シマノ鈴鹿ロード

 自転車に突如目覚めたM氏(R&Mレーシング) から鈴鹿ロードを誘われた。自転車レースといえば集団走行して心臓パクパク状態でゴールスプリントするイメージがあり、ツーリング志向の私には縁がないと感じていた。ところが、長野五輪の荻原兄弟の熱い走りを間近に見て感動したことと、その前日の弟のコメントを思い出した。そのコメントとは、
 「明日は死ぬ気で走ります。どうせ死にませんから。
このジョークのようなコメントが、死ぬ気で走ったことのない自分には新鮮に感じられた。
 「よっしゃ。死なない範囲で頑張ってみるか!!」
しかし、特にトレーニングもせずにレース当日を迎えた。

 鈴鹿ロードのカテゴリは一般男子で5種類あり、それぞれ周回数が異なる。私は下から2番めのビギナー(2周=約12km)クラス。約230人が同時スタートするが、前から2列目の好位置にいた。スタート前に鳴り響く鈴鹿特有のサイレンで、走る前から心拍は急上昇、足はガクガクする。
 コースは通常の逆廻りで、いきなりシケインまで登りだが、後ろから押されるように目いっぱい走ってしまう。F1等をTVで見る限り、シケインからホームストレートは平坦に見えるが、自転車で走ると結構きつく、この時心拍は189を示していた。
 自分の体力を考えて1周目を心拍180以内に抑え、2周目にスパートするつもりだったのだが、500mで早くも作戦変更だ。とにかく集団についていくしかないと思い、なんとか1周目は先頭集団の中で走ることが出来た。しかし、あと1周あると思った途端、集団についていく自信と気力がなくなってしまった。シケインまでの登りを心臓が破裂する思いで走ったあとは、意識モウロウ、ゴール前はヘロヘロ状態だった。
 結局、トップから1分40秒遅れて77位でゴール!!

 かつて経験したことのない18分間だったが、ゴールスプリントにほど遠い走りが悔しかった。

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