メッセージ   2013年 5月12日

「教会を建て上げること」
     (Tコリント 14章1〜9節) 

 愛の賛歌と呼ばれる13章に続く14章でも、パウロは愛を追い求めることと同時に預言することを求めなさいと語る。

 信仰のより所となる聖書が誕生する以前の初代教会においては、今日の私たちが置かれている時代とは違い、聖霊の働きが具体的でより強かった。奇蹟が行なわれたり異言が語られたりしたのもその現われだと言える。しかし、パウロは異言をあまり奨励していない。異言は語る人の徳を高めるが、他の人たちには意味がわからず、教会の徳を高めることにはならないからである。また異言を語る人は、そうではない人を見下すような傾向にあったことも理由の一つだと考えられる。 

 一方でパウロは預言を語ることを奨励する。神様の御心をわかりやすく語ることは、お互いの徳を高めることになるからである。言い換えるならそれは教会の徳を高めることでもある。

 教会はキリストのからだとも表現される。そして私たちキリスト者はそのキリストの働きを担う各器官にたとえられる。それぞれに与えられた賜物を生かして歩むことは、すなわちキリストを建て上げることであり、教会を建てあげることでもある。

 教会の働きに直接つながらないように見えたとしても、日々の歩みの中で神様の御心を求め、愛を求めて生きていくことは、結果としてキリストのからだなる教会を建て上げる尊い働きに携わっていることになる。それはすなわち教会の徳を高めることでもある。「愛をもって真理を語り、あらゆる点において成長し、かしらなるキリストに達することができるためなのです。キリストによって、からだ全体は、一つひとつの部分がその力量にふさわしく働く力により、また備えられたあらゆる結び目によって、しっかり組み合わされ、成長して、愛のうちに建て上げられるのです。」   (エペソ書4:15〜16)