愛せよ恩賜の国宝 護れ天下の名城

「愛せよ恩賜の国宝 護れ天下の名城」
  名古屋城です。昭和6年11月16日の拝観記念印が押してあります。

  名古屋城概要として以下のように書かれています。
  「此の城は昭和六年を距ること三百二十一年前、即ち慶長十六年の築城に係り明治、大正、今上御三代の行幸を仰いだ由緒を持って居りますが、昭和五年十二月、特別の思召を以て本市に御下賜に相成ったものであります。御殿、天守閣、櫓門等の建造物は悉く国宝に指定せられ、又御殿には国宝の絵画、彫刻が沢山あり、且玉座が保存せられてあります。天守閣の屋上には有名な金の鯱が燦然と輝いております」

  昭和5年に国宝に指定された名古屋城(正確には大小天守閣や櫓といったパーツごとに指定されました)ですが、昭和20年、戦災にて焼失してしまい、今日の天守閣は昭和34年に復元されたものだそうです。

  ところで「慶長16年(1611)の築城」とありますが、「慶長15年」が正しいはずです(いろいろ調べましたが)。それから約4年かかって完成しています。

  明治維新後、数多くの城が取り壊される中、名古屋城はそれを免れたわけですが、昭和5年までの管理はどこがおこなっていたのでしょうか? 宮内庁の管理下だったのでしょうか? いずれ調べてみたいと思います。

  それにしても、タイトルにもとらせていただきましたが、「愛せよ恩賜の国宝」「護れ天下の名城」というキャッチフレーズは昭和6年という時代を感じさせるもののように思えるのです。2ヶ月前(9月)には満州事変が起こっています。


戻る