読者の声

1. Air Mail Special
2. Sweet Georgia Brown
3. Oh, Lady Be Good
4. Woodchopper's Ball
5. Sonny Boy
6. Rose Room
7. I Can't Get Started
8. Sakura '81
9. Dexter
10. Star Dust
11. Hamp's Boogie Woogie

12. In The Mood
13. When The Saints Go Marchin' In

vib, vcl, p, ds :
Lionel Hampton

trumpets :
Pete Condoli, Wallace Davenport, Bolly Brooks, Johnny Walker
trombones :
Buster Cooper, Garnett Brown, Ed Neumeister
saxes :
Ricky Ford, Tom Chapin, Yoshi Malta, Jack Kelso, Kenny Rogers.
rhythm sectlon :
Zeke Mullins(p). Chubby Jackson(b). Frankie Dunlop(d).

Special Guest (cl, vcl) :
Woody Herman

Recorded on 1981, September 2nd at BUDOHKAN

　「ジャズとは何ぞや？」ジャズの魅力、楽しさを教えてくれたビブラフォン奏者のライオネル・ハンプトンが、８月３１日(2002年)亡くなりました。享年９４歳。
　バイブラフォンの歴史は、１９３０年代に始まりましたが、その先駆的な役割を果したのが彼でした。１９３６年、ベニー・グッドマンに認められ、スイング時代最高の名コンボと言われたグッドマン・カルテットでパイオニア的存在となりました。当時ビクターに吹込まれたハンプトン・オール・スター・コンボは、ブラウンスウイックのテディ・ウイルソンと共に最も豪華で成功したレコーディング・セッションとして今日でもジャズ・コレクションに欠かせない名盤です。
　１９４０年、グッドマンを退団した彼は、ビッグ・バンドを結成、ヴァイブラフォンを始め、ビアノ、ドラムス、ヴォーカルと超マルチタレント振りのショウマンシップでジャズの楽しさを満喫させてくれました。その全貌を余す所無く捉えたビデオが本作です。
　１９８１年東京武道館におけるライブですが、凄まじいヴァイタリティで噴き出す汗は滝の如し、年齢を全く感じさせない熱演のワンマン・ショウです。当時７１歳と言いますから、全く凄いとしか言い様がありません。
　更にこのビデオの注目すべきは、１９８０年にバークリー音楽院を卒業したばかりの丸太良昭(MALTA)が、アルト奏者兼コンサート・マスターとして参加、「サクラ‘８１」の素晴らしいアレンジメントで豊かな才能を披露している所です(余談ですが、当時の彼はとてもスリムです)。実にモダンな「Dexter｣におけるリッキー・フォードの生新なテナーと共に、このアルバムのクライマックスを創ります。
　ライオネル・ハンプトンは、わが国にビック・バンドの実に楽しく素晴らしいビデオを残してくれました。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　合掌(September 7，2002)　