1.受験申し込み
 いよいよ2次試験申し込みである。申し込み用紙を大阪の技術士会支部にもらいにいく。
数が少ないのか返信用封筒に申し込み用紙、説明書等が入っているものであった。1次試験の申し込みの時は、別の一般封筒の中に返信用封筒が説明書と一緒に入っていたが…。
 ま、急いで申し込み用紙を作成し、経歴に対する証明印を会社からもらわなくてはならない。
申し込み用紙に記入する内容で悩んだのは選択科目をどうするか、専門技術をどう書くかであった。選択科目の内容の中で、私の得意とする技術(高電圧試験・特殊測定など)を含む選択科目はなかった。あえて近い専門技術を探すと計測・制御全般という内容がある電子応用が近いことになる。申し込み期限もせまったこともあり、迷ったあげく電子応用を選択し、専門技  術を計測・制御として会社の証明印をもらい、期限ぎりぎりで郵送申し込みした。しかし、これがあとで命取りとなる結果となった。

2.受験勉強
  申し込みが完了し、5月から勉強開始と意気込んだが、普通の試験と違い勉強方法がよくわ からない。普通の試験は多数の過去問を解き自分の弱点をみつけて弱点の補強をするといった手法で乗り切ってきたが、すべて論文であるためこの手法は適用できない。過去問での出題項目、最近の電気学会雑誌での解説記事で出題されそうな項目を抽出し、エッセンスをノー トに記入していくという手法をとることにした。しかし、通勤電車の中で問題を解くという今までの手法と同じように電車のなかで学会雑誌などの論文を読むといった作業は眠気を誘い、すぐ寝てしまうためなかなか勉強が進まない。そうこうしているうちに7月に入り8月3日の試験日ま で1ヶ月をきってしまった。勉強はほとんど進んでいない。そこで、7月の土曜、日曜および海の日を含む4連休はすべて勉強にあてることにした。朝から晩まで1日9時間勉強することにした 。
 キーワードをインターネットで検索し、内容を理解した上で要約をノートに記入するといった作 業を続けた。7月22日の時点で予定していたキーワードの半分以下しか完了していなかったた め、残りのキーワードを試験に出そうな項目とそうでない項目にエイヤッ!と分けて残りの10数項目を勉強することにした。結局完了した項目は150項目中83項目で試験を迎えることに なった。うーん相変わらず追い込まれないと集中できない体質だ。こんなことでは合格は難しいと思う。

3.8月3日(日)受験日 いざ出陣
 出勤日と同じように6時に起床。7時の電車に乗り、試験地の大阪産業大学を目指す。JR野崎駅に8時半前に到着、電車から通勤ラッシュ並の人がどっとおりてきた。一斉に大阪産業大学へ向かう。この大学は電験2種を2年前に受験したときの会場だったので道はよく知っている。というか駅からの道におっさんたちがあふれ大渋滞。なんで渋滞しているのかな?なんて思 っていたら、随分先の方で信号待ちをしているといった状態で道に迷うこともない。合格者の平均年齢が41歳というのがよくわかる。
 大阪産業大学での試験は、ほとんどが建設部門で、建屋も何棟かに分かれている。それにべ電気電子部門でひとつの教室のみ。全部で200人程度か?事実上の業務独占である建設部門の受験者が多くなるのがよくわかる。生活かかってるからだろう。
@必須科目
 午前(10時〜12時半)の必須科目が始まる。自分の専門分野以外の4分野中、3分野から1問づつ選び600字以内の論文を3枚書くことになる。前の年は自分の専門分野を選んでもよかったのだが今年は選べなくなっている。私は発送配電の配電線雷サージの問題、電気応用の無停電電源装置の問題、情報通信のブロードバンドとデジタルディバイドの問題を選択し論 文を作成した。比較的うまく書けたと思う。時間も十分あり、余裕をもって文章の見直しができた。問題を持ち帰るため、最後まで在席する。
 昼休み、席で定番のカツサンドの昼食をとる。この調子で午後もいければと考えながら食事をとり、午後の選択科目の試験を迎えることになる。
A選択科目
  午後(13時半〜17時)の選択科目が始まる。問題内容を見て愕然とする。解答できそうな問 題がほとんどない。特に3枚もののT-2の問題はどれも答えられそうにない。1枚ものの方は、コモンモードノイズ、サンプリング定理、MRIの原理を選択したが、満足できる解答ができたのはサンプリング定理のみで他は不十分な内容であった。T-2の問題は無理やりLSI回路の低電圧化の問題を選択したが、時間の余裕は十分あるのに2枚しか書けなかった。はっきりいってこの時点で不合格を確信した。力不足を痛切に感じる。ちなみに電気応用の問題を見ると、書けそうな問題が多くあり、専門科目の選択を間違えたことを反省する結果となった。
  午前同様17時まで在席し問題を持ち帰る。帰りの駅までの道、西日の当たる中おっさんの行 列が続く…。後ろの方で「また来年もオリンピック精神で頑張る。」なんて話し声が聞こえる。
  また来年も参加することに意義があるという意味だと思うが、こんな試験何回も受けたいとは 思わない。しかし難しい試験だとは思う。来年は科目を替えてもっと早くから勉強に頑張ろうと 思いつつ駅を目指した。

3.合否通知
 10月某日、合否通知が来た。あけてみると、科目TはC、科目UはAであった。Cをくらってしまったが、枚数が不足しているので当然の結果であり、別段ショックはなかった。それよりも科目U(午前の必須科目)がAであったことが嬉しかった。あの程度の論文でAがとれるということは来年専門科目を変更して挑めば、なんとかなるのではないか?という思いがしてきた。
 来年をめざして頑張ろうという思いを新たにした。

参考書:技術士第二次試験「電気電子部門」対策 解答例&練習問題
    著者:福田 遵  発行元:日刊工業新聞社 ¥2,400

 受験費用
  受験料 :14,000円
  参考書代: 2,400円
  合計  :16,400円



    ¥2,400
技術士2次試験受験記(H20)