黒江のお宮 中言(なかごと)神社近く
銘酒 「黒牛」で有名な 名手源酒造の駐車場にあります.

巻9 1672 「黒牛方 塩干乃浦乎 紅 玉ネ君須蘇延 往者誰妻」
「黒牛潟 潮干の浦を くれないの 玉裳すそ引き 行くは 誰が妻」

黒牛潟で潮が引いた浜辺を、紅の裳の裾を引きながら優雅に歩いている女官は
いったい誰の妻だろう。

 入り江に 黒い牛の形をした岩が磯にあったので黒牛の江から黒江の地名となりました。
昔から この黒江湾は遠浅で潮干刈りが盛んに行われた
万葉人も 海のない大和の国から 初めて目の前に広がる遠浅の海に出会い感動して
若い女官が紅(くれない)の 衣のすそを捲り上げ、貝掘りや、優雅に戯れている姿を見て
此の歌を 謡ったものでしょう。
 
 黒江や日方の沖は昔から貝堀りで賑わった。 
 「はまぐりの 出るまでまくる 汐干狩り」
「本物の貝と水にうつっている貝を間違えた」と言って笑う声も聞こえ大変である。
 若い娘は宴会の場で、はまぐりの吸い物が出ても汁だけ吸って、
貝は食べなかった由。