メッセージ  2011年12月18日
 「かけがえのない出会い」  (ルカの福音書2章8〜20節)

羊飼いは当時の社会においては貧しく低い存在だった。そんな彼らにイエス・キリストの誕生が最初に告げられた。このことは、家畜小屋や飼い葉おけと同様に、イエス・キリストが誰のために、また何のためにこの世に生まれてくださったかを示すものである。羊飼いは喜びに満ちて帰って行った。

8歳のシュバイツァーは、誕生日にもらった聖書を読んでクリスマスの物語に感動を覚えると同時に疑問を持ったという。東の国の博士からの高価な贈り物をマリヤたちは何に使ったのだろう。またイエスと出会った博士や羊飼いたちはその後どうなったのだろう…。

答えは誰にもわからない。ただ、二千年経ってもなお彼らはこの季節になると異教の国の日本にさえ登場する。羊飼いのおかげでマリヤはイエス誕生にまつわる出来事を心に留めることができたし、ルカの福音書の美しい物語は綴られた。

 このかけがえのない出会いの翌朝、彼らは再び厳しい仕事と向き合う現実の生活に戻った。しかし、少なくとも天の軍勢の讃美は彼らの記憶に深く刻まれたに違いない。聖書としての表舞台に登場することは一度きりであったが、その後も神様は彼らのそばにいてくださったはずである。大切なのはスポットライトを浴びるかどうかではない。たとえ稀ではあってもかけがえのない出会いに支えられ、小さな日々の生活の中で神様が共にいてくださる幸いを感じることである。