メッセージ  2011年11月27日
「クリスマスは不安から」 ルカの福音書 1章12〜13節

クリスマスの聖書物語には「恐れ」が伴っている。バプテスマのヨハネ誕生の際のザカリヤに始まり、羊飼い、ヘロデ、そしてエルサレム中の人々…それぞれの「恐れ」に違いはあるが、みな不安を抱えている。これまでに自分がやってきたこと=過去への不安、解決の見通しが立たないことや変わり行くこと=現在への不安、そして究極的には死ぬこと=将来への不安…そう言えば主イエスの誕生を預言したイザヤの言葉も暗闇から始まっている。

 クリスマス、そして信仰の始まりは、恐れ、不安、暗闇なのである。先週のパウロの回心もまた目が見えなくなるところから始まった。


さてそのようなクリスマスは福音を伝える良い機会である。しかし…教会に人を誘う、集会に来る、福音を語る、その人が主イエスを信じてバプテスマを受ける…誘うだけでも大変なのに、その先を考えるとずいぶん道は遠くて険しいように思われる。

新聞に掲載された日野原重明氏のコラムに「今回のような未曾有の災害のサバイバーに対しては、何か宗教的な救いの手が差し伸べられるのを待つしかないのではないかと思うのです。心が救済されるためには、霊的に、スピリチュアルに、自らの許しを祈ることが残された道なのではないでしょうか。」不安や悲しみに寄り添うところから、クリスマスの福音宣教を始めたい。