上記以外の広域爆破処理方法

 さらに広範囲処理方法として、地雷埋設地が平坦な土地で無差別に爆破処理可能地域の場合、下記図に示すように、小型ショベルローダに地雷処理装置を連結し、その地雷処理装置連結車両を所定間隔で二台並列に並べ、例えば10メートル程度の間隔で、その地雷処理装置前方に爆破装置を掛け渡し、漁法の地引き網のごとく、二台で並列して引きずりながら一気に地雷を爆破処理する方法。

この方法で処理できる地雷埋設地域であれば、非常に処理が速く、従来の処理法と比べて比べ物にならないくらいの処理スピードが速く、埋設地雷の廃絶が一気に進めることを目的とした処理法。

  《地雷処理の実施状況》

 地雷処理地が、凹凸の激しい荒れ地の場合、右図のようにショベルローダのアームで地雷処理装置を上下させ、その時、爆破ドーム内で宙づり状の爆破装置である袋の石の錘も上下し、地面に打ち付けられ、その時の衝撃で地雷を感応させ、爆破ドーム内で爆破させる。

 また、地雷処理装置を上下させながら小型ショベルローダを前進させる事で、くさび状の掘削装置で土地を掘削し、上記連結された耕うん機のロータリ作業爪での耕作を容易にすると共に地雷爆破処理の再確認をしている。


 次に地雷処理地が平坦な土地の場合は、爆破ドーム内の宙づり状の爆破装置である袋の石の錘を引きずりながら小型のショベルローダーを前進させることで、左図のように地雷の上を通過する時、その重量で地雷を感応させて爆発させる。

 また、同時に掘削装置で土を掻き分けるように掘起こしながら掘削すると共に爆破処理の再確認をし、不発地雷も掘り起こす。

  《耕作装置の概略》

 ショベルローダーの後部に、土地を耕す時に連結使用される耕うん機を脱着可能に連結し、その耕うん機のロータリ作業爪で、上記掘削装置で掘削された土地をさらに耕作する。
 これは、爆破処理しながら同時進行で、畑など農地用として耕作が行える。
 また、耕作しない道路等では、この耕うん機を取り外して地雷処理専用として使用する。


 地雷処理装置の構成について、上下二層で、下部に爆破ドームと、その上部に衝撃緩衝ドームで構成している。

 その爆破ドームの内周下部にスカート部が下方に突出して取り付けられ、また内壁に衝撃緩衝部の古タイヤをリサイクルして使用している。(又は内周面に金網等で保持された小石を内設する内壁保護部を設けるようにも出来る。)

 爆破ドームの下部に宙づり状の爆破装置と多数の掘削歯を持つ掘削装置が設けられている。

 宙づり状の爆破装置は、ワイヤーの金網を袋状に形成し、その袋に石の錘を多数入れ、その袋の石の錘の重量で地雷を感応させて爆破させる。

 また、掘削装置は、支持軸にくさび状の掘削歯を多数設けた物で、掘削歯の先端を爆破ドームの下端より突出させて設けている。

 そして、その上部の衝撃緩衝ドームの内部に、四段階に仕切り板を互い違いに設け、その仕切り板によって、爆破の爆風及び衝撃を減衰させながら上部に抜けるように、消音器の役割と小石など爆破飛散物の飛び出し防止し、爆破ドームより上部へと流れる爆破威力は、図中の矢印に示すように、各仕切り板の間を通過して上部前方方向に噴出する。

  《地雷処理装置の概略》

 地雷処理装置の形状は、平面がひしゃげたドラム缶状の楕円のドーム状で、その下部側の爆破ドームに、下図に示すように爆破装置と地面掘削装置を設けている。

 その爆破装置は、金網の袋状で中に石を多数入れた物を、横長の宙吊り状態に設け、その爆破装置の石の重量で、地雷を感応させて爆破させる。

 地面掘削装置は、くさび状の掘削歯が等間隔に支持軸に多数設けられ、その掘削歯で耕作の前処理と爆破処理後の地雷の取りこぼしなど処理確認をリアルタイムでする。

<以下、提案装置の説明>

5提案装置の特徴と実用的効果

 地雷の廃棄処理は、地雷探査をしない直接爆破処理法。

 地雷を爆破ドーム内でリアルタイムに爆破処理する。

 地雷の取りこぼしの確認と農地改良用に土地を掘削処理する。

 小型のショベルローダーを改造使用する。

★ ショベルローダーに耕うん機を連結して地雷処理と同時に農地改良する。

 広いフィールドの処理法は、条件により広範囲を一気に地雷処理できる。

 《地雷処理装置》

・ 地雷処理装置は、内壁を古タイヤで保護すると共に衝撃緩衝材として使用するので、低コストと古タイヤのリサイクルが可能です。

・ 地雷を爆破ドーム内で爆破させる事で、安全性が確保できる。

・ また爆破装置は錘で構成され、ワイヤー金網と現地で調達できる石をおもりとして使用するので、その石の調達を現地の人で集めて貰い、これが現地の人の仕事として提供し、またはボランティアとして地雷処理の参加が可能となる。

・ この事から爆破処理による消耗品のコストが、極限まで低く押えられる。

       地雷処理後の地雷の再確認と農地改良用の前処理としての掘削が行える。      

 《使用車両》

・ 処理車両を小型ショベルローダとする事で、比較的価格が安くおさえられ、その価格は定価ベースで170万〜180万程度で、また中古車では40〜50万程度と、大型キャタピラー車と比較して一桁程度以上の差がある。

・ また操縦操作が車並みに比較的簡単で、地雷処理地までの車両輸送も、一度に数台の輸送ができ、輸送コストも大型キャタピラー車と比較して格段に低く抑えられる。

       これらのことから地雷処理装置の大量投入が比較的容易に行える。     

 《農地用耕うん作業》

・ 地雷爆破処理と同時に耕作を行うので、地雷処理後の現地復興策として農地及び植林地としての利用が見込めるので、現地の生活復興策となる。

・ また後に説明する別の地雷処理法では、広いフィールドに於ける特定地では、広範囲を一気に地雷処理が可能で、地雷処理が飛躍的に早く行える。


6提案装置の構成

《全体構成の概略》

  この提案装置は、直接処理法による装置で、市販の小型ショベルローダーのアームからバケット部を取外し 、そのアームに地雷処理装置を連結しています。
  ショベルローダーの改造は、運転席保護用の前面及び屋根などに飛来物防護用金網及び防護ガラスを設  け、後部には耕うん機の連結部も設けます。
  以上の改造ショベルローダーに、地雷処理装置と連結式の耕うん機より構成しています。


  自衛隊が所有する戦車の前方に取り付けたロ   ーラーにより爆破処理するもので、ローラーで直接  地面に荷重を掛けて爆破処理する。
   またこれは、対戦車地雷、を爆破処理するもの   として用いられる。
問題点として、自衛隊の物は、  政治的問題が多く使用できず、また実践的に使用  するとなると消耗品等の問題も大きく、実際に使   用するのに課題が多すぎる。

 
 ★  
また特許技術の中から右図の
   地雷処理兼農地改良装置のように、
   バックホー等キャタ
ピラー車を使用して、
   そのショベル機に設けられるアームの
   先端にロータリーカッタを取付け、
   地雷の爆破及び農地改良を行う物が
   提案されている。
    これは地雷処理が終った後、農地耕作
   として使用する物で、地雷処理と耕作が
   同時進行できない物で、同時処理できない
   のであれば、専用耕作機の物が早く優れて
   いる。
  既成の車両を改造して利用する方法とその問題点

 ★ 従来の特許技術の中から左図のブルドーザ又はバックホーなど土木建築などに用いられるキャタピラー式の大型  の重機車両をベースに利用し、そのアーム部に地雷処理装置が設けられた物が提案されている。

 問題点として、使用車両が非常に高価で、輸送も専用車両が必要で地雷埋設地帯まで車が入れない所があり輸送コストが高く、またキャタピラー車両の操縦に熟練を要し、現地の教育状況から技術者の養成から始める事では緊急性に対応せず、広範囲で膨大な量の地雷処理を行うには、出来るだけ多くの処理車両の投入が必要である。


地雷を探し出すことなく地雷原に衝撃を加えて爆破処理する直接処理法

 この方法での車両の使い方は、次の二通の方式が考えられている。

a) 専用車両を設計し、処理車両として使用する。

b) ブルドーザなど既製の車両を改造して利用する物



 a)専用車両として設計し、使用するその問題点

 ★ 自衛隊が実践的に所有する地雷処理専用の自走式  の専用車両で、その先端に設けられたチェン付きの回  転ローラーを回転させて、そのチェンで打撃爆破させる  車両が配備されている。
   その他、特許出願されている地雷処理専用車両の多  くの技術は、製造コスト及び開発設計から製造の期間  の問題も大きく、早期対応には現実的ではない。

  その他、実験・開発中の物とその問題点

★ 自衛隊が実験車として開発している物に 左図のような実験車がある。
 これは地雷の探知・処理技術を研究するための実験車です。




 以上のように、探知機などセンサーで地雷を探し出してから処理する物としては、人が直接処理する以外は、試験開発段階で未だ実用段階に至ってはいない。


無線操縦によるロボット形式の特許提案と開発の問題点

 現在開発・提案など検討されている技術として、遠隔操作で行うロボット形式の物があり、これは無線操縦でロボットを地雷源に入れ探査し、地雷を見つけるとマーキングを入れGPSにより位置確認と地雷の位置登録をして
後から処理をする。

 この方法は、高度なセンシング技術が必要不可欠で、目下研究段階の物が多く、探査の確実性などの実効性、メンテナンス、研究費及びその開発期間を考えると問題が多く、国際的に早く安く安全に処理できる物が求められ、時間が経過するごとに犠牲者が増える現状をどのように捉えるか。

3現状における地処理の課題と問題点

 現在、地雷が埋設されている国が約72カ国で、地雷総数が1998年のアメリカ国防省の報告書「Hidden Killers」によると6000万から7000万個とされ、その約72カ国のほとんどが後進国で、経済的にも教育的にも恵まれていない地域が占め、早期の地雷廃絶が世界的に求められている。

 また、地雷処理に於いて、当事国の経済力及び各国からの援助金を考慮すると、処理装置が単純で操作が容易、メンテナンス及び地雷処理により発生する装置の消耗品など低コスト、安全作業と埋設地雷の見落としなく確実に早く大量に処理する事が重要で、各国の援助に対する考え方など国際情勢と絡み、一向に進まないのが現状です。

 そして、地雷処理後、現地の復興と経済力を高める事も課題で、現地では土地の荒廃が進み、農地又は植林地としての利用が望まれ、また地雷処理車両が、処理後の現地復興に利用できるなど、地雷処理から処理後まで、全体として捉えるシステムが必要である。

4現状技術の地雷処理方法とその問題点

 地雷処理の方法として、次の二通の処理方法がある。

① 地雷を探知機で探し出して処理する間接処理法

 地雷を探査せず直接地雷原に衝撃を加えて爆破処理する直接処理法

  の問題点は、安全を犠牲にして、人手により直接、広大な埋設地帯を一つ一つ探し出して
  処理するのは、非常に効率が悪く時間が掛かり、探査の取りこぼしの問題もある。
  また一方で費用をかけて地雷探査ロボット・探査センサーを開発する事の時間的問題。

  の問題点は、大型重機を投入する時の費用と輸送などの問題、またその他の方法として、
  実験と開発を進めている物が多く、早期対応とは行かない。

 <以下に、従来の地雷処理法別に説明します>

 探知機などで地雷を探し出してから処理する間接処理法

   人による地雷探査処理とその問題点

現状行われている最も多い地雷処理は、人手による探知機での処理で、広範囲にばらまかれた膨大な数の地雷を危険と隣合わせで、一つ一つ人手により金属探知器で地雷を探査し、反応があると地雷の確認にプロッタ(金属棒)で直接探って確認すると言う、非常に危険を伴う処理作業で事故が絶えない。
 そして探知機の反応が、金属片又は鉄分を含んだ土地にも反応して処理が進まず、さらに処理中に負傷者及び爆死者が絶えず、時間的手間のかかる処理の多さと、新たに埋設され続ける地雷の多さに処理が追いつかず、地雷の被害者が増え続け、世界中で年間26千人もの人が死傷している現状から処理能力の遅さと安全性に欠ける。

2.提案装置概略

提案装置は、ショベルローダなど小型の作業用車両に、ドーム内で爆破処理する地雷処理装置と土地改良装置の耕うん機を、右図のように連結して地雷爆破処理と土地改良(農地用としての耕作)を同時進行で処理する装置です。

<詳細は、この下に>

広域地雷廃棄処理に関する企画提案書

    〈「地雷地帯を農耕地に」をテーマに〉


提案装置名称
                     <特許出願>

  ショベルローダー利用の地雷処理装置兼用土地改良装置

     地雷廃棄処理を安全迅速低コストに!