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◆だんじり日記1・序章(建築ジャーナル 2002年8月号掲載)

岸和田市といえば、だんじり祭りが有名です。そのだんじりは「建築」だと言えます。
たぶん日本全国の祭りで使われている山車がそうであるようにだんじりもまた、
土台、柱、桁、屋根があり、その建築物に木製の車輪(コマ)を取り付けて動かしています。
構造はもちろん日本の伝統的な木造です。
その構造体にさまざまな装飾(ホリモン)を施したり、取り付けたりして、
あの堂々とした風格あるだんじりができあがります。
これから先もその姿は変わることはないでしょう。

一方、祭りの舞台となる街並はどうかというと、こちらは残念ながら伝統も風格もなくなっていくばかりです。
建ち並ぶ住宅は、手っ取り早く新建材を貼り付けただけのものばかりが目立ちます。
経済効率優先でつくられたのでしょう。
だんじりに対する情熱のせめて半分でも住宅や街並みに注いでいればと思います。

 もし現代の住宅と同じ工法、材料でだんじりをつくったらどうなるのでしょう。
屋根がカラーベスト、軒裏がケイカルなどだったら・・・。
とてもじゃないが「勇壮にして華麗」というキャッチコピーも当てはまらなくなります。

薄っぺらな街並みにそぐわなくても、だんじりの伝統はこれからも守られ続けます。



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