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◆だんじり日記5 ・だんじり小屋(建築ジャーナル 2003年6月号掲載)

だんじりを所有する各町にはそれぞれだんじりを保管する倉庫のような建物があります。
地元の人はその建物を「だんじり小屋(ごや)」と呼びます。
時代とともにだんじり小屋の仕様も大きく変化しました。
一昔前は質素で飾り気のない切妻屋根の木造平屋で
妻入りの開口部は観音開きの大きな木製扉でした。
その中に保管していたものはだんじり本体と装飾品以外のだんじりの部品、スペアなどで
装飾品は各町の会館で保管していました。

現代の一般的なだんじり小屋は切妻屋根の鉄骨二階建てで妻入りの開口部はシャッターになり、
二階に装飾品などを保管するようになっています。使い勝手は合理的で便利になりましたが
無機質でぬくもりがなくなっていくような寂しさを感じます。

祭りが遠のきだんじりが恋しくなった時期に木製扉の節穴からこっそり覗いたり、
祭りが近づいていよいよ扉を開けるときのドキドキ、
そして何より扉を開け広げたときのあの独特のにおい。
岸和田の子供のだんじりの思い出はだんじり小屋から始まります。

現代のだんじり小屋は今の子供たちにどんな思い出を残すんでしょうか。
今もあのにおいは残っているんでしょうか。

↑現代的なだんじり小屋の見本のような春木大小路町のだんじり小屋。

↑近年に建てられたが日本的なデザインで
観音開きの開口部を持つ春木若松町のだんじり小屋。



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