メッセージ   2012年 4月 8日
 「挫折から希望へ」 (マタイの福音書28章1〜10節)

近所にある桜づつみを歩いた。川沿い4kmにわたり、650本の桜が植わっている。その多くにオーナーとして出資した人々の思いが込められたプレートがつけられている。「いつまでも」とか「永遠に」といった言葉と共に、家族の幸せや子どもの成長を願う、また何かを記念したり感謝したりする言葉が記されている。人の自然な思いである。しかし、残念ながらそこに人生を根本から支える力はない。

イエス様の復活に最初に出会ったのは女たちであった。埋葬の用意が不十分だったことに心痛めていた彼女たちは自分たちが出来ることを勇気を持ってやろうとした結果、女性という弱い立場にありながら、復活の証人の先がけとして用いられた。

その時、イエス様は彼女たちに弟子たちのことを「兄弟」と呼ばれた。イエスなんて知らないと宣言し、十字架を見届けることも出来ず、隠れるようにして家にこもっていたにもかかわらず…である。

槇原敬之さんの名曲「世界でひとつだけの花」は多くの人々に勇気や希望を与えたが、この歌は彼が麻薬に手を染めるという挫折があったからこそ生まれた。人生は壊れてからが始まりだと言う人がいるが、まさにその通りの話しである。

イエスの様の十字架、そして最も近くにいた弟子たちの姿は敗北や挫折そのものであった。しかし復活の力強さはそれらを打ち破った。人生を根本から支え、永遠への希望と喜びを与えるキリスト信仰はそこから始まったのである。