My Favorite Records of
Count Basie

At the Royal Roost 1948
featuring : Harry "Sweets" Edison,
Clark Terry, Wardell Gray, Dickie Wells, Paul Gonsalves
rare appearances by :
Anita O'Day, Dinah Washington


1. Good Bait
2. Evil Gal Blues

vocal : Dinah Washington
3. Am I Asking Too Much
vocal : Dinah Washington
4. Robbins Nest
5. Blue Skies

vocal : Jimmy Rushing
6. Paradise Squat
7. The King
8. Malaguena

vocal : Anita O'Day
9. How High The Moon
vocal : Anita O'Day
10. X - I
11. Far Cry

trumpets :
Clark Terry, Harry "Sweets" Edison, Jimmy Nottingham, Emmett Berry
trombones :
Bill Johnson, George Matthews, Ted Donnelly, Dickie Wells
reeds :
Wardell Gray,Paul Gonsalves, Charles Q. Price, Earl Warren, Jack Washington
rhythm section :
Freddy Green(g). Eugene Wright(b). Shaddw Wilson(ds). Count Basie(p)
vocal :
Anita O'Day, Dinah Washington, Jimmy Rushing

Recorded at September 11, 14 & 25, 1948, at the ROYAL ROOST, New York


 このアルバムが録音された1948年9月のロイヤル・ルーストといえば、マイルス・デヴィスの歴史的名盤「クールの誕生」が生まれた時で、凡そ二週間の出演と云われる其の時の録音データは9月4日及び18日となっています。所で、このアルバムの録音データによれば、9月11、14日&25日となっていますから11日と14日についてはマイルス・グループとの2ステージがセットされた事になります(注)
 時あたかもバップ・イディオムは完成と成熟期を迎えていました。パーカー、ガレスピーの西海岸巡業(1945年)は、当地のワーデル・グレイなど黒人ジャズ・メンに多大な影響を及ぼしたと言われています。一方で、このビ・バップの喧騒感に反撥するように静的で知的なクール・ジャズが台頭。マイルス・デヴィスは、クロード・ソンヒル・オーケストラを範に、同オーケストラのギル・エヴァンスと構想を練り、九重奏団を編成してロイヤル・ルーストに出演しました。
 この様に新しいサウンドの中で、名門オーケストラであるベイシー・オーケストラといえども必然的に改革を迫られ、ワーデル・グレイをメンバーに雇い入れるなどバンドのモダン化を図りました。こうした歴史的な背景は、冒頭の「GOOD BAIT」に顕著に表れています。この曲は、ダッド・ダメロンがガレスピーのバップ・オーケストラに提供(RCA盤)したもので、ダメロン自身も「パリ・フェスティバル・インターナショナル」(1949年5月、CBS盤)で演奏しています。マイルス九重奏団との巡り合わせに歴史の皮肉を感じ面白いと思いませんか。エミット・ベリーのトランペット・ソロが、ハリー・ジェームスを想起させる所が、これまた面白い。
 尚、録音状態はエア・チェックですが、当時の水準より劣ります。

(注)資料でもまさにこの時期には、マイルスのバンドと同時に出演していて、ベイシー・バンドの前にマイルス・バンドが演奏したような記録がありました。
 ちなみにベイシー・バンドは9月11日から約1ヶ月間にわたってロイヤル・ルーストに出演していたそうです。
Big Band Paradise


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