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<ミュージック DVD ご紹介>
<ドキュメンタリー映画 ヴィオラ・ソナタ>
〜ドミートリ・ショスタコーヴィチ〜「孤独な声」
アレクサンドル・ソクーロフ&セミョーン・アラーノビッチ共同監督作品
見た後に「う〜ん」と何ともいえない人生の重みと
生き方に、唸る。
ソヴィエト連邦を代表する芸術家の一人 〜ドミートリ・ショスタコーヴィチ〜(1920年代後半から世界に名を知られ、1975年8月9日に世を去る)のドキュメンタリー。
「事実は小説よりも奇なり」のとおり、映像でみる生まれ故郷サンクトペテルブルグ・(レニングラード)幼少期よりロシア革命の中での活動や、晩年の音楽家との会話に至るまで、新鮮な切り口で紹介されている。
生涯の最後に書かれた<ヴィオラ・ソナタ>が
寡黙で瞑想的に一貫して流れる。
ヴィオラというはオーケストラにおいてヴァイオリンとチェロの中間音域を埋めるために発達した楽器に
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ショスタコーヴィチは、人生最後の大作に主役として登場させる。
ヴィオラの背負った歴史と作曲家としての境地が
「中間的」「間を漂う曖昧さ」「居心地の悪さに耐える」というところで「孤独な声」として見出される。
<リヒテル・謎(エニグマ)
〜甦るロシアの巨人>
〜生前のリヒテル自身の語りによる回想と
数々の演奏フィルムによって、その謎に包まれた生涯に迫る貴重な記録映像〜
こちらも「凄い!」に尽きる。
晩年の演奏は暗譜ではなく譜面を見ての演奏であったこと等、大きな誤解?を受けていた彼の真実が明らかになる。とにかく今世紀最高のピアニストの一人、スヴャトスラフ・リヒテル(1915〜1997)はソヴィエト時代を生きたにも関わらず、精神的には自由のままで、まさに<音楽だけ>に突き動かされ、最後まで満足することなく探求し続けた姿勢は、偉大な演奏家との共演フィルムとともに、貴重で豊富な資料として深く感銘を受けました。 |
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