当日は大勢の方々が私たちの話を聞いてくださいました。質問もたくさんいただきました。
ご質問について、3人が考えたことです。
1 自分自身をうけいれるにはさまざまな葛藤があったと思いますが、ふっきれたきっかけは?
・ああ、やっぱり自分は精神病の患者なんだと、自分の病気を受け入れたときにふっきれました。(ハルさん)
・自分はこれでいい、と、今の自分を受けとめたとき。
毎日、目標を決めてそれが達成できたとき、自分に自信がついた。
自分に自信がつくと、私は今の私でいいと受け入れることができた。
あまり、先のことを考えると、不安や孤独や心配などいろいろ考えてしまったので、とりあえず明日はどうやって過ごそうかな、何をがんばろうかなということについて考え、がんばって生活するようにしています。(ペコちゃん)
・僕の場合は、知り合いのおじさんに京都シティーハーフマラソンに誘ってもらったのが、ふっきれたきっかけです。マラソンを走り、完走したことで大きな自信になりました。(クー)
2 家族です。しんどいときにかけてもらえるとうれしい言葉は何ですか?
・「何もあせる必要はないからね。私たち家族がいつまでも支えているからね。だから今はあせらずゆっくりしなさい。」(クー)
・「大丈夫だよ。だれもあなたの命をねらってないよ」「このテレビのニュースはあなたと全く関係ないよ」などです。(ハルさん)
・言葉もうれしいし、だれかがそばにいて会話をしてくれるだけで一人じゃないと思えた。たまに家族から昔と比べて変わったところを言ってもらえると、もっとやる気がでました。
言葉は「少し休んだほうがいいよ」「がんばりすぎないで」そんな言葉も夢中になっている私にはすごく安心する言葉でした。(ペコちゃん)
3 皆さんが日々の生活の中で幸せを感じるのはどのようなことですか?
・症状もなく体調を自分自身でコントロールできているとき。自分と同じ経験をした仲間と思いを共感できたとき。自分のこうなれたらいいなという理想の自分に近づけたとき。(ペコちゃん)
・トレーニングやランニングをしたとき、家族との何気ない会話をしたときです。一番幸せを感じるのは生きていることを実感したときです。(クー)
・食べ物がオイシイと感じたとき。美しいものをみて感動したとき(夕日など)。体が思いのまま動かせるとき。こわい幻聴が聞こえないとき。(ハルさん)
4 自分で幻聴・妄想だと分かっていない本人には、どういってあげるといいでしょうか。聞いているだけがいいでしょうか。
・今は分からなくても、将来思い出して分かってくれると思うので、愛のある言葉をかけてあげるといいと思います。「幻聴、妄想なんだよ」と言ってあげるといいと思います。(ハルさん)
・「それはもしかしたら、自分が悪かったり、誰かが悪くておこっていることではないかもしれないよ」など、簡単な分かりやすい言葉が頭に入りやすいと思います。幻聴、妄想と言われても、はじめはきっと受け入れられないので。(ペコちゃん)
・聞いているだけでもいいと思います。しかし、ときどき「大丈夫だよ」といった何気ない本人にとってはありがたい救いの言葉をかけてあげるといいと思います。(クー)
5 前向きに考え、生きるために家族からどんなサポートがほしいですか
・とにかく本人の将来のことをゆっくりと一緒になって考えるというサポートがほしいですね。病気になったら一番に心配になるのは、将来のことでしょうから。(クー)
・調子が悪そうに見えたら、心配して声をかけてほしいです。ちょこちょこ買い物や食事に連れ出してほしいです。(ハルさん)
・こんなところが変わったね、とか、がんばってるねなど、自分を認めてくれる言葉を言ってもらえると嬉しい。(ペコちゃん)
6 何事にも関心をもてず寝ている本人に、家族はどうかかわればいいですか
・「一緒に買い物に行こう」など、一緒に、と言うこと、行動することで、自分に自信が持てる気がします。(一緒に何かしていて、できたこと、思ったことから) (ペコちゃん)
・病気になった本人が一番に心配するのは将来のことや、自分の不安からいつ解放されるのかという際限のない不安です。ですから一番は本人をあせらせず、とにかく大丈夫だということを本人に分からせることが必要です。なので心配ないよ、大丈夫だという安心感を日頃からあたえる必要があります。なので、とにかく本人が安心できるようにかかわってあげてください。(クー)
・基本的には、そっとしてあげる。でもたまには、声をかけてあげる。調子がよさそうだったら、散歩などに誘ってみる。あとは、本人さん次第だと思います。(ハルさん)
7 本人がバイトをしたいと言いますが家族としては心配。なにかアドバイスがあれば
・具体的な心配な点を本人さんに正直に言う。調子が悪くなったらすぐやめる約束をかわす。失敗は成功のもと、と本人さんに言い、勇気づける。(ハルさん)
・何が心配なのか、なぜダメだというのか、やめておいたほうがいいのか・・・、その内容を詳しく言ってくれることで、本人も受け入れてくれると思う。(ペコちゃん)
・あせらなくてもいいよ、ゆっくりでいいからねということを普段から言ってあげてください。本人は早く社会復帰したいとあせっているはずです。早くこの状況から脱出したいとあせっているはずです。とにかくあせらず、ゆっくりとしていくことがこの病気を治す近道です。(クー)
会場の皆様、ありがとうございました!