神戸ベイサイドロード

 正式にはサイクルロードレース2001 in Kobe Portisland というこの大会は、昨年までのグリーンピア三木からポートアイランドへ会場を移して、本格的なクリテリウムでの開催となった。
会場は1周約4kmのフラットな特設コースだが、所々アスファルトが波打っている。Uターンするコーナーが2箇所と、クランクカーブが10箇所あるが、コース幅が広いので、思ったほどインターバルのかからないコース。

2hエンデューロ

 鈴鹿ロードに続いてシャープ自転車部から参加。メンバーはカーボンLOOKのKさんと ピナレロプリンスのAさんと私の3名。1周のラップを7分と考えて、3周交代、2巡で計18周を予定していた。
 出場するのは35チームで鈴鹿に比べて少ないが、6位まで賞金が出るので気合いが入る。
 スタートは私で、出来るだけ先頭集団をキープする。福井のBALBA CLUBが2チームでエントリーしてレースを引っ張っている。3周目のラスト2kmで先頭が回って来たので、少し踏み込んだら誰も付いて来ない。浜風が強くて先頭は不利だがそのままピットまで戻り、第2走のAさんと交代する。
 交代のロスタイムもあり、Aさんが1周を終えた時点では5番手あたり。集団に付いていくのが辛そうに見えるが、
「集団から切れるな!!前に付いて行けー!!」
と、つい叫んでしまう。
 先頭集団が5周目を通過するが、Aさんがなかなか戻って来ない。
「なんかトラブッたんと違うか?」とKさんと心配していたら、ようやく戻って来た。
アスファルトが波打ったところで頭から落車したらしく、左半身が傷だらけで痛々しい。チームレースなのでリタイアせずに頑張って戻ったんだろう。
 予定を早めてKさんと交代する。Aさんは救護所へ。プリンスは無事だったが、残りをKさんと二人で走るしかないか?
実況アナウンスによると、Kさんは順調に順位を上げている様子。
 3周を走り終えてバトンタッチ。スタート時に比べると完全にバラバラでタイムトライアル状態。しばらくして、二人組みに追い越されたので、それに付いていく。聞けばその周回で交代するとのことで、ペースは早かったが、休むことが出来た。ピットに入り二人(ゼッケン12番と14番)は選手交代。その間に差をつけようと、一人で頑張ったが追いつかれてしまい、再び3人で走ることに。そのまま3周を終え、K氏と再度交代する。
 途中経過を見ると12番,14番と5位争いをしていることが分かる。6位までが賞金が出るので俄然元気が出る。
「12と14から離れるな!!」
Kさんは当初の予定より1周多い4周を走って帰って来た。12番,14番にも差を付けている。
残り時間を考えると、あと4周は走らないといけない。
 順位も分からず、ただひたすら走るのみ。30番に追いつきしばらく休む。ゴールスプリントに備えてスタミナの消耗は出来るだけ抑えたい。カーブで立ちこぎすると、脚がつりそうになり、耐久レースらしくなってきた。
 残り3周のところで、先頭のBALBA CLUBに追いつかれる。ついに周回遅れ。しかも12番を連れて来ている。ここで、離されるわけにはいかないので付いていく。しかし、脚力の差はどうしようもなく、徐々に遅れ出す。
 Kさんが「前を追え!!」と叫んでいるのが聞こえる。分かっちゃいるけど、ムリが出来ない。12番の選手も遅れ出したので、二人で先頭交代しながら走ることに。残り2周で12番はピットイン。追いつかれたら勝てない気がしたので、その間に目一杯踏み込む。
 順位がわからないまま残り2周を一人旅して、そのままゴール!!

 サービスのタワラ印ハイゴールド21で軽い食事を済ませた後、用を足していると、
「第3位、シャープ自転車部」の放送が聞こえた。
思わず手を洗うのも忘れて、万歳していた。
 チームメイトと上がる表彰台は格別のものがあった。
今回はAさんには気の毒だったが、チームで初めて入賞出来たのは良かった。
来年はチームジャージで表彰台に上がりたい。

 チームレースなので、メンバーのレポートもアップします。なお、赤字は私の注釈です。

Aさんのレポート

 報告します。( ̄ー ̄||)
 朝起きると夜明け前、天気は快晴、気温は肌寒い。
 6時半過ぎに奈良を出発、会場であるポートアイランドの先端部(ナビに出てこない)には7時40分ごろに到着。
スズカに向かう道と違い、明らかに自転車関係者とわかる車が皆無なので、本当にここで良いのか不安になるが、駐車場には既に多くの自転車馬鹿が集まっていた。ここで つうばいつうご一行の車とすれ違う。
 石だらけの荒地の駐車場に車を止め、準備していると偶然隣に止まった車から降りてきたのはKさんだった。 KIMさんはまだ到着していないようだ。(まだ第2阪奈を走っていました)
 用を足し、メイン会場のテントを見て回るが、準備は今始まったばかりという感じ。
Kさんと試走をはじめるが、コースの表示がまるで無いので、いまいちどこがコースなのかわからない。
周りの人たちも地図を見ながら、首をひねりながら走ってる。1周走り終えてぶらぶらしていると、KIMさん到着。
 受付終了後、ピットに荷物を置き3人で試走を開始、コースはだだっ広いほぼフラットな道路。ところどころ砂利が散乱しガラスの破片まで散らばっている。 道路が荒れて盛り上がったところも数箇所。恐らく高速レースになるであろうことは必至。
 風をさえぎるものは無く、浜風(東風)がきつい。 Uターンのところで、フロントタイヤが小石に乗り上げひやり。 結局2周、合計3周で試走を終える。
  その後、サインと計測チップの確認を行い、30分伸びた(あの遅い準備状況ではさもありなんという感じ)スタート時間を待つ。 KIMさんにウオームアップオイルを貸して頂き足に塗る。(鈴鹿ロードでの貰い物です)

  いよいよスタート、第1走者はKIMさん。 1周約6分で、集団が帰ってきた。 KIMさんは集団の5番手ぐらいで、よい位置だ。2周目も順調に周回完了、いよいよ3周目、なんとKIMさんが一人で集団から逃げて帰ってきた。一気に緊張が高まる。
 いよいよ私の番、交代で慎重にクリートをはめてる間に後続には追いつかれる。
 ちょうど他チームが交代するタイミングと合致したのか、走り出したときには集団は6〜7人ぐらいになってる。必死に踏んで集団に食らいつく。
「おい均等に行こうぜ!」
と叫び、こちらを見る兄ちゃんがいるが、こっちはついていくのが精一杯!
 メーターは直線部分で40km超えてるし、チラッと見た心拍数は、大台ケ原でもみたことの無い「180」を示している。
 先頭は打ち合わせたように交代を繰り返し、ペースを吊り上げる。 最終ストレートまえの直線で 今まで丸岡ロードの見通しのよい下りでしか踏んだことの無いトップギア(といっても13T)を踏んでいる自分に気づく。
 最終の大きな交差点を曲がると、集団がペースアップ!
『耐久レースでそんなにスパートするなよ!!』と心の中で叫ぶ。
ちょうど東向きなので、ちぎれかけると風が意地悪をはじめるのでますますつらい。
 ピット前をちぎれかけながら通過。 応援していただいている声が聞こえる。頭の中は「ついていかなきゃ」の考えしかない。 必死に踏むが集団とはじわりじわりと差が広がる。
 いくつかのコーナーを抜け、前の集団を見ながら全力疾走しているとき試走のときはなんということ無かった道路の盛り上がりに乗り上げたと思った瞬間、自転車ごと跳ね上げられ、左側頭部から地面にたたきつけられる。
 速度は40kmぐらいであろう。
 転倒時の常だが、どのように転んだのかは覚えていないものだ。 恐らくハタから見ていると派手にこけたのであろう。
オフィシャルのおじさんと先頭集団の後ろを走っていたバイクが慌てて駆けつけてくる。
 地面にたたきつけられた直後、全身に痛みが走るが、気が張っているためすぐに忘れる。体を確認、腕の派手な擦り傷とひざの打ち傷、パンツが摩擦で裂けているのを確認。 40kmでアスファルトにたたきつけられてもこの程度ですんだんだぁなどと悠長なことを考えている。 次に自転車、奇跡的にほぼ無傷のようだ。
 おじさんが「大丈夫か!」と声をかけてくる。
「早くいかなきゃ!」という考えで頭が占領されているので、適当に返事をし自転車に跨り走り出す。
「おーい!チップ忘れてるで〜」といわれ、慌てて落車のショックで外れた計測チップを取りに戻る。(危うく記録4周で終わるところ)
 この間、誰かに抜かれた記憶はあまり無い。 走り出してすぐに、コースが対向になっているところで先頭集団とすれ違う。 走りながら、傷の確認。 血はそんなに流れていない。やはり、一人旅&落車直後ではペースが上がらない。(力が入らない)
 へろへろの状態でピットにたどり着き、僅か2周で小久保さんと交代。

 とりあえず後を任せて救護所に向かう。
途中 つうばいつうの連中に声をかけられる。写真もひょっとしたら撮ってもらえたかも知れない。(傷だらけですが)
  救護所で応急手当をうけている間はあと1〜2周ぐらいは走る気で満々だったが、手当てを受けている間に緊張の糸が切れ、ショック症状で めまいがし、脂汗が出始め少し横にさせてもらう。
 横になり、氷嚢を頭に載せながら、会場のアナウンスを聞く。
「シャープ自転車部 8位。。。」
 なんと! あれだけ遅れて(といってもどれぐらいロスしたかはよく判っていない)8位か! などと思っていたら 次のアナウンスで
  「現在5位!」のコール。
 お茶をもらい、体調も落ち着いたので、足を引きずりながらピットに戻る。既にレースは終盤を迎えている。
KIM奥さんの指摘でヘルメットを確認すると、内装がぱっくり割れている。
もしヘルメットが無ければ、今ごろ命があったかどうか。。。
その後は、KIM&K両氏の獅子奮迅の活躍で徐々に順位を上げ、ゴール!

 4〜5位か? といっていたが、しばらく待って出てきた最終リザルトはなんと3位!
初めての表彰台は包帯&ばんそうこうだらけ。 落車はこれっきりにしたい。

 落車直後は、「あんな危ない箇所があるなんて!」と思っていたが、その後レースが継続されるも、私と同じところで落車した人はいないようなので、自分のスキルと余裕の無さに反省。 僅か2周の走行も情けない。
 帰ってから、家族の勧めもあり病院でレントゲン&頭部CT検査、どうやら 擦り傷&打撲傷だけですみそうです。

Kさんのレポート

 9/23(日)神戸ポートアイランドで行われた「神戸サイクルロードレース」に行ってきました。2Hエンデューロにシャープ自転車部チーム(3人)で参加して、なんとびっくりの3位で生まれて初めて表彰台という物に立ってきました。

 出場チームは35チームと少なかったのですが鈴鹿のエンデューロよりはレベルが高いだろうと想像していました。
コースは完璧にフラット。直角コーナーが10個所以上。集団で密集しないレースにはさほどきついコーナーでもないのですが、海の風が吹きさらしなので、向かい風をどう走るかがポイントかなという所です。

 まず、スタートは我が部のエースKIMさん。(平地だけです)
3人で出場したので1人3周交替で2回まわる作戦です。
はじめの2周回は10人くらいの先頭集団の後ろに付ける好位置をキープしてピット前を通過。
3周で帰ってきた時はなんと、集団から1人抜け出して第2走者Aさんに交替。
ピットで交替するのにタイムロスするので少しでも集団より前に出て、交替した後追いつけるようにがんばったようです。
さすが!
 2走のAさんが先頭集団から少し遅れてスタート。前の選手に付ければ良いのですが。1周目に帰ってきた時はバラけていて、単独走行になっていたようです。2周目を待っていたらなかなか帰ってきません。
ひょっとしたら、落車?
 やっとピットに帰ってきた時はひじとひざ、肩に擦過傷をつくっていました。
前の選手を追いかけて夢中になった時、路面の出っ張りに車輪を取られてこけてしまったようです。
後でよく見るとヘルメットが割れていました。ピナレロプリンスが無事だったのが不幸中の幸い?
 予定を変更して急遽私と交替。前に選手が1人居たので加速して追いつき、後ろに付きます。引き合いができるかな、と前に出て少し引いてさあ変わってもらおうと思ったら、離れてしまっている。そんな感じで前に居る選手を少しずつ拾いながら予定の3周を走りました。抜かれることはなかったので何とか順位は上げれるだろうとは思っていました。
 次はKIMさんに交替。このころにはバルバというチームがが2人で交替しながら先頭を引いていました。KIMさんは3周で予定通りピットイン。
 次のAさんは、負傷の為リタイアして、私と交替しました。前にいる12番と15番が交替しながら走っている後ろに付けてそのまままず1周しました。ピット前を通過した時、KIMさんが指を3本立てています。残り時間の関係で後3周走れということです。
 前を行く2人が交替する間に抜いたので一人になってしまいました。でも、1周は楽させてもらったから、ここから3周だと思えば良いんだ、と自分を励まして踏み込んでいきました。
 4周走り、最後にKIMさんに交替。途中先頭をぶっちぎっている2人がKIMさんを抜いて、ついに周回遅れになってしまいました。それにしてもダントツの力です。KIMさんが3周目を回った後タイムアップ。後1周のゴールタイムで着順が決まります。

 ゴール後順位が気になりました。6位入賞はしているだろうと予想していました。
休憩している時表彰式をするとのアナウンスがあり、3位に我がチームの名前を呼んだ時はみんなで「ヤッター!」
 初めてお立ち台に立った時は、本当にうれしくなりました。
涙までは出ないけど・・・。
賞金と賞状、メダル、記念品をゲットして帰ってきました。

 周回数19,TIME 2:04:51 AV 36.52km
ちなみに1,2位とは、1ラップ+1分差、4位とは1分差でした。

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