デイバッグパッカーのつくり方@ 航空券・宿・現地ツーリストの手配
二年前にマレーシアに行ったときくらいからやっと、パックツアーから少し抜け出した旅行をすることができるようになった。航空券と、行き先と時間によっては一泊目の宿を自分で手配して、現地に着くと、自分の目と足で宿を探し、現地ツーリストでツアーを組む。ツアーに頼らず自力で見所を巡るには日程に余裕が必要で、デイバッグパッカーには厳しい。
デイバッグパッカーのつくり方A 航空券の購入
以前はJTBのオンラインを持っている田舎の旅行代理店でツアーや航空券を手配していた。出発日、時間の条件についてもいちいち店員とやりとりして、しかも時間がかかる割に料金の高い航空券しか手に入らないような状態だった。それが、インターネット上で簡単に、格安ツアーや航空券の検索ができるようになった。僕は「イーツアー」「トラベルコちゃん」をよく使う。旅行に行けなくても、もうこれだけで少し遊べてしまう。いつ、どのあたりに旅行に行くか、決めないうちからあれこれとネット検索してみる。このころから、旅行の楽しみが始まる。
今回のインド旅行も、許される条件の中では最安の航空券をとれたつもりだった。でも、デリーから空港へいっしょだった学生は、それよりもずっと安いのを手に入れていた。学生料金設定でもなかったとのこと。いったいどこで見つけたのか、ちょいと悔しい。またいろいろ別のサイトも探してみたい。安けりゃいいってもんじゃないが、デイバッグパッカーには正規航空券にメリットがなさそうなので、値段をまず優先に探している。
デイバッグパッカーのつくり方B ゲストハウスの魅力
観光客の多く宿泊する地域には、ゲストハウスがたくさんある。実際に部屋を見せてもらって、値段交渉をする。もう、見るからにどうしようもないほどオンボロで、シャワーやトイレがろくに掃除されていないゾッとするようなところもあるが、フレンズゲストハウスのようなところもある。ドミトリー(共同部屋)もあれば、ちょっとリッチな個室を選ぶこともできる。高いところでも二〇〇〇円程度だから、リッチなホテルライフを旅行の大きな楽しみにしている人は別にして、無駄な出費を抑えることができる。
大きなゲストハウスだと、たくさんの外国人客を観察できておもしろい。アジャイゲストハウスのレストランにいたとき、ヨーロッパ系バックパッカーに一人インド人の少年がくっついて、自分の体重ほどもありそうなでかいバッグを担いで、目をキラキラ輝かせて、入って来た。きっと少年はいくらかの小遣いをせしめたのだろう。私には、子どもに小銭をやってポーターをさせるという発想はなかった。ああ、こんなのもありなんだ、と思った。
隣の会話からちょっとした旅の参考になる情報を耳にはさむこともある。ホテルだとお互いの距離が遠すぎて、あまりこういうことにはならない。また、レストランやツーリストが併設されていることも多い。旅行の最初は、こういう所に泊まると便利だ。食事する場所を探す必要もないし、うまくすれば到着当日でも、午後か夜のツアーになら参加できる。
小さなところだと、要するに民宿なので、地元の人々の生活ぶりをいくぶん身近に感じながら滞在できる。そもそも、宿の主人そのものが地元の人間の生活をしているのだから。
よほど特別な催しがその地域にあるのでもない限り、どこも満室ということもなさそう。深夜到着というのでなければ、一泊目から、ゲストハウスの多い地域に行き、あれこれ比べてみることができる。ただ、インドに深夜便で到着するなら、一泊目の宿とそこまでの足は確保しておかないと、まず怖い目に遭うと思った方がよさそうだ。
デイバッグパッカーのつくり方C 現地ツーリスト
アジャイゲストハウスには、シゲタトラベルが入っていて、そこのロニさんは、日本語の達者な、よく仕事のできる人だった。彼も日本語はカノジョに教えてもらったと言っていた。日本から、メールで、日本語(ローマ字)でのやりとりもできるので、いろいろ無理も聞いてもらえるかもしれない。
フレンズゲストハウスのラジャも、宿の経営のサイドビジネスとしてツーリスト業務をしているらしい。まったくストレスを感じることなく日本語で話せる。ただ彼は日本に出稼ぎに出ていて不在のときも多いみたいなのでご注意を。オーナーのお父さんの英語は分かりやすいが、日本語は話せない。日本語の通じないツーリストでも、相手は観光客慣れしているから、たどたどしい英語力でも上手にあしらってくれる。
日本の大手旅行社が組んでいるオプショナルツアーも結局は現地ツーリストが下請けしているわけだから、なにも最初から高いお金を出して日本で組む必要はない。予約しておかないと急には入れてくれないこともあるが、着いた当日は、半日だけとか、二、三時間程度のツアーに参加して、大きなツアーは翌日か翌々日で考える、ということもあり得る。最少催行人員四名のツアーに一人で申し込むと、四人分の料金を払うしかないようになっているツアーでも、なんとかなることもある。現地ツーリストの窓口に行って頼んでみて、また明日来てみてくれと言うので、翌日行ってみると、イギリスのバックパッカー三人といっしょにセットしてくれていた、というようなこともあった(これはマレーシアでのこと)。インドの場合は、とんでもないニセツーリストがたくさんあるらしいので、あらかじめ調べておかないと、とんでもないことになる可能性大。
ともかく、短期に旅行するとなると、自力で移動する方法をいろいろ探しながら、というようなぜいたくな時間の使い方ができないので、まめにツアーを探して遊ぶことになる。ただ、出発から帰国までの全旅程が四日間とかだと、やっぱり最初からオプションのツアーは予約する必要があるでしょうねえ。半日とか一日とか、やはり多少の余裕をつくっておかないと、現地でツアーを手配するのは難しい。
デイバッグパッカーのつくり方D 公共の交通機関での移動
地下鉄など、近代化された交通機関を利用するのは簡単だ。リクシャーとかタクシーの類は、やはり強い味方。何しろ、行き先を伝えさえすれば、そこまでちゃんと連れて行ってくれるのだから。インドの場合は時間や場所によっては、少々のことでは思い通りの所には行ってくれない、ということもあるが。
一般の路線バスにはまだ乗ったことがない。これはまだ僕のあこがれの域に止まっている。いずれチャレンジしたいとは思うが、とにかく土地勘もないところで、何を見て、どうやって乗っていいのかさえ分からない。とりあえずこれは、長期の旅行者にまかせておくとしよう。
デイバッグパッカーのつくり方E 旅の情報
できるだけたくさんの予備知識を持っておくに越したことはない。ふと思い立って、何も持たずにふらりと旅に出ることができるのは、何十日、何カ月も時間のある人か、よほど旅慣れた人だけ。ちゃんと、自分なりの旅行の方針を綿密に立てて、その上でぶらりと旅に出よう。でないと、僕の学生時代の島根旅行と同じになってしまうことうけあい。
デイバッグパッカーのつくり方F ガイドブック
できるだけ自力で旅の手配をしていくには、これを早期に手に入れておく必要がある。『地球の歩き方』がやはり、頭抜けている。この本はデイバッグパッカーの必需品かも。空港で軽装の日本人を見るとかなりの確率で持っている。普及しすぎていて『地球の歩き方』に歩かされているニッポンジン、と言われそうなくらい。