どうか此の美しい玉津島の景色を しっかりと目に焼き付けてお帰り下さい、
奈良の都で あなたの帰りを待っている方に尋ねられたらどうお答えなさいますか。

 [あおによし]は奈良の都にかかる枕詞。
この歌は行幸に従駕した人の歌というより、
接待に当った土地の人の歌と考えるのが妥当でしょう。しかも
このような宴席で詠まれた歌とするならば、多少飛躍するかも知れませんが、
作者は色っぽい目で「都の奥さんてどんな人?  
きつと綺麗な方でしょうね」などと言いながら、艶っぽくお酒の酌をしてくれる 
土地の豪族の娘とした方が なまめかしくて いいではありませんか。