よくある故障と修理方法

ここに書かれている修理方法は、今までにおもちゃ病院のスタッフがやってきた修理の内容です。このようにすれば一応修理ができたという結果から記載しております。
なお、修理方法のすべてが正しいとはいえません。修理をされる場合は各自の責任において修理されることをお願いします。
症状 原因及び修理方法
動かない ラジコンが動かない原因は
○ モーター、電池などの動力系統の不良
○ 操縦器(プロポ)や受信機の不良
等が多い。
今回の故障は、操縦器(プロポ)の電池フタが無くなっており、ビニールテープで固定してあった。自作の電波発信確認器で発信状態を確認したが電波は発信されていない。
電池部分を指で押さえて見ると電波は発信される。
電池のフタを廃材のプラスチック板で作成し元の状態に戻し修理完了。
(参考)
おもちゃのラジコンカーの場合、プロポから発信される周波数は主に40MHz又は27MHzです。これらの発信を確認する方法は、プロポを送信状態(どちらかのスティックを押しながら)FMラジオのダイヤルを回していきます。どこかの位置で「ブブブブ」といった音が確認できると思います。前後又は左右のスティックを動かすと音も変化すると思います。このような状態は正常と判断されます。
また、ラジコンカー本体の点検ですが電池を正しく入れてアンテナ部分(金属部分)を何かの金属でこすります。正常に動作していれば、ハンドルや前後の回転が一瞬変化が起こります。これは、アンテナを金属でこすることによってノイズを発生させ受信部分を誤動作させ状態を確認できます。
ハンドルコントロール正常、タイヤが回転しない。 操縦器(プロポ)の点検をまず行う。電波とコントロール用の信号も正常、異常なし
早速、本体(ラジコンカー)を分解する。注意深くコントロール基板を観察するとパワートランジスタ2個が放熱板と一緒に脱落したらしく、トランジスターの足だけが基板に残っている。回路の分析からコンプリメンタリ接続のパワートランジスターと判明、ジャンク箱から30Wクラスのトランジスターを探し出し、取り付けテストを行う。快調にタイヤが回転し修理完了。
(原因)
ラジコンカーの使用条件を考えたとき、悪路走行や屋外の走行により相当な振動がコントロール基板や配線にかかっていることが考えられます。今回の故障の原因も悪条件での走行でトランジスターが脱落するといった故障が起こってしまったと推測されます。ラジコンカーの修理をするとき走行状態を頭に入れた対応を必要とします。電解コンデンサーやパワートランジスターなど振動で揺れやすい部品の基板への取り付け状況や半田割れ、スイッチ類など、配線の点検も重要です。
充電してもすぐに動かなくなる しばらく使っていなかったラジコンを使用しようと充電したが、以前のように長い時間使えない。すぐに動かなくなる。
(原因)
 これらラジコンに使用されるニッカド電池は、直列に4本とか8本接続されています。長期間使用していないニッカド電池は充電容量にバラツキがあり、そのうちの何本かは、充電出来なくなっている可能性があります。すなわち、出力電圧や電力も下がっていることが予想されます。充電直後には規定の電圧となっていても少し走らすことで弱い方の電池は0電圧になっていることがあります。電池を使い切らない状態で追加充電すると、次の放電がそこでストップしてしまうことがあります。これをメモリ効果といいます。これが起こると、そのポイントから下の電力は取り出すことができず、電池の容量が小さくなったと同様の結果になってしまいます。従って、ニッカド電池は途中で再充電せず、電力を使い切ってから再充電するようにしたほうがいいのです。
 これで通常は個々の電池に平均して充電できることとなります。しかし、充電後に使用して同様の症状が出るならば、電池の一部に充電できていない電池が存在する可能性があります。このような場合、電池の交換が手っ取り早い修理方法かと思います。

 
注:ニッカド電池を1本ずつ放電させた後、1本ずつ充電する方法で充電容量のバラツキを解消することが出来ます。
  一般的には、充電は直列状態で行われているためこのような現象が多く発生します。
ラジコンカーの修理