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◆だんじり日記6・入魂式(建築ジャーナル 2003年8月号掲載)

建物を建てるとき着工から竣工までにいくつかの儀式があります。
「地鎮祭」「上棟式」などがそれにあたります。

だんじりも新調や大修理をしたときは「入魂式」という儀式を行います。
文字通りだんじりに魂を入れるための儀式で、
完成しただんじりを工務店から自分たちの町まで持って帰る途中に、
本祭りで宮入する神社で行います。

この入魂式は通常、春から初夏にかけての休日の早朝に行われ、
本番さながらに引き手たちも法被を着込み、
工務店から自町までの長距離を延々と曳いてきます。
もちろん「槍まわし」などのパフォーマンスも欠かしません。
季節外れのだんじりを見るためにこの日は早朝にもかかわらず
うわさを聞きつけた大勢のだんじりフリークが集まり、入魂式を見守ります。

だんじりには魂が宿っています。いや、だんじりだけじゃなく昔の日本人は
自分たちの使う道具や建物には魂が宿っていると考えてきました。
この信念が土台となり日本の文化を成熟させました。
現代の日本では忘れがちになっているのではないでしょうか。



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