということで4分に乗らなければならなかった電車をスルーする石橋組の3人。7分になっても電車は来ない。
池田「あれ」やばい。7時発の近鉄名古屋行きに乗らなければ遅刻だ。曽谷先輩に怒られる。やってしまった的なムードで6時24分の普通電車に乗る。
(蛍池〜蛍池〜、プシュウ)
庄野「おっす」
3人「んっ?」
ということで同じく6時4分をスルーした庄野さんと奇跡的に合流。
そして4人は電車を降りるやいなや地下鉄御堂筋線へ真面目ダッシュ!眠気まなこのサラリーマンは目が覚めたに違いない。努力が実って地下鉄に間に合い、遅刻することなく近鉄難波のみんなのもとへ。it’ ミラクル。ヒヤッとしましたが、そんな感じで無事全員揃って名古屋へ出発することが出来ました。
試合の様子を報告します。
この日、石井先輩、笹壁先輩ととね先輩(すみません、漢字がわかりませんでした)が応援にきてくださりました。そして、庄野先輩と古賀先輩が審判をしてくださりました。
お忙しい中足を運んでいただきありがとうございます。
●男子個人
男子個人には2回生の西村、中神と1回生の犬石、大塚、野村が出ました。
体操未経験者の犬石と中神は、吊り輪・平行棒・鉄棒でスイングを、あん馬は四つ足をしていました。試合の雰囲気がモチベーションを高めたのか、まだ練習していない転回をする気になった犬石は、転回とはいえませんが気迫で台上前転を跳んでいました。中神の床は、まずまず体操らしい動きができていました。
体操経験者の大塚は吊り輪・平行棒は高校規定をしていました。跳馬はツカハラを跳んでいました。着地で手をついてしまったのが惜しいところです。床では1本目ロンバク伸身二回ひねり(着ピタ)、2本目前宙転回屈身前宙(着ピタ)、3本目ロンバク猫宙、4本目ロンバク伸身二回ひねり(こける)といった、今試合では最も激しい通しでした。最後に着地を止めていれば優勝も狙えたのではないでしょうか。
同じく体操経験者の野村は、跳馬で転回跳びを、床では転回、ロンバク、Y字バランスをしていました。床で脚前挙をしていましたが足先が浮いていなかったのが残念です。転回跳びは、ツキができていてまずまずの出来でした。
西村は、跳馬では速い助走から割ときれいに転回を跳んでいました。鉄棒ではけ上がり、単振け上がり、宙返り下りをしていました。吊り輪は、逆上がり→脚前挙が安定して出来ていました。鞍馬は落下が多かったので点数は伸びなかったもののセア、バックセアをスムーズに通していました。床では、名大のスポンジの床に足をとられながらも1週間前に習得したロン宙に挑戦していました。
● 女子団体
女子団体は、御堂丸先輩と栗田と置田が出場しました。
・跳馬
全員転回を跳んでいました。御堂丸先輩は二本とも着地を1歩に抑え、美しく跳んでいました。栗田も同じく着地を1歩に抑え、ツキが出来ていて浮きがありました。置田もツキがありましたが、足が割れていて大嶽が言うところの「オキタ」になっていました。
・ 段違い平行棒
今回は三人とも通しの中にバックカットを入れていて、いつもより迫力がありました。
置田は、バックカットを足をバーに擦らず地面にもつかず決めていました。け上がり→前回り→グライダーひねり下りをスムーズに通していました。御堂丸先輩はバックカットで落ちそうになりましたが、持ち前の試合筋でその後のけ上がりを成功させました。栗田はミスもなく全体的に雄大で勢いのある演技をしていました。バックカットも大きく成功させ、宙返り下りもシュバっと決め、エースの名にふさわしい内容でした。
・ 床
栗田はロンバク、前宙(尻餅)、転回転回を行い、終始楽しそうに踊っていました。
置田は軽やかなロンバク宙で切り込み、転回転回、前宙をきめ、大きなミスなく演技していました。
御堂丸先輩の床は一言で表すと南国の澄み切ったオーシャンを泳ぐイルカのようでした。
ラストのロン宙は足もしまっていて着地も動きませんでした。ダンスも体線が美しく完成度がたかかったです。
・ 平均台
すみません、見ていませんでした。試合後女子がいうには9回も落ちておわっていたらしいです。得点表から想像してください。
●男子団体
男子団体には池田先輩、曽谷先輩、大嶽、阪井、米田、鈴木が出場しました。
・ 鞍馬
一番手池田先輩は旋回はないものの交差系の技をミスなしでこなしていました。
二番手鈴木は試合直前に大嶽から教わった鬼のような通しをしていました。やったことのないとびセア、バックとびセアをたんたんときめていて、正直驚きでした。
三番手曽谷先輩は交差系をスムーズにこなし、移行では落下しましたが転向下りをなんとか成功させました。
四番手阪井はダブルセアで落下してビビってしまい、小さな演技になってしまいました。トラムロー、どびセア、転向下りをしました。
五番手米田はダブルセアで二回とも微妙に尻がついたりぶっ飛び下りで落下したりしましたが、西日本インカレよりも格段にセメた内容になっていて、アツい。
六番手大嶽はスイスドゥーブル、ダブルセア、ぶっ飛び下りをきめて、これまたアツい。とびセアで馬端にうつってからのとびバックセアの切り返しが見事でした。
・ 吊り輪
一番手鈴木は倒立、背面水平、十字という力技をしっかり決めていました。振動技もきれいに出来ていました。確か吊り輪が得意種目だったのではないでしょうか。
二番手米田の吊り輪は一つ一つの技を丁寧にこなすのが特徴で、これといって難度はありませんが、審判の庄野先輩曰く「どうしても点が出る」演技でした。
三番手大嶽は後ろ振りあがり開脚前挙を2回ともきめれるかが不安そうでしたが、試合ではしっかりキレのある後ろ振りあがり開脚前挙ができ、ミスなく通していました。
四番手曽谷先輩の吊り輪といえば軽さで有名ですが、十字、後ろ振りあがり十字そのまま引き上げて脚前挙、開脚上水平という筋肉を想像させる構成でした。
五番手池田先輩は肩転位→後ろ振りあがり→脚前挙を雄大にきめ、ラストの下り技伸身宙返りを1回ひねり下りをかっこよくきめていました。アツい。
六番手阪井はけ上がり十字、ホンテン倒立、プレス倒立、後ろ振りあがり開脚前挙、十字を着実にきめ、ラストのハーフ下りも1歩に抑え、満足の行く演技が出来ました。
・ 跳馬
一番手鈴木は転回(尻餅)
二番手曽谷は転回(一歩)
三番手米田は転回ハーフ(一歩)
四番手阪井も転回ハーフ(一歩)
五番手池田も転回ハーフ(一歩)
六番手大嶽は転回1回ひねり(一歩)
せこいと言うかエロいと言うかなんと言うか。。。勝ちにいった結果こうなりました。
・ 平行棒
一番手鈴木の平行棒はけ上がり→脚前挙→閉脚シンピ倒立→バックロール→前振りあがり→カット脚前挙→カット脚前挙→振りあがり倒立→ひねり下り という構成でした。カット脚前挙で脚前挙を止めたあたりがアツかったです。
二番手米田は途中の無理のある前カット以外は、ピンコ→アームカットを足を擦らずに成功させ滑らかに通していました。
三番手曽谷先輩は伸身プレス倒立は成功させましたが、前カットとアームカットで平行棒にのってしまっていました。
四番手池田先輩は阪大での練習で前カットのコツを悟り、試合でもうまくきめていました。停止もなく流れのある演技でした。
五番手大嶽は出だしからけ上がり前カット倒立(C)をなんなくきめ、そのあとも前カット、け上がり前カット、アームカットを中先輩のように次々に高速でスムーズにこなしていました。
六番手阪井は、疲れていたのか倒立で前に倒れたり数歩歩いたり前カットを失敗したりと痛々しい内容でしたが、アームカット→伸身プレス倒立を2回きめて点数はわりと出ました。
・ 鉄棒
一番手曽谷先輩は三段ぶり→け上がり→逆車で無難な演技でした。
二番手鈴木は三段ぶり→ともえ→け上がり、逆車、正車をしました。まあまあの出来でした。
三番手米田は出だしのホンテンで落下しましたが、正車からのフットサークルを足をバーにつけずに回るという気合の姿勢を見せました。
四番手池田は三段ぶり→飛び越し→け上がり→正車、抱え込み宙返り降りをきれいに通していました。
五番手阪井は出だしのボローニン風跳び越しが普通の移行になってしまっていました。その後はツイスト、移行を実施し、最後にカット下りをしようと試みましたがハデに落下しました。
六番手大嶽は移行をきれいにきめ、ツイスト、移行、ラストに加速車輪からの抱え込みダブル下りをしました。抱え込みダブル下りは尻餅をついてしまいましたが高さと余裕がありました。
試合で使うのはこれが初めてでしたが、見事成功させているところはさすがです。
・ 床
一番手鈴木はバクバク宙、前宙、側中、閉脚シンピ、ロン宙などをタンタンとこなしていました。細かいところを見ると減点はありますが、短い練習期間でよくここまで出来たな〜と思いました。いきなり団体に入れといって申し訳ない、お疲れさん。
二番手は曽谷先輩は前宙、ロン宙、脚上挙、水平バランス、前宙ハーフをしました。最後の前宙ハーフはいつもはきまっているのですが、今回は手をついてしまいました。それ以外の演技はきっちりきめていました。
三番手阪井はロンバク宙、閉脚シンピ、開脚シンピ、前宙、1と1/2ひねり伏臥、脚上挙、猫宙、ロンバク宙を行いました。猫宙で奇怪な動きをして尻餅をついた以外はミスなく着ピタでまとめました。最後のロンバク宙は着ピタ。
四番手米田は転回屈身前宙、前宙、バクバク宙、ひねり伏臥、脚上挙、猫宙、ロンバク宙
を行いました。B難度をどのように稼ぐかに頭を抱え、時に池田先輩や大嶽からバッシングを浴びていた米田ですが、直前になって考えたハードな演技構成をきっちりきめるところはさすがエース。最後のロンバク宙は着ピタ。
五番手池田先輩は手首の故障で苦しめられていましたが、ロン宙、前宙ハーフ、脚上挙、猫宙などを行い、故障を感じさせない演技ができていました。最後のロン宙は着ピタ。
六番手大嶽はロンバク宙1回ひねり、転回伸身前宙、前宙、ロン側宙、ロンバク伸身宙などを行いました。ロンバク宙1回ひねりは高さがあり着地に余裕がありました。他のタンブリングも丁寧にしていました。ラストのロンバク伸身宙では大嶽らしからぬガンバフライハイの東先輩のような着地をきめ(着ピタ)、場内を沸かしていました。ちなみに、自分の演技中に飛び出していた床のネジを自分ではめ直していたことで、加点に値する行動もとっていました。
ラスト4人が全員着ピタで終ったところが非常にアツかったです。
●レセプション
(今回はデジカメを持っていってなかったので写真を撮れていない分、この場をかりて)一次会は名大内のレストランで行いました。阪大のひとも名大のひとも楽しそうに飲み食いしていました。料理は旨いし、名古屋ビールは美味しいし、文句なし。今年の司会進行は名大の宴会部長こと大島先輩。マイクパフォーマンスが素晴らしく、去年司会をしてくださった前田さんのようでした。表彰式では優勝のご褒美として、男子はプロテインのボトルに、女子は何かのたらいに波々と注がれたビールを頂戴いたしました。(*去年のようにプロテインやレタスは入っていません)阪大生の様子はどんなだったかというと、上機嫌な主将が得意の体育会のノリを開放していました。目がキラキラしていました。あんなにもテンションが高い主将を見たのは初めてだったのでびっくりしました。個人総合1位の大嶽は喜ばしいことにたくさん入賞したので、言わずもがな、死にそうになっていました。けど嬉しそうでした。同じく優勝した女子勢も、もちろん表彰式なので沢山飲んでいました。御堂丸先輩はどこからともなく聞こえてくるコールに快く応えていました。置田・栗田は次々に注がれるビールを処理するのに大変そうでした。ちなみに、1回生の鈴木はコップとビールを持ち歩いてはいろいろな人と乾杯をするという、初飲み会にしてはなかなかファンキーなことをしていました。非常にからみづらかったです。
レセプションはこの後2次会、3次会へと続き、名大の方々と交流を深めることが出来きました。
● 阪名戦の考察
今回の阪名戦でなぜ勝てたのか、3つのポイントがあったと思います。
1、部員にはそれぞれ得意種目と苦手種目がありますが、いい具合に補い合っていて上5人の合計点を見てみればどの種目も安定して点が取れたこと。
2、積極的にB難度を取りにいったこと。
どれだけせこく思われようがとれるBは貪欲に取りに行きました。各部員のレベルがアップしたからこそ出来たことです。
3、チームの雰囲気が試合を通して良くなっていったということ。
最初のあん馬ではどうなるかと思いましたが、笹壁先輩から「もっと声を出そう」「気持ちを切り替えよう」などの鶴の一声をいただき、沈んだムードを部員が気合の演技で払拭しチームが活気づきました。
反省点は、毎度のことですが、通し不足と体の絞めです。名古屋大学の演技を見て痛感しました。七大戦に向けて改善していきたいと思います。
長くなりましたが、来年も勝てるよう前カットとカトウと着地ピタを目標にがんばっていきたいと思います。
石井先輩、笹壁先輩、とね先輩、庄野先輩、古賀先輩、応援および審判をしてくださり、ありがとうございました。
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2006年度 阪名戦観戦記 その2
独断と偏見による観戦記。 (著:栗田)
阪名戦は名大の人からすると名阪戦らしいですね。
まあそんなことはさておき今回は女子の視点から阪名戦の観戦記を書きたいと思います。
名大の器具は正直に言うとやりにくいものがあり、床が跳ねないというかそんなことよりマットがひっかかって足の指をひねりそうだったり、跳馬の助走路が無くてなんとなく怖かったり、段ちと吊り輪と鉄棒が場所がかぶって2個も同時に出せなかったりと、名大の人たちはこのような器具で頑張って練習をしてちゃんと技をこなしたりしているところがとてもすごいなあと練習をしながら思いました。
試合は女子は跳馬・段ち・平均台・床の順でしたが、私達阪大女子の阪名戦での目的(?)はただ一つ、段ちのバックカットだったので他の種目よりとにかくそれを頑張ろうと意気込んでいました。(特に私は。)
そのせいか跳馬では3人ともあまり最高の演技というものはできなかったと思いますが女王御堂丸はさすが無難にまとめていました。
練習では怖い怖いといって怖気づいていた栗田はなぜか本番になると試合筋を発揮し「怖くないかも〜」などとほざきつつ同じく無難に跳びました。
逆に3番手置田は本番より練習の方がはるかにうまくいっていたようでした。しかしそれでもしっかり入賞するところがこれもサスガ。
2種目めの段ち。
1番手置田バックカット飛ぶ!
うまくいき過ぎてけ上がりを失敗してしまいましたが、その後懸垂して低バー逆上がりを足をつかずにやったのはさすがマッチョ置田としか言いようがありません。
2番手女王御堂丸はバックカットに行くためのそんきょで失敗し、グライダー移り(前カット)で高バーに移る羽目になってしまいましたが、その後高バーから振り出してバックカットに挑戦し、ガッツを見せてくれました。
3番手栗田はまたしても試合筋が発動し練習よりもうまく飛べていたと思います。阪大よりも低バーが高いため、足をぎりぎりですらずに済み、種目別1位をとることができました。
3種目め、魔の平均台。
3人しかいないのに計10回落下すると言う寂しい結果になりました。落下10回でマイナス5.0点・・・。
(内分け:女王2回、置田3回、栗田5回。)最悪です。
置田は最初の抱え込みジャンプでなぜか落下し、それでリズムが狂ったのか最近乗るようになっていたターンでも落下してしまい、(あとなんかでも落ちてたけど忘れた。)本人としては残念だった様です。しかし降りの後宙降りはきっちり決めていました。
女王はひさしぶりに構成に復活させたバックブリッジをきれいに決め、シメのある演技でみごと種目別1位を獲得しました。
平均台のお荷物栗田は、ちゃんと成功した技が無いんじゃないかと思うほどの(実際無かったのですが。)落ちっぷりで、みごとビリを獲得しました。
最終種目、問題の床ではターンが全く回れず、3人全員が場外でターンをするというちょっとズルをしちゃいましたが、3人とも(?)いい演技ができたと思います。
1番手栗田は初めのロンバクを久々にまともに回り、ずっと半笑いのまま演技をしていました。前宙でお尻をついてしまったのは残念でした。
2番手女王御堂丸はロンバク、ロン宙ともに無難に決め、ちょいズルのターンでは2回ターンを怪しいながらも回りきってC難度をゲットしていました。
実は女王はロンバク宙ができるので、次回はロンバク宙を構成に入れてほしいと思った2年2人でした。
3番手置田は慣れない床ながらも技をすべて決め、特にロンバク宙では着ぴたっぽい いい感じの着地を決めていました。
ただかなりの時間場外で踊っていたので、見ていた私はいつ帰って来るのかとはらはらしつつちょっとおもしろがりつつ心配していました。
そんなこんなで置田は種目別1位を獲得したのでした。
男子はひさしぶりにリードしながらの試合で、いつもより余裕を持って演技をしているように見えました。
しかし、坊主(阪井だけ)を賭けていた2回のオオダケ阪井コンビは別の意味で緊迫していました。
内容はよくわからないので書けないのですが、個人優勝した2回のオオダケが名大4回のリー先輩の3連覇を阻止してしまい、恨みをかっていました。
男子も女子も勝てて良かったです。
応援してくださった皆様、指導してくださった皆様、ありがとうございました。
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