My Favorite Records of
Count Basie
The Complete Roulette Live
Recordings
1959〜1962
![]() |
このアルバムは、ルーレット・レーベル時代のライヴを集大成したコンプリート盤、八枚組の骨太の超大作です。 所で、この時代は、ベイシー・バンド史の中でも充実度において一時代を築いた輝かしい期間でしたが、以外にもルーレットのオリジナル盤で、後世に名を残すアルバムとなると4〜5枚程度に絞られるのに驚きます。この辺りが、安定したアルバムを多数残したパブロ時代と異なります。そうした中で、バンドの真価を発揮したのがライヴ収録でした。 以下に、既存のアルバム・ジャケットを併用して紹介することにします。(* 印は、既存アルバム収録曲です。) |
The Americana Hotel,
Miami, Florida May 31, 1959 |
SET ONE SET TWO |
![]() Joe Williams and Eddie Jones, Newport, 1956. Photograph by Paul J. Hoeffler. |
SET THEREE saxophone : |
このステージは、3000人に及ぶディスク・ジョッキーとレコード関係者を集めて開催された全米ディスク・ジョッキー・コンヴェション会場でのライヴ収録です。セット・ワン、九曲目「Whirly‐Bird」で、フランク・フォスターと思われるテナー・サックス・ソロの真中から主題の終わりまでを録音機材の不調から録音に失敗するハプニングが起ります。聴いている途中で曲が途切れるのは何とも不自然な感じですが、良くも悪くもコンプリート盤でこそ知り得た出来事の一つです。 バンド・メンは、この時期不動の面々で「オン・ザ・コースト‘58」同様、ベイシー魅力満載です。セット・U、六曲目「In The Night」のジョー・ウイリアムスのしっとりしたヴォーカル、とってもイイです! セット、Uでは、ハリー・エディソンがゲスト参加をしています。 |
Live at Birdland,
New York City. |
SET ONE 1. A Little Tempo, Please 2. To You 3. Blues Backstage * 4. Segue in C 5. So Young, So Beautiful - 1 6. Gee, Baby, Ain't I Good to You - 1 7. Don't Push, Don't Pull - 1 8. Basie 9. One O'Clock Jump SET
TWO |
![]() Mitchell, Payne, Green, Jones, Wess, and Coker, Boston c. 1960. |
SET THREE 1. The Song is You 2. Easin' it 3. Moten Swing 4. Discommotion 5. Jumpin' at the Woodside 6. One O'Clock Jump SET
FOUR June
28,1961 |
![]() Sonny Payne with the Basie trumpet section, Boston, c. 1960. |
SET TWO 1. There Will Never Be Another You 2. Make Me a Present of You - 1 3. Allright, OK, You Win - 1 4. Basie * 5. Good Time Blues * 6. Segue in C * 7. Whirly-Bird - 3 * 8. One O'Clock Jump * SET
THREE saxophone
: |
このアルバムは、ニュー・ヨークのクラブ「バード・ランド」でのライヴを収録。既存アルバムの副タイトルは、「Basie
is Back Home」となっていますから、ベイシーの本拠地なのですネ!? 改めて、アナログ・アルバム(アメリカ盤)を聴いてみますと、上手く編集しているのに感心しました。感動という意味では、アナログ盤に軍配が上がります。それに再生音も低域が豊かでイイです。 一般に、アナログ盤の方がCDに比べ「緻密で膨らみのある豊かな再生音」と言われていますが、この差が顕著に表れています。 ここでのベイシーは、とに角ダイナミックにバンドをドライブしています。本CDアルバムでは、この「バード・ランド」の演奏が一頭優れています。 「Easin' it」は、イントロからベイシーの絶妙なピアノ・ソロに心が弾みます。それに続くブラス・セクションの際立った対比は、メリハリのあるダイナミックなサウンドを生み出し強弱陰影の、このバンドを象徴した演奏といえるでしょう。 |
Dans in, Grona
Lund, Stockholm, Sweden. August 9 ~ 12, 1962 |
SET ONE 1. Corner Pocket 2. Little Pony 3. The Elder 4. The Diplomat Speake SET
TWO same
location and personnel, except and Benny Bailey(tp) fo at
Least the third set August 10, 1962 SET
TWO |
![]() Newport Jazz Festival, 1961. Courtesy of the Frank Driggs Collection. |
SET THREE 1. For Lena And Lennie 2. Blues In Hoss'Flat 3. Bluish Grey 4. One O'Clock Jump same
location and personnel,except
add Benny Bailey(tp) and Ake Persson(tb) for the second
and third sets August 11, 1962 SET
TWO |
![]() Thad Janes, Rochester, New York, 1957. Photograph by Paul J. Hoeffler. |
SET THREE 1. Blues In Hoss' Flat 2. Moten Swing 3. Whirly-Bird 4. One O'Clock Jump same
location and personnel August 12, 1962 |
![]() Joe Newman and Eddie Jones, Newport, 1956. Photograph by Paul J. Hoeffler. |
SET TWO 1. Four, Five, Six 2. Royal Blue 3. Couter Block 4. Peppermint Pipes 5. One Note Samba 6. Slides 'N Hides 7. Bluish Grey saxophone : |
このコンサートは、9〜12日にかけて行なわれた4回のステージを収録し、当アルバムの半分、四枚を占める膨大なステージ模様です。したがって、「Little
Pony」等の代表曲は、2〜3曲収録しています。 さて、このステージでは、バンド・メンに大幅な異動があります。トランペット・セクションは、サッド・ジョーンズが残っているだけで、当然演奏にもその辺の違いが現れています。その最も大きな変化が、ドラムスのルイ・ベルソンでしょう。ソニー・ペインのアクの強い畳掛ける豪快なドラミングに比べ、R・ベルソンは、精錬されたテクニックが際立ち、その分迫力と凄みに欠けます。「Whirly-Bird」や「The Diplomat Speaks」の六分に及ぶドラム・ソロにテクニシャン、R・ベルソンが聴けます。 オーケストラのサウンドは、これらの事情と併せ、サックス・セクションの厚みのある豊かな美しいアンサンブルといい、此れまでのメリハリのある強烈なスイング感と異なり、バランスのとれた今日的なサウンドに変化してきたように感じます。 録音状態は、年代の格差でしょうか、このスウェーデン盤が優れています。安定した響きで、ビック・バンドの楽しさを充分に伝えてくれます。 勿論、ベイシーのピアノもたっぷりと聴くことができますから、ファンとしては是非持っていたいアルバムです。 尚、日本コロンビア盤解説書は「April In Paris」「Who Me」を、8月12日実況としていますが、「April In Paris」は10日、「Who Me」が11日の誤りです。 |