糖尿病と低血糖

初心者の為の糖尿病教室
(糖尿病治療の基礎知識のページ)
  
開設 2000年9月28日

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糖尿病と低血糖

1.低血糖とは

低血糖とは一般に血糖値が60mg/dl未満(または70mg/dl未満)になった状態を言います。
(糖尿病患者さんで普段の血糖値の高い人や、急に血糖値が下がった時には、100mg/dl程度の血糖値でも低血糖症状が出ることがあります。)

2.低血糖症状

低血糖の症状は、
(主に空腹時や夜間に)異常な空腹感・脱力感・手指のふるえ・冷汗・動悸などが突然に出現し、血糖を上げることにより速やかに消失します。

その他に体がだるい、生あくび、眼の焦点が合わない、頭重感、考えがまとまらない、おかしな行動、性格の変化、急に腹が立つなどの症状がでる場合もあります。ひどい場合には意識が無くなる事があります。

糖尿病患者さん個人個人によって低血糖症状の出方が違い、個人により特徴のある症状や症状の出やすい時間帯がありますので、自分の低血糖の特徴を知っておくことが大切です。

3.低血糖になりやすい時

低血糖になりやすい時は、
・食事の量が少なかったり、食事時間が遅れたり、また決められた間食を食べなかった時。

・運動量や労働量が多すぎる時、または空腹時やインスリンの効果の強い時間帯に激しい運動を行ったとき。


・インスリンの量が多すぎるとき。勝手にインスリン量を増やしたとき。

・血糖値が下がる他の薬剤やアルコ―ルを飲んだ時。
(多量のアルコールは、正常人でも低血糖の原因となります。)

糖尿病の軽い人でも低血糖に対する注意は必要ですが、
糖尿病の薬の多い人やインスリン治療中の人など、より
重症の糖尿病の人は低血糖に十分な注意が必要です。また、高齢者や腎機能の悪い人も低血糖に注意が必要です。
(高齢者は低血糖に絶対にならないように、血糖値を少し高くすることが必要です。具体的には主治医とご相談ください。)

4.低血糖の予防

食事の時間の遅れる時や、運動量の多い時には、低血糖が起こる前に1単位程度の補食(ビスケット、クラッカー、果物等)をします


5.低血糖の治療

(入院中はすぐに看護師に連絡して、看護師の指示に従って下さい。)
低血糖症状を感じたらすぐ、ブドウ糖10gまたは砂糖10〜20g、または糖質を含むジュ−スや清涼飲料(約200ml)を飲んで下さい。(血糖値が測定出来るときは、測定してください。)

砂糖やブドウ糖はポケットやバッグ、引出しなどすぐ手のとどく所に持っていて下さい。(車の運転中は、運転しながら手のとどく所にジュースなどをおいておきます。)

あめ玉、氷砂糖やチョコレ−トなどは、無いよりましですが、緊急時にすぐに効果が出ません。

低血糖症状が起きたら落ち着いてすぐに糖分を補給して、安静にして下さい。(車の運転中は、速やかに安全な場所に停車して下さい。もし意識が無くなれば非常に危険です。その他、階段・高所なども注意して下さい。)

10〜20分で症状がおさまったら、食事または補食をして下さい。(治らなければ、ブドウ糖や砂糖等をもう一度補給します。)

また、低血糖の原因・予防について主治医と相談し、今後の糖尿病の内服薬やインスリン注射の量・食事の変更などについての指示を受けて下さい。

6.もし意識がなくなったら

意識がなくなった場合にそなえて、家族や身近な人に低血糖について説明しておいて下さい。(「すぐに病院へ救急車で連れて行くように。絶対に寝かせて放置しないように。」言っておいて下さい。)


低血糖のために意識状態が少しおかしくなった場合、誰かに砂糖水やジュ−スなどを飲ませてもらいます。

さらに意識が悪くなってしまったとき(低血糖性昏睡)には、そのまますぐに救急車で最寄りの病院へ行き、ブドウ糖の静脈注射を受けて下さい。処置が早ければすぐに意識が回復します。

7.低血糖に対する考え方

低血糖は糖尿病の薬やインスリンの副作用と言われていますが、むしろ血糖値の低下は薬剤の本来の作用の1つであり、作用が過剰になったときに低血糖となります。

低血糖を怖がって高血糖でいれば、糖尿病の慢性合併症が進みます。

合併症の予防の為には、血糖をある程度低くコントロールし、注意して低血糖の予防をし、低血糖時には速やかに処置をするのが大切です。

ほとんどの場合、低血糖になるような原因が有りますので、そのような事をしないように注意して下さい。

(医師はなるべく低血糖の起こらない薬から開始しますが、糖尿病がきつくなってくるとどうしても低血糖の起こる可能性のある薬やインスリンの使用が必要になります。その場合は、患者さんと相談し注意をしながら治療を行います。)